世界最先端、完全準同型暗号を用いたプライバシークラウドの社会実装へ
隠されたものを解き放ち、語られないものを繋ぐ - キオクシアからカーブアウトしたスタートアップEmotionXが事業を本格始動

EmotionX株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:吉水 康人、以下「EmotionX」)は、完全準同型暗号(Fully Homomorphic Encryption、以下「FHE」)※1の社会実装と商用展開に向けたファーストステップとして、暗号化されたまま高度なデータ利活用を実現するプライバシークラウドサービスを2026年春に開始する予定です。 その実現に向け、顕在化している重要な社会課題を抱える領域から実証(PoC)およびパートナー連携を進めていきます。
EmotionXは、キオクシア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:早坂 伸夫)の先端技術研究所で開発されてきたFHE技術を、より機動的かつ柔軟に社会実装することを目指し、同社からカーブアウトして2025年に設立したスタートアップです。
AIの高度化に伴い、金融・医療・行政などの領域では、プライバシーデータや機密情報を安全に扱いながら利活用することが求められています。従来の計算環境では、復号の過程で情報漏えいのリスクが生じる可能性があり、また量子コンピュータの進展を見据えた暗号技術の高度化も検討課題となっています。機密性と利便性を両立する技術は、今後の産業発展に向けて重要なテーマといえます。
今後需要が拡大すると見込まれるConfidential Computing市場において、FHEは新しいアプローチとして期待されています。EmotionXはその社会実装に向けた取り組みを進め、次世代のデータ基盤としての可能性を検証していきます。
特に金融領域は、課題解決への適用可能性が高い分野です。金融機関では、不正取引やフィッシング詐欺への対策に多くのリソースが投じられていますが、その一方で取引データや顧客データを安全に活用できれば、信用モデルの高度化や新たな価値創出につながる余地が広がります。EmotionXは、FHEを活用した認証・分析環境の構築を通じて、パートナー企業と共に次世代の金融データ基盤づくりを推進していきます。
将来的には、FHE演算の高速化と効率向上を実現する専用ハードウェア(FPU:FHE Processing Unit※当社呼称)の高集積化に向けた開発を進めていきます。汎用CPUやGPUでは膨大な負荷がかかるFHE演算を最適化することで、安全なデータ利活用を支える次世代インフラの構築を目指し、処理効率の改善を通じたCO₂排出削減にもつなげていきます。
注釈
※1 完全準同型暗号(FHE)とは
暗号化されたデータを一度も復号することなく演算可能な暗号方式。機密情報を安全に活用可能とする次世代の計算基盤技術として注目されている。
関連リンク
UntroD Capital Japan株式会社による投資・資金調達リリース(外部サイト)
https://untrod.inc/news/2127/
会社情報
EmotionX株式会社
URL:https://www.emotionx.co.jp
本社:東京都港区芝浦3丁目1番21号 田町ステーションタワーS
設立:2025年6月
代表者:代表取締役 CEO 吉水 康人
事業内容:完全準同型暗号(FHE)を用いたプライバシークラウドおよび専用ハードウェア(FPU:FHE Processing Unit※当社呼称)の企画・開発
本件に関するお問い合わせ先
EmotionX株式会社 広報担当 大村
https://www.emotionx.co.jp/contact.html
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