AJCCAカンファレンス、シンガポールで開催 – サイバーセキュリティの未来を拓く新たな連携とACRA表彰式

アジアのサイバーセキュリティ強化に向けた新たな連携と地域パートナーシップの拡大

日ASEANサイバーセキュリティ・コミュニティ・アライアンス（AJCCA）

2024年11月6日 10時00分

写真中央：来賓 - Ms. Rahayu Mahzam (ラハユ・マザム氏) – シンガポールデジタル開発・情報省大臣と、AJCCA各国協会の代表者

2024年10月17日、シンガポールのサンテックコンベンション＆エキシビションセンターで、ASEAN Japan Cybersecurity Community Alliance（AJCCA）主催のカンファレンスが盛大に開催されました。

今年のテーマは「アジアにおけるサイバーレジリエンス向上に向けたサイバーセキュリティ・コミュニティの重要な役割」で、サイバーセキュリティ分野の政府関係者、企業、学術関係者を含む118名が参加し、地域協力を深める場となりました。

開会の挨拶では、AJCCA会長のDr. Rudi Lumanto (ルディ・ルマント博士) が登壇し、同協会が進めてきたサイバーセキュリティ強化活動について報告。特に、地域内の協力関係を通じてサイバー脅威に立ち向かう重要性を強調しました。また、ルマント博士は、今後の取り組みに対する決意を示し、参加者に強い印象を残しました。

写真：AJCCA会長 Dr. Rudi Lumanto (ルディ・ルマント博士) による開会挨拶

次に、特別来賓として、シンガポールのデジタル開発・情報省のラハユ・マザム国務大臣が登壇。政府のサイバーセキュリティ政策や、急速に変化するデジタル環境に対応するための取り組みについて講演しました。ラハユ氏は、シンガポールが強固なサイバー防衛を築くために民間との連携を強化し、サイバーセキュリティにおける官民パートナーシップの可能性を再確認させました。

新メンバー・ラオスの加盟

今回のカンファレンスにおいて、ラオスサイバーセキュリティコミュニティ（LCSC）がAJCCAの正式メンバーに加盟することが発表されました。これにより、AJCCAのメンバー国はラオスを加えた10カ国に拡大。ASEAN全域での協力体制がさらに強化され、地域的なサイバーセキュリティの取り組みが一層促進されることが期待されています。

写真左から：AJCCA会長 Dr. Rudi Lumanto、LCSC会長 Mr. Sengxay Xayachack

SEA-CCとのグローバルパートナーシップ

AJCCAはまた、AJCCAは東南アジアサイバーセキュリティコンソーシアム（SEA-CC）との覚書を締結し、ASEAN地域全体におけるサイバーセキュリティの強化を図る取り組みを推進します。この連携は、地域のセキュリティ意識の向上や、持続可能な能力構築のための枠組みをさらに強固なものにすることを目指しています。

写真左から：AiSP元会長 Mr. Johnny Kho（AJCCA代表）、立会人 AJCCA会長 Dr. Rudi Lumanto、立会人シンガポール政府デジタル開発・情報省大臣 Ms. Rahayu Mahzam、BCSA会長代理 Ms. Serina Hj Mohd Ali（SEACC代表）

idCAREとの新たなパートナーシップ

さらに、インドネシアのIndonesia Cyber Awareness and Resilience Center（idCARE）との新たなパートナーシップを締結したことを発表しました。idCAREは、インドネシア国内におけるサイバーセキュリティ意識の向上と能力構築を目指す組織で、この提携によりASEAN全域においてサイバー脅威に対処するための協力体制が強化されます。idCAREのDr. Muhammad Salman (モハメド・サルマン博士）は、「この提携により、我々のプログラムがASEAN全域で展開され、急速に進化するサイバー脅威への対応力が強化される」と述べました。また、idCAREはオープンソースのセキュリティ監視ツール「Mata Elang」をAJCCAコミュニティサービスを通じて無料で提供することも発表され、技術的なサポートも強化されます。

写真左から：AJCCA会長 Rudi Lumanto博士、Board of Director Indonesia Cyber Awareness and Resilience Center, Universitas Indonesia (idCARE.UI) Dr. Muhammad Salman

初のAJCCAサイバーセキュリティレジリエンス賞（ACRA）受賞者発表

カンファレンスでは、初となる「サイバーセキュリティレジリエンス賞（ACRA）」が発表され、2019年から2024年までの間にサイバーセキュリティ分野で顕著な貢献を果たした19名が表彰されました。この賞は、ASEAN各国および日本におけるサイバーセキュリティの発展に多大な功績を残した個人に贈られるもので、受賞者たちは各国での取り組みの先駆者として広く称賛されました。