日本はまだまだ、子どもを産み育てやすい国ではない!?ー「子どもを産みやすい国に近づいていない」と思う人70% 「子どもを育てやすい国に近づいていない」と思う人72.7%

多様な働き方を自由に選びたい女性が8割超に。ー77%が働く時間と場所を選べれば「2人目が欲しい」

一般財団法人1more Baby応援団(所在地:東京都港区、理事長:森まさこ)は、日本から少子化問題をなくしたいという想いのもと、このたび、「夫婦の出産意識調査2017」を実施、その結果がまとまりましたのでお知らせいたします。この「夫婦の出産意識調査」は2013年から調査を開始し、今年で5回目の実施となります。
日本は子どもを「産みやすい」「育てやすい」国に近づいているか?
【1】7割(70.0%)が「日本は子どもを「産みやすい」国に近づいていないと思う」。
今回初めて「日本は子どもを『産みやすい』国に近づいているか」、「日本は子どもを『育てやすい』国に近づいているか」を聞いたところ、「産みやすい」国に近づいていないと答えた人(「近づいていないと思う」「どちらかといえば、近づいていないと思う」の合計)は70.0%、「育てやすい」国に近づいていないと答えた人(「近づいていないと思う」「どちらかといえば、近づいていないと思う」の合計)は72.6%となり、どちらの質問でも7割以上もの人が「近づいていない」と感じていることがわかりました。この数値が、今後どう推移していくか注目したいところです。
子どもの人数別にみると子どもの人数が増えるにつれ、「近づいている」と答える人が多いことが分かりました。また、「2人目の壁」*が存在すると思う人、存在しないと思う人で比べると10.8ポイントの違いがあることが分かり、出産、子育ての実感と「2人目の壁」の高さは関連性があるかもしれません。
*「2人目の壁」とは、「生活費や教育費に関連した家計の見通しや、仕事等の環境、年齢等を考慮し、第二子以後の出産をためらうこと」と定義

子育て世代が希望する「出産・子育て」と「働き方」
【2】多様な働き方を求める女性が8割超に。
「子どもが1人いる」人の77%は働く時間と場所を選べればもう一人子どもがほしい。

政府が掲げる一億総活躍社会に向けた取り組みのひとつ「働き方改革」では、仕事と家庭を両立しやすい職場環境づくりについても推進しています。そこで、「時短勤務やテレワーク(在宅勤務)といった多様な働き方を自由に選びたいか」と尋ねたところ、女性の約8割(82.3%)が「多様な働き方を自由に選びたい」と答えました(全体では77.6%)。また、「子育て期間の働く時間や場所を自由に選ぶことができれば、もう一人子どもを持ちたいか」と尋ねたところ、全体の63.6%が「もう一人子どもを持ちたい」と答えました。子どもの人数別に見ると、「子ども1人」の77.0%が「持ちたい」と答え、全体よりも約13ポイント上回っていることが分かりました。

多様な働き方の一つとして政府が推し進めるテレワークについて、テレワークを利用して働く際に重要だと感じる条件や環境を尋ねたところ、「上司や同僚がテレワークの利用に協力的である」が全体の1位(23.0%)でした。2位は「保育園に子どもを預けてテレワークを行うことができる」(21.9%)で、ママに限ると3割超(33.0%)が重要だと感じていることが分かりました。一方、パパは「あてはまるものがない」が1位(28.9%)となり、テレワークそのものについてあまり関心がない傾向が見られました。

【3】働くママの87.4%が制度と企業風土が整えば、働き続けたい。
育休取得で「上司、同僚の目が気になる」ママと「そもそも“気にしない”」パパ

厚生労働省が発表している育児休業取得率*では男性が2.65%、女性が81.5%とまだまだ男性の取得率が低い状況です。そのなかで「妊娠や出産、子育てに関する制度と企業風土が整っていれば、働き続けたいか」と尋ねたところ、働くママの9割近く(87.4%)が「働き続けたい」と答えました。また、「妊娠や出産、子育てに関する制度と企業風土が整っていれば、管理職を目指して働きたいか」と尋ねたところ、フルタイムママとパートタイムママを合わせたママの4割(40.9%)、フルタイムママに限定すると過半数(50.6%)が「管理職を目指して働きたい」と答えました。 *厚生労働省 平成27年度雇用均等基本調査

