過払金利息返還請求の消滅時効期間に係る補足説明に関するお知らせ
過払金利息返還請求とは、貸金業規制法(現貸金業法)改正以前に多くの金融業者で利用されていた、利息制限法の制限利息(15%~20%)を超え、かつ出資法で罰則の対象となる金利(29.2%)未満の金利 (グレーゾーン金利)の支払いを有効とする貸金業規制法の規定(いわゆる「みなし弁済」を認めていた同法 43 条)につき、平成 18 年の最高裁判決が、みなし弁済は非常に厳格な要件を充たした場合にのみ認められるとの判断を示し、かつ、要件を充たさない無効な利息の支払いは元本の支払いに充当されることから、超過金利分を元本充当させることにより発生する過払金について、金融業者に対する不当利得として返還請求を行うものです。なお、平成 18 年の内閣提出による貸金業法改正法案の成立、改正貸金業法の平成 22 年の完全施行等により、その後、貸金業者がグレーゾーン金利の請求を可能とする契約を締結することは違法となりました。
過払金利息返還請求権の消滅時効期間は民法 167 条 1 項により 10 年と定められておりますが、同時効 期間の起算日は債務者(過払金利息返還請求者)の元本完済日であり、平成 18 年の最高裁判決及び貸金業法改正法案の成立を起算とするものではございません。 金融業者等と借入契約を締結する債務者の元本完済までの平均年数は5年~10 年程度であり、例えば平成 20 年にグレーゾーン金利で借入を開始し、平成 25 年 4 月 1 日に元本完済した場合の当該債務者の過払金利息返還請求権が時効により消滅する時期は、完済日の 10 年後である平成 35 年 4 月 1 日となります。
平成 19 年 12 月の改正賃金業法の一部施行後も、平成 22 年の改正貸金業法完全施行までグレーゾーン金利による貸付は多数存在しており、日本貸金業協会の月次実態調査による消費者向無担保貸付の期末残高における平均約定金利は、平成 20 年3月末 22.57%(同期末貸付残高 7 兆 3,527 億円)、平成 21 年 3 月末 20.87%(同期末貸付残高 6兆 608 億円)であったと報告されております。また、平成 22 年 3 月末の金融庁貸金業関係資料による金利20%超の消費者向無担保貸付の貸付残高は 2 兆 7,027 億円(件数: 5,824,620 件)であったと報告されております。なお、債務者からの過払金利息返還請求に基づいて金融業者が当該債務者の元本に充当したことにより、平成 22 年 4 月から平成 27 年 3 月までの間で金融業者に発生した元本毀損額は、日本貸金業協会の月次実態調査によると 5,245 億円であったと報告されております。
当社は、改正貸金業規制法が成立・公布された平成 18 年を起算として10 年目である平成 28 年以降、 過払金利息返還請求権を有する債務者が徐々に減少することにより、過払金利息返還請求広告案件の需要が低下する可能性については考慮する必要があるものの、過払金利息返還請求権の消滅時効期間は債務者毎に異なり、平成 28 年に一斉に消滅するものではないこと、平成 27 年3月末までの過払金利息返 還請求に伴う元本毀損額が平成 22 年当時の金利20%超過の貸付残高と比較しても少ないことから、過払金返還請求に関わる広告案件の需要は平成 28 年以降も当面継続されるものと見込んでおります。 当社子会社である株式会社リーガルビジョンにおきましては、引き続き法律系士業向けサービスに注力するとともに、法律系士業を中心とする既存顧客基盤を活用し、法律相談ポータルサイト「法律の窓口」の積極的なコンテンツ拡充を図り、魅力的なインターネットサービスの提供及びネット広告事業における収益力の向上に努めてまいります。
(参考資料)
大手金融業者における過払金返還状況
【本件に関するお問合せ先】
株式会社RVH
電話:03-6277-8031 FAX:03-6277-8043
メールアドレス:ir@rvh.jp
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