ライノフラックス、ミツカンとの連携により、東京都のスタートアップ支援事業に採択
バイオマス資源からのクリーン電力・高純度CO₂生産のための「湿式ケミカルルーピング技術」を用いた実証へ

ライノフラックス株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役CEO:間澤敦、以下当社)は、東京都が主催する社会課題解決型スタートアップ支援事業「Tokyo Co-inNovators」において、第3期コンセプト検証支援「環境サステナビリティ」分野に採択されました。株式会社Mizkan(本社:愛知県半田市、代表取締役社長兼CEO:吉永智征、以下ミツカン)と共同で、当社の「湿式ケミカルルーピング技術」を活用し、未利用バイオマス資源からのクリーン電力・高純度CO₂生産を目指す実証実験を行います。
当社が採択された実証概要
当社は、このたび社会課題解決型スタートアップ支援事業「Tokyo Co-inNovators」において、ミツカンとの共同プロジェクトが採択されました。本プロジェクトでは、ミツカンの食品工場で発生する従来技術では利用が困難であった含水率の高い未利用バイオマス資源を原料とし、高効率かつ低コストでクリーン電力と高純度CO₂を生産する実証実験を行います。
この実証実験では、当社独自の「湿式ケミカルルーピング技術*1」を用いたプロトタイプモデルの小型実証機「Katsura-1J*2」を使用します。この技術は、京都大学反応工学研究室の研究成果に基づき、バイオマスを燃焼させることなく、水溶液と化学的に反応させることで、高効率かつ低コストでクリーン電力と高純度CO₂を回収できることが特長です。
具体的な実証方法として、ミツカンの食酢や納豆などの製造工程で排出される食品残渣や排水汚泥などの廃棄物を原料として、当社が開発した小規模実証機に連続的に投入し、1kW程度の発電と高純度CO₂回収における性能を評価・検証します。本実証に成功した場合、ミツカンとしてこれまでコストをかけて廃棄していた食品残渣や排水汚泥の持つ価値を最大化し、安定的でクリーンな電力を製造することに加え、CO₂排出量および廃棄物量の削減にも寄与します。
なお、本取り組みはミツカンが、「ともに」という考え方をもとに様々なステークホルダーと価値創出に取り組む中で、当社の株主でもあるBeyond Next Ventures3号投資事業有限責任組合へLP出資されたことがきっかけとなり生まれたものです。
*1:水溶液中の金属イオンの酸化・還元反応を利用した新規エネルギー変換技術(図1)
*2:2025年1月に製作完了した1畳サイズの小型実証機で、出力は1kW程度で、1時間当たり500g-dry程度のバイオマスを処理可能。(図2)


東京都社会課題解決型スタートアップ支援事業「Tokyo Co-inNovators」について
東京都は、社会課題の解決に向け、スタートアップと企業・組織の連携を促進する社会課題解決型スタートアップ支援事業「Tokyo Co-inNovators」を実施しています。本事業では、スタートアップの革新的なソリューションを活用し、多様な社会課題の解決を目指します。特に環境サステナビリティ分野では、以下のような課題解決に取り組むスタートアップが支援対象となります。
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GHG(温室効果ガス)排出量の可視化・削減
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二酸化炭素除去技術(森林吸収・DAC等)やカーボンクレジットの活用
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エネルギー供給の効率化や再エネ・省エネ・蓄エネの取り組みを推進するとともに、水素、アンモニアなど次世代エネルギーを活用し、GX化を図る
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「循環経済」への移行に向けた、3Rの推進や再生材の利用、プラスチック製品や食品ロスの削減、バリューチェーンにおける改善等
公式サイト:https://shakaikadai.metro.tokyo.lg.jp/
今後の展望
当社は、本実証を通じて、地球上に存在する膨大なバイオマス資源から、高効率かつ経済的にクリーン電力と高純度CO₂を回収する技術を確立し、2028年の商用化を目指すことで、環境負荷の低減と持続可能な社会の実現に貢献していきます。この技術は、食品業界をはじめ、飲料、農業、林業、水処理といった幅広い業界のバイオマス資源に適用可能です。また、対象地域は世界に広がります。本実証で得られる成果をもとに先進技術の早期社会実装を目指し、地球上に豊富に存在するバイオマス資源の潜在的な価値を科学の力で最大限に引き出すことで、持続可能な未来の実現に貢献してまいります。
各社からのコメント
株式会社Mizkan / 生産物流本部 生産企画部 部長 藏内 秀行
ライノフラックス様と連携・協業させていただくことを大変うれしく思います。
ミツカングループは「やがて、いのちに変わるもの。」をミッションとして、自然に感謝し、正直で誠実に、食を提供することを大切にする、事業そのものを通じて環境・社会課題の解決を実現し、100年先も変革と挑戦を続けるサステナブルな企業であることを目指しています。
工場から排出される廃棄物をバイオマス資源として有効利用する本技術をライノフラックス様とともに実現し、社会に貢献していきたいと考えています。
ライノフラックス株式会社 / 代表取締役CEO 間澤 敦
この度、日本を代表する食品メーカーであるミツカン様、そして東京都のご支援のもと、私たちの革新的なバイオマスエネルギー技術を用いた実証実験を開始できますことを、大変光栄に思います。
本協業では、ミツカン様の食品工場から生じるバイオマス資源を、弊社の独自技術によってクリーンなエネルギーと高純度のCO₂へと転換します。これは、食品工場が次世代のエネルギー拠点となり得る、新しい可能性を拓く取り組みです。
本実証を通じて、環境と経済が両立する持続可能な社会の実現に向け、着実に歩みを進めてまいります。
ライノフラックス株式会社 概要
法人名:ライノフラックス株式会社
代表者:代表取締役CEO 間澤 敦
本社 :京都市左京区吉田本町36-1 京都大学 国際科学イノベーション棟西館104号室
研究所:京都市西京区御陵大原1-39 京大桂ベンチャープラザ南館2214号室
設立日:2024年4月22日
事業内容:バイオエネルギー・炭素回収装置及び関連機器の設計・製造・販売・管理・運営
連絡先:info@rhinoflux.com
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