STT GDC Japan、「PRACTICAL INSIGHTS」を初開催
~AI時代の社会基盤を支える次世代データセンターの可能性を探る~
データセンターソリューションのリーディングプロバイダーであるSTテレメディア・グローバル・データセンターズ(以下、「STT GDC」) の日本法人STT GDC Japan株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:前田 潔、以下、「STT GDC Japan」)は2025年11月11日(火)にAndaz Tokyo(東京都港区)にて、AI時代デジタルインフラの最前線を語るカンファレンス「PRACTICAL INSIGHTS」を開催しました。

当日は、経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課長 兼 AI産業戦略室長の渡辺 琢也氏、GenD-AX株式会社 営業統括本部 エバンジェリスト/Sales Leadの鈴木 祥太氏、Supermicro Vice President, Business Development, APJ regionのThomas Lee氏、および日本マイクロソフト株式会社 クラウド&AIソリューション事業本部 グローバルブラックベルトセールス本部 WWAIインフラ&HPC テクニカルスペシャリストの田中 洋氏が登壇し、生成AIの進展がもたらす産業構造の変化や、AIを支えるデータセンターインフラの進化、企業に求められる戦略的対応について講演が行われました。
後半のパネルディスカッションでは、Rebellions Japan株式会社の中島 健氏、株式会社産業創成アドバイザリーのギャリー・チャン氏も加わり、官民・業界の枠を超えて、AI活用の課題と将来展望について活発な意見交換が行われました。
■ 開催の背景
生成AIの発展により、膨大なデータを瞬時に処理・分析することが求められる時代が到来しています。これに伴い、AIモデルの学習や推論を支える計算リソースが急速に増大し、データセンターは従来以上の処理性能・電力効率・冷却技術を備えることが必須となりました。こうした潮流の中で、STT GDC Japanは、今後拡大が見込まれるAI需要の中で、データセンター業界における新たな価値創出を目指す取り組みの一環として本カンファレンスを開催しました。
冒頭あいさつで代表取締役社長の前田 潔は、「AIの進展に伴い、ビジネスのあらゆる分野でいかにAIをビジネスモデルに生かし、イノベーションを進めるかが重要なテーマだ。AI対応型のデータセンターは、膨大な電力や熱処理などの課題に対応しつつ、よりインテリジェントで柔軟、そして高密度なエコシステムを支える存在として進化していく必要がある」と語り、AIの進化がもたらす社会変革と、それに伴うデータセンターの役割の重要性を強調しました。
続けて、「STT GDCは現在、世界12の市場で100を超えるデータセンターを運営しており、日本では本年6月に千葉県印西市に国内初となるデータセンターを開業。開業初日から100%カーボンニュートラルを実現し、AI対応型の次世代データセンターとして、持続可能な社会の構築に貢献していきたい」と述べ、グローバル展開と日本市場での最新拠点を紹介しました。
最後に、「『PRACTICAL INSIGHTS』は2018年から世界各国で開催され、今年で第4回目となる。日本での開催は初めてであり、AIというテーマのもと、多様な専門家の視点から新しい可能性を探る場として、皆さまにとって実りある時間となることを願っている」と締めくくりました。
■ 登壇者講演
経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課長 兼 AI産業戦略室長 渡辺 琢也氏
テーマ「経済産業層のAI政策の動向と展望」
渡辺氏は、経済産業省におけるAI政策の現状と今後の展望について講演しました。「人口減少が進む日本において、AIは生産性向上のための不可欠な技術である」と述べ、社会課題の解決に向けた官民連携の重要性を強調しました。経済産業省では、「デジタルスキル標準」による人材育成や、企業とスタートアップの協業を支援する「G-INAC」などの施策を推進しています。
また、「AIを導入するだけでなく、業務や組織をAI前提に再設計することが重要である」とし、現場データを活用可能な形に整えることが今後の成長の鍵になると語りました。

Gen-AX 株式会社 営業統括本部 エバンジェリスト/Sales Lead 鈴木 祥太氏
テーマ「Gen-AXが描く問い合わせ対応業務AX~使うたびに、強く賢くなるAI~」