実際に、産休や育休を取得するにあたって気になることを尋ねたところ、全体では「特に気になることはない」(37.0%)が最も多い回答となりましたが、「上司の目(態度・反応)が気になる」が36.6%、「同僚の目(態度・反応)が気になる」が26.1%、「何となく職場に育休を取りづらい空気がある」が22.8%となりました。ママについてみると「上司の目が気になる」が37.6%、「同僚の目が気になる」が32.4%となり、ママは上司や同僚など職場の人の反応を気にしている様子がうかがえます。一方、パパは「特に気になることはない」が43.3%と最も高く、そもそも“気にしていない”様子から産休や育休制度利用への関心の低さがうかがえます。

【4】育休取得でも働くママの気になるポイントは、やはり「保活問題」?
働くママの理想の育休3大条件
①保活問題がない②職場から孤立しない③キャリアのマイナスにならない

前頁では、産休や育休を取得するにあたって気になることを調べましたが、「育休を取得する際に、重要だと感じる理想の条件」と「育休から復帰する際や復帰した後に、重要だと感じる理想の条件」についても尋ねました。育休取得の理想の条件トップ3は、1位「育休を取ることが復帰後のキャリアのマイナスにならない」(36.0%)、2位「育休期間中に定期的に会社とコミュニケーションを取れて、職場から孤立しない」(33.7%)、3位「保活の心配がいらない」(29.0%)となりました。働くママに限定してみると「保活の心配がいらない」(42.3%)、「保活に失敗したとき育休を延長できる」(37.9%)のように保活に関する項目を重要だと感じているようです。また、復帰時の理想の条件は、「子どもの看護や行事のために休暇をとれる」(38.4%)、「短時間勤務で働ける」(32.0%)、「子どもが小さいうちは育児手当が支払われる」(29.6%)となりました。上位二項目については、パパとママの結果が20ポイント以上のひらきがあり、ママは育児と仕事の両立のため具体的な条件を重要だと感じていることが分かりました。

【5】理想の育休期間からみえたパパとママの育児意識
前頁で尋ねた育休を取得する際や、育休からの復帰前後に重要だと感じる理想の条件が満たされた場合の理想の育休の長さについて調べました。
その結果、育児休業制度に定められている1歳6か月までの期間と同程度の「1年~1年半未満」が28.8%と最も多くなりました。働くパパは「育休を取ろうと思わない」が23.7%と最も多く、育児休業取得率の低さと同様に、ママとの育児意識の違いが見えます。続いて、「1ヶ月~3ヶ月未満」が14.3%、「1年~1年半未満」が13.7%、「3ヶ月~6ヶ月未満」が11.1%となりました。働くママについてみると「1年~1年半未満」が21.3%で最多となり、約半数が1年以上を希望しています。その一方、1年未満と早期復帰を望むママも一定数(37.2%)いました。育休を取得する際や復帰する際の条件が満たされるかどうかが、早期の復帰や長期的な育休などしなやかな働き方の実現のカギとなりそうです。

【6】保活は出産意識へ影響する?
「『保活』をしている(した経験がある)か」を尋ねたところ、全体で17.1%が「経験がある」と答え、昨年の調査と同じ値になりました。また、「『保活』がなければ、もう一人子どもを持ちたいか」と尋ねたところ、「子ども1人」の56.4%が「もう一人子どもを持ちたい」と答えました(全体41.8%)。前頁の育休取得時の理想の条件で「保活の心配がない」が働くママの最多回答となったように「保活」や待機児童問題が出産や子育ての大きな妨げになっている現状が浮き彫りになりました。
※「保活」とは、就労条件を変更したり、入所しやすい保育園の近くに引っ越したりするなど子どもを保育園に入れるために保護者が行う活動として定義

