FIPから猫を守る、新たなアプローチ。腸管FCoVに着目した経口薬候 補「HNW-001」、猫での探索試験を完了
猫の腸への薬物到達と、一部個体で投与終了後も続くウイルス排泄量の低下を確認。投与条件を最適化し、再現性の検証へ
株式会社ハッピーねこちゃんわんちゃん(本社:大分県大分市、代表取締役:松岡 茂、以下「HNW」)は、猫コロナウイルス(FCoV)に感染した猫が猫伝染性腹膜炎(FIP)を発症する前に介入する経口低分子化合物「HNW-001」について、猫での薬物動態試験と、自然感染猫を対象とした探索的有効性試験を完了しました。

今回の試験で得られた主な成果は次の3点です。
· 腸に届く:経口投与したHNW-001が、FCoVの主な感染部位である猫の腸管に到達することを確認しました。
· 繰り返し投与で初期忍容性を確認:自然感染猫への反復投与を行い、初期的な忍容性情報を取得しました。
· ウイルス排泄量が大きく低下する反応を確認:投与群の一部の猫で、投与終了後も約1週間にわたり便中のウイルス量が継続して低下する反応が観察されました。
HNWは、薬物動態に基づいて投与条件を最適化し、今回観察された反応が複数の猫で再現されるかを検証する次の試験に進みます。
背景:すでに感染している猫への、新たなアプローチ
FCoVは多くの猫が感染するウイルスで、特に多頭飼育環境や繁殖施設、保護施設などで広がりやすいことが知られています。
多くの場合は腸管感染にとどまりますが、一部の猫ではウイルス側と猫の宿主側のさまざまな要因が関与し、重篤なFIPを発症します。
近年、FIPの治療の選択肢は広がりつつあります。一方で、猫の間で維持されるFCoVの腸管感染にどのように対応していくかも、重要な課題の一つです。
HNW-001は、すでにFCoVに感染している猫の腸管内でのウイルス増殖に着目し、その制御を目指して開発を進めている経口低分子化合物です。こうしたアプローチを通じて、将来的にはFIPの発症リスク低減にも貢献できる可能性を探っています。
HNWでは、ウイルスそのものだけでなく、ウイルスが増殖する際に利用する猫の細胞側の仕組みに着目した、新たな抗ウイルス戦略の研究を進めています。
設立から約1年で、研究室の化合物を「猫で検証できる薬」へ
HNWは、大学の研究室で見いだされた候補化合物を、実際の猫で評価できる段階まで短期間で進めてきました。
製造、製剤、薬物動態、標的動物での評価を並行して進めることで、「効いたとしても薬として成立しない」可能性につながるリスクを早い段階から一つずつ検証しています。
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段階 |
達成したこと |
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原薬の製造 |
研究室スケールから数十グラム単位の製造へスケールアップ |
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製剤 |
水に溶けにくい化合物を、猫へ現実的な投与量で経口投与できる高濃度製剤へ |
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薬物動態 |
血中曝露は低い一方、猫の腸管への薬物到達を確認 |
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忍容性 |
自然感染猫への反復投与から初期的な忍容性情報を取得 |
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有効性 |
自然感染猫を対照群と比較する探索的試験を完了 |
自然感染猫を対象とした探索的試験では、投与群の一部の猫で、投与終了後も約1週間にわたり便中FCoV RNA量の低下が観察されました。
今回の試験は少数例による探索的な検討であり、群全体で一貫した低下を確認するには至りませんでしたが、今後の薬効評価につながる知見が得られました。
HNWは、今回得られた薬物動態データとウイルスRNA量の推移を踏まえ、投与条件の最適化を進めるとともに、観察された反応の再現性を検証していきます。
次の段階:「反応」を「再現性ある薬効」へ
HNWは今後、薬物動態データに基づいて投与条件を最適化し、自然感染猫を対象とする追加試験を実施します。
次の試験では、今回確認されたウイルス排泄量の低下が複数の猫で再現されるかを、あらかじめ設定した評価基準に基づいて検証します。
また、便中のウイルスRNA量だけではなく、感染性を持つウイルスそのものがどこまで減少するかについても評価を進めます。
これにより、単に検査値を下げるだけではなく、将来的に「猫から猫への感染伝播をどこまで抑えられるか」という、飼い主や多頭飼育施設にとってより直接的な問いに答えることを目指します。
代表取締役 松岡 茂 コメント
「実際にFCoVに自然感染している猫の中で、投与終了後もウイルス排泄量が大きく低下していく反応を確認し、薬物動態データから次に最適化すべき点も見えてきました。
創薬では、一度の試験できれいな答えが出るとは限りません。動物から得られたデータを一つずつ読み解き、なぜ反応したのか、どうすればそれを再現できるのかを検証しながら、確かな薬効へ近づけていくことが重要だと考えています。
私たちは、FIPを発症した猫を治療するだけではなく、FIPを発症する猫そのものを減らす新しい選択肢を実現したいと考えています。」
取締役 髙野 友美 コメント
「FIPへの対策には、発症した猫の治療に加え、発症に至る前の段階でのさまざまな取り組みが重要だと考えています。その一つとして、FCoVの腸管感染を制御するというアプローチにも大きな可能性があると考えています。
今回、HNW-001が猫の腸管に到達することを確認し、さらに自然感染猫の一部で便中FCoV RNA量の低下が観察されたことは、今後の研究開発につながる重要な一歩だと考えています。
今後は、今回得られた知見をもとに投与条件の最適化と効果の再現性を慎重に検証し、腸管FCoVへの介入を通じて、FIP対策の可能性をさらに広げていきたいと考えています。」
会社概要
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会社名 |
株式会社ハッピーねこちゃんわんちゃん |
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代表者 |
代表取締役 松岡 茂 |
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所在地 |
大分県大分市中央町1-4-24 2F |
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設立 |
2025年11月1日 |
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事業内容 |
犬猫の感染症に対する動物用医薬品の研究開発 |
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公式サイト |
本件に関するお問い合わせ先:
株式会社ハッピーねこちゃんわんちゃん 広報担当:小田嶋 odajima@happy-cat-dog.com
※本リリースに記載の試験は探索的な非臨床試験であり、HNW-001は動物用医薬品として承認されたものではありません。
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