鈴木氏は、生成AIを活用した次世代の問い合わせ対応業務について、自社の取り組みを紹介。音声応対AI「Cross Ghost」と業務支援ツール「Cross Boost」を取り上げ、音声を直接理解して返答を生成する「speech-to-speech」技術により、自然で遅延のない対話を実現する様子をデモンストレーションを通じて説明しました。
最後に、「日本の“おもてなし”をAIで再定義し、海外に輸出できる産業に育てていきたい」と述べ、こうした取り組みを通じて人とAIが共に成長する未来像を示しました。
Supermicroヴァイスプレジデント, ビジネスディベロップメント , APJ リージョン トーマス・リー氏
テーマ「戦略からインフラまで:日本企業が大規模AI導入に備える方法」
リー氏は、日本企業がAI導入を進める上での課題と今後の展望について語りました。AIプロジェクトの多くが成果に結びつかない要因として、ガバナンスやデータ品質、専門人材の不足を挙げ、組織横断的な連携の必要性を指摘しました。また、生成AIの進展に伴い急増する計処理能力に対応するためには、「電力供給・冷却効率・ネットワーク構成など、データセンター設計全体の最適化が不可欠だ」と強調。グリーンITの観点からも、持続可能なAIインフラの整備と産業全体での協働体制の構築を呼びかけました。

日本マイクロソフト株式会社 クラウド&AIソリューション事業本部
グローバルブラックベルトセールス本部 WWAIインフラ&HPC テクニカルスペシャリスト 田中 洋氏
テーマ「AI時代の価値創出を支えるクラウドインフラと責任あるAI活用」

田中氏は、生成AIの社会実装を支えるクラウドインフラの重要性と、責任あるAI活用に向けた取り組みとして、グローバルで展開するクラウド基盤「Azure(アジュール)」の技術的特徴を紹介。電力効率や冷却技術を含めたデータセンター最適化の進化を説明しました。そして、「AIの成長には強固なインフラと倫理的な運用の両立が不可欠」と述べ、再生可能エネルギーの活用やセキュリティ強化など、サステナブルかつ信頼性の高いAIインフラ構築への取り組みを紹介。責任あるAIの実装を通じ、企業の持続的な価値創出を支えていく姿勢を示しました。
■ パネルディスカッション
テーマ AI活用の構築力:クラウドから実装力へ
「AIが社会やビジネスの中心になる時代に向けて、仕組み・基盤・戦略を構築していくこと」
最後に、STT GDCのGroup Chief Revenue Officerであるクリス・ストリート、経済産業省の渡辺 琢也氏、株式会社産業創成アドバイザリーのギャリー・チャン氏、Rebellions Japan株式会社の中島 健氏、Supermicroのトーマス・リー氏が登壇し、AI社会の実装に向けた課題と展望について語りました。
渡辺氏は「AI産業化の鍵はエコシステムの構築にある」と述べ、データセンターや半導体、モデル開発が連携する産業基盤の形成を課題として提示しました。チャン氏は「日本企業はAIを自国の価値観に根ざして活用すべき」と指摘し、技術導入だけでなく倫理・文化の側面からのアプローチを提唱しました。
中島氏は、Rebellionsが開発するAIアクセラレーター「NPU」による省電力化の取り組みを紹介。「GPUだけでなくより効率的な選択肢を検討することが、エネルギー輸入国である日本の課題解決につながる」と述べました。リー氏は、AIインフラ設計において電力・冷却・ネットワークの最適化に向け、産業全体で持続可能なデータセンターを実現する方向性を示しました。
こうした議論を通じ、「Practical Insights」のテーマのもと、AI時代に求められる持続可能なインフラと産業連携の重要性が改めて示されました。

■ ST テレメディア・グローバル・データセンターズについて
ST テレメディア・グローバル・データセンターズ(STT GDC)は、急成長を遂げているデータセンタープロバイダーの1つで、世界をつなぐデジタルエコシステムの礎として機能する、グローバルプラットフォームを提供しています。サステナブルなデジタル社会の未来を実現するため、STT GDCはシンガポール、イギリス、ドイツ、インド、タイ、韓国、インドネシア、日本、フィリピン、マレーシアなどで事業を展開しており、顧客企業の成長に貢献する優れた基盤をあらゆる場所で提供しています。
【会社概要】
■STT GDC Japan株式会社
代表者名 :前田 潔
所在地 :東京都 港区 虎ノ門2-6-1虎ノ門ヒルズステーションタワー 32階
事業内容 :データセンターの企画・開発・運営および関連サービスの提供
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