SELを推進するrokuyou下向が、OECD主催「新世代のエンパワーメント 社会性と情動のスキルを世界で育む グローバルカンファレンス」へ登壇

OECDが主催するグローバルカンファレンスにおいて、日本に示された課題と可能性とは?

株式会社rokuyou

 株式会社rokuyou(沖縄県那覇市、以下rokuyou)代表取締役 下向依梨は、2024年10月24日にOECDとチリ教育庁が共同開催した「Empowering the New Generation Nurturing Social and Emotional Skills Around the Globe Global Launch - Santiago, Chile(新世代のエンパワーメント 社会性と情動のスキルを世界で育む グローバルカンファレンス - チリ・サンティアゴ)」に出席。パネラーゲストとして世界の識者・実践者とともに、社会性と情動のスキルを促進する学校・家庭づくりについて議論を深めました。

1 カンファレンス概要

 経済協力開発機構(OECD)が実施する国際調査「社会性と情動のスキル調査(Survey on Social Emotional Skills; SSES)」では、10歳および15歳の生徒の社会性と情動のスキルの発達を促進する条件や取り組みを評価しています。2023年に実施された第2回調査では、16の国と地域が参加しました。その結果が、2024年10月24日にOECDとチリ教育庁の共同開催である「Empowering the New Generation Nurturing Social and Emotional Skills Around the Globe Global Launch - Santiago, Chile(新世代のエンパワーメント 社会性と情動のスキルを世界で育む グルーバルカンファレンス - チリ・サンティアゴ)」で公表されました。

 SEL(Social Emotional Learning/社会性と情動の教育)を軸に全国のべ100校以上の伴走支援やカリキュラム制作を続けるrokuyou代表・下向依梨はパネルディスカッションのゲストとして招待され、専門家および政策担当者と本調査の結果を基に、社会性と情動のスキルを促進する学校・家庭づくりにつながる政策や実践について議論しました。

SSESの第2回調査参加国・地域
ブルガリア、ボゴタ(コロンビア)、チリ、メキシコ、ペルー、スペイン、ウクライナ、デリー(インド)、ドバイ(アラブ首長国連邦)、エミリア=ロマーニャ(イタリア)、群馬(日本)、ヘルシンキ(フィンランド)、済南(中華人民共和国)、クドゥス(インドネシア)、ソブラル(ブラジル)、トリノ(イタリア)

2 プログラム

8:00-8:30 開会 (チリ教育品質庁長官 ジーノ・コルテズ)
      本会の趣旨説明(チリ教育大臣 ニコラス・カタルド)
8:30-9:00 「Survey on Social Emotional Skills」概要説明(OECD教育・スキル局長兼事務総長教育政策特別顧問 アンドレアス・シュライヒャー)

9:00-10:00 パネルディスカッション

10:00-10:15 閉会(チリ教育品質庁長官 ジーノ・コルテズ)

3 基調講演概要

 以下、アンドレアス・シュライヒャー氏の講演より抜粋してお届けします。

 日本では、認知スキルのスコアが高いが、非認知スキルのスコアは低い結果となっています。一方で、チリは認知スキルのスコアは平均よりも低いが、非認知スキルのスコアは比較的高い結果となりました。しかし、デンマークのように認知および非認知スキル両方を高めることができることも明らかになっています。

 本調査では、学校・家庭・社会において、「社会性と情動のスキルの育成」がどのようになされるかを検証しました。その結果、多くの教員が社会性と情動の教育についての研修を受けていないことが明らかになりました。(日本での調査対象エリアとなった群馬県では60%以上が受けておらず、チリでは約40%、デンマークでは22%となりました。)

 さらに、「社会性と情動のスキルは学校でも授けることができる」という共通認識が非常に重要です。どれほどの教員がその理解を得られているかを明らかにするために、「教員の責任(教員と校長間において教員が社会性と情動のスキルを授ける必要があると合意した生徒数の割合)」と「学業への影響に関する共通認識(社会性と情動のスキルが学習成果の改善につながるという共通認識)」という2つの指標を調査しました。結果、日本は2つの指標において調査対象地域内で最も低い値となりました。

 学校への愛着やポジティブな感覚を持っている生徒は社会性と情動のスキルも高まる傾向が見えています。一方、低い生徒は学校に対してポジティブな感覚を抱けていないことがわかりました。また、社会性と情動のスキルは、男女平等・性別に関する固定観念からも影響を受けることがわかっています。家庭で男性と女性両者が家事に参画している場合、生徒はより高い社会性と情動のスキルを持っているという結果となりました。

社会性と情動のスキル調査(Survey on Social Emotional Skills; SSES)」結果

4 パネルディスカッション

ジェニファー・アダムズ  Global Alliance for SEL & Life Skills実行委員、元オタワ・カールトン学区教育長、Educating Leaders 創設者・CEO(カナダ)