出産における理想と現実の乖離 埋まらず
【7】理想の人数は「2人以上」が79.7%、「2人」を希望する人は過去最高に。
実際の出産予定とは別に、「持ちたい理想の子どもの合計人数」を尋ねました。
その結果、全体(以下、最大のN数は2958名)のうち、51.5%の方が「2人」、25.4%の方が「3人」と回答し、「2人以上を理想としている」は79.7%であることが分かりました。
「理想の子どもの人数を2人」と考えている夫婦の割合は調査開始の2013年から増加傾向にあり、今回が過去最高です。

【8】74.5%の夫婦が「2人目の壁が存在する」と回答。


1more Baby応援団では、『2人目の壁』を「生活費や教育費に関連した家計の見通しや、仕事等の環境、年齢等を考慮し、第二子以後の出産をためらうこと」と定義し、これまで4回の調査を通じて、『2人目の壁』の存在を明らかにしてきました。
今年もこの『2人目の壁』の考え方について説明したうえで、「2人目の壁は存在すると思うか」について尋ねたところ、『2人目の壁』について「存在すると思う」と答えた方は全体の74.5%で昨年(73.5%)より微増となり、依然として高い状況です。

【9】「2人以上の出産」について、満足している家庭は96.5%。


実際に2人以上の子どもを持つ方を対象に2人以上の子どもを出産したことでの家庭の幸福感について聞いたところ、96.5%の夫婦が「満足している」と答えました。







【10】『2人目の壁』を感じる原因は、「経済的な理由」が最多(86.3%)。
フルタイムママ、パートタイムママは「仕事上の理由」も高い結果に。

『2人目の壁』を感じる理由を尋ねた結果、「経済的な理由」がフルタイムママ・パートタイムママ・専業主婦ママともに今年も1位となりました。続いて「第一子の子育てで手一杯」(44.2%)が全体の2位、「心理的な理由」(43.6%)が3位となりました。
就業状況別でみると、フルタイムママは「仕事上の理由」が57.4%という依然、高い数値で昨年に続き今年も2位(全体では35.2%で5位)となりました。パートタイムママも「仕事上の理由」と50.0%が答え、フルタイムママと同じ傾向であることが分かりました。一方、専業主婦ママは「第一子の子育てで手一杯」(45.2%)に続き、「心理的な理由」(44.2%)、「年齢的な理由」(41.1%)とフルタイムママ、パートタイムママとは異なる理由を抱えていることが分かりました。

今回も『2人目の壁』を感じる理由1位の「経済的な理由」について詳しく尋ねたところ、1位「現在の世帯収入では、2人以上育てるのに不安がある」(63.6%)に続き、2位「子どもの養育費を十分に確保したい」(43.6%)、3位「基本的な育児費用に対し不安」(42.7%)が上位となりました。1位の「現在の世帯収入では、2人以上育てるのに不安があるから」についてママの就業別でみるとフルタイムママが54.4%、専業主婦ママが61.8%だったのに対し、パートタイムママは75.9%と、大きな差異がみられました。
『2人目の壁』を感じる理由でフルタイムママ、パートタイムママが共に2位だった「仕事上の理由」についてみると、全体の1位が「育休、時短勤務など制度が不十分」(40.9%)、2位「仕事が忙しく、両立する余裕がない」(34.4%)、3位「現時点での給与が少しでも減るのが困るから」(31.8%)となりました。
働き方別にみると「制度が十分でないから」、「退職しなければならないような企業の風土があるから」の項目で、フルタイムママとパートタイムママの数値に大きな違いが見られ、パートタイムママの職場の子育てへの制度が不十分な様子がうかがえました。その一方、「仕事が忙しく、両立する余裕がないと感じているから」、「周囲の目が気になり出産、育児休暇を取得し難いから」、「自分の将来のキャリアが不利になると感じているから」は、フルタイムママの数値が高く、職場に制度があっても活用し難い現状が浮かびあがってきました。

