9/1は防災の日、「雨どい」の老舗メーカーが挑む、世界初の防災技術!
雨水の集排水技術を生かした「フェーズフリー防災」実現に向けて
住設資材メーカーの、デンカアステック株式会社(代表取締役社長:後藤一之、本社:東京都港区)では、60年以上にわたる、雨どい製造の実績と、雨水の集排水に関する専門技術をもとに、防災視点での社会課題に取り組み、「平時における雨水の利活用」「災害時における雨水の生活用水化」「豪雨時における内水氾濫時の浸水対策」までを見据えた雨水管理システムの開発を進めています。
■ デンカアステックが取り組む防災技術
雨どいメーカーとして、長年「雨水の集排水」に関する専門技術を磨いてきた当社は、
これまでの経験を活かし「雨水を利活用し、災害に備えるための」社会インフラづくりに挑んでいます。
・ 水不足への対策 : 雨水を資源として利活用し、環境への配慮を実現
・ 災害時への備え : 首都直下型地震や南海トラフ地震を見据えた災害時への備え
・ 豪雨による内水浸水対策 : 豪雨による内水氾濫への対策製品の開発
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60年以上の雨どい技術を生かした「フェーズフリー防災」実現への挑戦!
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■ デンカアステックの災害対策技術

1、平常時・災害時における、雨水の利活用
日本初の「トイレ洗浄用 雨水タンク」が実現!
・平常時 : トイレ洗浄水として利用可能
(家庭用水の21%はトイレ洗浄水)
・災害時 : 断水時でも“無電力で使えるトイレ水源”を確保

2、豪雨による内水氾濫時の浸水対策
世界初の「床下浸水対策」資材が実現!
・内水氾濫時:床下浸水を防ぐための特殊資材を開発中。
・従来の防災製品とは異なり、内水氾濫時に備えて、事
前に設置・設定をする必要がなく、日常時も非常時に
も、一度設置すればそのまま対応できる、フェーズフ
リー浸水対策を世界で初めて実現した。
・埼玉県草加市内に、実験検証装置が完成。
→ 実用化に向けて検証を開始
■ 災害時におけるトイレ問題 : 災害時の備えとして忘れがちな「トイレ」
災害時におけるトイレ問題には、以下のような問題点があります。

1. 絶対数の不足
大規模災害時、上下水道インフラが停止し、水洗トイレが使用不能となる。避難所等に設置される仮設トイレの数が、圧倒的に不足することが多い。
2. 衛生環境の悪化と感染症リスクの増大
清掃が行き届かず、汚物が放置されることで、悪臭、ハエ、ゴキブリが発生。O157、ノロウイルスなどの感染症(経口感染、接触感染)のリスクが拡大。
3. 心身への影響
トイレに行きたくても行けない、汚いトイレを使わざるを得ないストレス。 特に女性は性被害への不安、男性もプライバシーの欠如による苦痛を訴える。水分摂取や食事を控えることで脱水症状や便秘・尿路感染症のリスクが高まる。
4. 高齢者・要配慮者への配慮不足
和式トイレや狭い空間は、高齢者、障害者、妊婦、乳幼児連れにとっては、非常に不便。
■ 豪雨による内水氾濫とは : 45cm未満の床下浸水では火災保険で補償外になるケースが多い
豪雨による内水氾濫とは、大雨により、下水道や排水路などの処理能力を超える量の雨水が流れ込み、排水先の河川の水位が上昇することで、雨水が下水道や排水路から排水されずに溢れ、道路や建物が浸水してしまう現象です。特に、都市部や低い土地では、内水氾濫による浸水被害のリスクが高まります。
2019年10月に来襲した台風19号では、首都圏近郊のいくつかの地域で、内水氾濫による浸水が、広範囲にわたり多大な被害をもたらしました。
しかし多くの火災保険では、地盤面から45cm未満の床下浸水は補償の対象外となるケースが多く、床下浸水被害に遭っても十分な補償を受けられない現状があります。また、市販されている内水氾濫対策用品も、価格やメンテナンスの面で課題が多く、一般家庭への普及が進んでいないのが実情です。多くの方が「自分の命、家族、そして住まいを自分で守りたい」と考えているにもかかわらず、その後の生活が困難になり得る30cm〜40cmの床下浸水でさえも、保険が適用されない現実には、大きな不安があります。