ロベルト・ルッチ  INVALSI (イタリア教育省の国立教育訓練システム評価研究所)所長、国際教育到達度評価学会(IEA)会員、OECDの国際生徒評価のためのプログラム(PISA)及び国際教員指導環境調査(TALIS)の審議会委員(イタリア)

マウリシオ・ファリアス  チリ教育委員長

下向 依梨 株式会社rokuyou代表取締役

 アダムズ氏からは、「教育におけるSELの有用性は学術研究や結果調査から証明されている。また、ビジネスや健康福祉においても、SELが好影響を与えることが明らかになってきた」と語りました。

 シュライヒャー氏から「日本では、授業に限らず部活動など幅広い場面で教員と生徒と関わる機会がある。その中で、先生たちにSELはどう受け止められているのか」と疑問が呈されました。これに対して、下向からは「SELは日本語で妥当な表現がなく、コンセプトとして伝えづらい。この点は、日本の学校現場における課題となっている」と述べました。

 また、「日本ではPBL(Project Based Learning)が推進されているが、教員から生徒へのフィードバックの機会はどう設けられているのか」とシュライヒャー氏に投げかけられ、下向より「日本においてはPBLの中にSELを組み込む好例が生まれている。ただし、日本では教員が人事異動により数年ごとに入れ替わる。そのため、地域社会を巻き込んだ体制づくりが急務だと考えている。rokuyouは沖縄県をフィールドに、学校のPBLへ地域企業を巻き込み、資金面での協力体制構築にも挑戦している」と語りました。

 最後は、下向より「SELは教育現場だけでなく、経済界やその他の業界においても広げていく価値がある。そのためにも、今回の調査結果を用いて多様な方々とコミュニケーションをとっていきたい」と締めくくられました。

5 報告会開催のお知らせ

 rokuyouでは、「Empowering the New Generation Nurturing Social and Emotional Skills Around the Globe Global Launch - Santiago, Chile(新世代のエンパワーメント 社会性と情動のスキルを世界で育む グローバルカンファレンス - チリ・サンティアゴ)」のより詳細な解説とrokuyouの活動をお伝えする報告会を開催します。どなたでもご参加いただけます。

<概要>

日時:11月25日(月)20:00-21:00 

場所:オンライン

参加費:無料

コンテンツ

・OECDから報告された日本の教育の課題と可能性

・日本におけるSEL(rokuyou)の果たす役割

・下向の考察と展望

・コメントより質疑応答

参加方法

下記のボタンからお申し込みをお願いします。

下向依梨(しもむかい えり)
株式会社roku you代表
大阪府生まれ。慶應義塾大学総合政策学部へ入学後、社会起業家について研究。在学中に、社会起業家育成のパターン・ランゲージを開発、出版。その後、米国・ペンシルベニア大学教育大学院で発達心理学において修士号を取得。帰国後は東京のオルタナティブスクールに勤務。2019年に株式会社roku youを沖縄県にて設立、代表取締役に就任。SEL(Social Emotional Learning /社会性と情動の学び)を基軸に、全国延べ100校以上の学校改革や総合的な探究の時間に関わる。著書に『世界標準のSEL教育のすすめ 「切りひらく力」を育む親子習慣: 学力だけで幸せになれるのか?』(小学館)がある。『21世紀の教育 子どもの社会的能力とEQを伸ばす3つの焦点』(ダニエル・ゴールマン、ピーター・センゲ、 井上英之 (監修, 翻訳)/ダイヤモンド社)の解説を担当。一児の母。

株式会社rokuyou

株式会社rokuyou

■株式会社rokuyouについて
一人一人の生まれ持った可能性が磨かれ続け有機的に響き合う豊かな社会をつくることを目標に、SEL(Social Emotional Learning)をベースとしたカリキュラム・プログラム制作や小学校から大学までの学校や教育委員会への伴走支援を行っています。

【会社概要】
株式会社rokuyou
代表  :下向 依梨
設立  :2019年4月
事業内容:
 - SELをベースとした教材・プログラム制作
 - 授業や研修の提供
 - 学校・自治体へのコンサルティング・コーディネート事業 等
URL  :https://www.roku-you.co/about/
note  :https://note.com/roku_you/

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


ビジネスカテゴリ
学校・大学保育・幼児教育
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

株式会社rokuyou

0フォロワー

RSS
URL
https://www.roku-you.co/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
沖縄県那覇市久茂地2-2-2 タイムスビル 2F
電話番号
090-9166-7166
代表者名
下向依梨
上場
未上場
資本金
-
設立
2019年04月