今調査の調査条件について
<調査概要>【調査対象者】 N=2958 【調査期間】 2017年4月12日(水)~17日(月)
■対象者条件 : 結婚14年以下の既婚者
・性別 : 男女
・年齢 : 女性20-39歳、男性20-49歳(男性は妻が39歳以下)
・割付条件① : 全国各都道府県均一回収 (各県63名、島根県62名、高知県61名)
・割付条件② : 既婚子なし/既婚子1人/既婚子2人以上 それぞれを均一回収
⇒ 47(都道府県数)×3(子ども条件)=141セルのそれぞれを21名ずつ、計2958名回収
(島根県【既婚者子なし】は20名、高知県【既婚者子なし】は19名)
回収後、①各都道府県の人口比、②一世帯の子ども人数の構成比をH22年度国勢調査より算出し、ウェイトバックをかけた。本リリースで用いているのは、ウェイトバック後のスコアである。
■調査方法 : インターネット

調査主体について
一般財団法人1more Baby応援団
理想の数だけ子どもを産み育てられる社会を実現するため、結婚・妊娠・出産・子育て支援に関する情報提供及びその実現に必要な事業を行い、将来の活力ある社会環境の維持・発展のために寄与することを目的に活動。
「1more Baby応援団」ポータルサイトと公式Facebookページでは、出産に関するママ・パパの意識を把握するための調査結果や、「もうひとり、こどもが欲しい」 という家族の想いを応援する情報を発信しています。

【番外編】“少子化を乗り越えた国”オランダの子育て、働き方の実態
1more Baby応援団は、かつて日本と同様の課題を抱えていたオランダが約30年間かけて行ってきた「働き方改革」について、2016年11月に行った現地調査の結果をまとめた本『18時に帰る』を出しました。
オランダは現在、世界一子どもが幸せな国と言われていますが、1990年代にオランダ経済が低迷したことによって将来への不安が募り、出生率は1.46まで下がりました。そこで、オランダでは官民一体となった「働き方改革」を行い、テレワークやワークシェアリング、同一労働同一条件、生産性重視の評価制度など、様々な取り組みによって制度と風土が変わりました。現在では、これらの取り組みによりライフステージに応じた働き方が選択でき、女性の就業率は70%に達し、高齢者の就業率も飛躍的に向上しました。それに合わせてGDPも向上し、一人当たりの生産性は日本を逆転しました。そして、出生率は1.7まで回復しています。
本書では、家族が幸せな国づくりに向け、オランダ政府や企業、そして国民ひとり一人が何を行い、意識改革を行ってきたのかをはじめ、その取り組みのカギとなった“家族を中心としたしなやかな働き方”を、1more Baby応援団が「ソフトワーク」と定義し、オランダと日本の働き方と子育て環境について紹介しています。
また、「『2人目の壁』を突破するために必要なこと」として、子どもを持つオランダの方々に調査した『2人目の壁』への意識なども紹介しています。オランダでは、『2人目の壁』について「存在すると思う」と答えた方は26%となり、日本(74.5%)とは全く逆の結果になるなど興味深いデータとともに、「子どもを産みやすい、育てやすい国“ニッポン”」に向けたヒントが満載です。

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります。

メディア会員登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。
※内容はプレスリリースにより異なります。

  1. プレスリリース >
  2. 一般財団法人1more Baby応援団 >
  3. 日本はまだまだ、子どもを産み育てやすい国ではない!?ー「子どもを産みやすい国に近づいていない」と思う人70% 「子どもを育てやすい国に近づいていない」と思う人72.7%