浸水対策資材の実用化に向けて、検証装置が完成
当社は、これまで建物の水まわりを支えてきた企業として、こうした課題に正面から向き合い、「一般家庭にも導入できて、フェーズフリーで備えられる浸水対策」の実用化を目指して新たな資材の開発に取り組み、家屋の中に水が侵入しないための実験検証を行うための装置を、日本化学産業青柳工場(埼玉県草加市)内に開発・設置しました。
当施設は、外周40メートル(100平米程度)の家屋をモデルにしたミニチュアで、検証装置上部に設置されたタンクから、水を排出し、24時間かけて内部(床下)に侵入する水量を地盤面から1cm以下に抑えることを目標として、浸水対策資材(開発中)の検証を行います。
■ フェーズフリーとは
フェーズフリーとは、2014年に社会起業家の佐藤唯行氏が提唱した概念で、日常時と非常時の境界を取り払い、どちらの状況でも活用できる商品やサービスを提供する新しい防災コンセプトです。
従来の防災の枠を超えた革新的なアプローチとして注目を集めており、「備える」という特別な行動ではなく、日常生活の中に自然と防災の要素を組み込むことがフェーズフリーの本質と言われています。
フェーズフリーの5つの原則
・ 常活性:どんな状況でも利用可能であること
・ 日常性:日常から使えるデザインであること
・ 直感性:使用方法がわかりやすいこと
・ 触発性:災害への意識を喚起するデザインであること
・ 普及性:広く普及しやすいこと
【浸水対策資材の検証装置所在地】
日本化学産業株式会社 青柳工場内
埼玉県草加市青柳1-1-24
※取材のお問い合わせは、デンカアステック株式会社広報担当までご連絡ください。
広報担当:橋本(090-4383-7177)、小林(080-3524-5659)
■ デンカアステック株式会社について
デンカアステック株式会社は、旧東洋化学時代から60年以上にわたり、雨樋の開発・製造に携わってきた、雨どいの老舗企業。国内で唯一、樹脂製・金属製の両方の雨樋を手がけるメーカーとして、多様な建築ニーズに応え続けている。こうした長年の実績に裏打ちされた「雨水の集水・排水」に関するノウハウを活かし、現在は“捨てる水”から“活かす水”へと視点を転換。災害時や水不足の時代において、雨水を「貯めて使う」「制御して守る」といった“水循環の新たな専門企業”として雨水をインフラ資源へと昇華させる革新に挑戦中。
■ デンカアステック株式会社 会社概要
社名デンカアステック株式会社
設立年 2021年4月1日(デンカ株式会社より分社化)
資本金 5000万円(デンカ株式会社100%子会社)
代表者 代表取締役 後藤一之
本社所在地東京都港区芝公園2−4−1 芝パークビルB館 12階
電話番号 03-5473-7770(代表)
< 補足資料 >
■ 共同研究者の紹介

笠井 利浩(かさい としひろ)
福井工業大学 環境学部 環境食品応用化学科 教授
博士(工学)
専門分野:雨水利用、環境教育
「雨を貯めて使うのが普通の社会の実現」を通じて持続可能な社会の実現を目指す。
<学歴>
山口大学 工学部 資源工学科
山口大学 工学研究科 資源工学専攻 修士課程
山口大学 工学研究科 物質工学専攻 博士課程終了
<経歴>
日本文理大学助手、同講師
福井工業大学准教授、同教授(現在)
日本雨水資源化システム学会 理事
<主な研究実績>
・自立分散型スマート雨水利用システムの開発
長崎県五島市の赤島において、持続可能な水資源確保と地域活性化に取り組む
国立研究開発法人科学技術振興機構主催 令和2年度「STI for SDGs」アワード優秀賞受賞
レジリエンスジャパン推進協議会主催 第7回「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)
最優秀賞受賞



・ 雨水生活体験を通じた環境教育プログラムの実践
離島での雨水生活体験を通じて、環境意識の向上を図る教育プログラムを開発。
・ 雨水飲料「あまみずドリンク」の開発
日本初の雨水を原料としたボトル飲料を開発。
2023年2月に開催された国際的な水の品評会で銀賞を受賞。
・ IoTを活用した分散型雨水活用システムの構想と実証
都市建築における持続可能な水循環を実現するため、IoT技術を用いた雨水活用
システムの構想と離島での実証実験を実施。
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