伊藤病院とインキュビット、ディープラーニング技術を用いた甲状腺腫瘍特定システムの共同開発を開始
医療分野における新たなAI利活用の推進
甲状腺疾患専門病院として年間のべ37万人を超える患者の診療を行っている伊藤病院(所在地:東京渋谷区、院長:伊藤 公一)とディープラーニング技術を用いた画像認識技術の社会実装を手がけるインキュビット(本社:東京都渋谷区、代表取締役/ CEO:北村 尚紀)は、甲状腺エコー画像から腫瘍の有無と大きさを判定、位置を特定し、医師が診断に用いるエコー検査レポートを自動で作成するシステムの共同開発を開始しました。2021年に伊藤病院での実運用開始を目指します。
本システムは、検査技師によるエコー検査施行後のレポート作成にかかる作業の軽減を実現することで、患者一人当たりの検査待ち時間を短縮し、レポートの正確性や患者満足度の向上につながることが期待されます。そして、将来的には甲状腺疾患の早期発見、エコー検査の診断率向上も視野に入れています。
また、日本には、諸外国と比べて類をみない多数の甲状腺エコー検査の症例データが蓄積されており、本研究には、学術の領域からも成果が期待されています。
本システムは、検査技師によるエコー検査施行後のレポート作成にかかる作業の軽減を実現することで、患者一人当たりの検査待ち時間を短縮し、レポートの正確性や患者満足度の向上につながることが期待されます。そして、将来的には甲状腺疾患の早期発見、エコー検査の診断率向上も視野に入れています。
また、日本には、諸外国と比べて類をみない多数の甲状腺エコー検査の症例データが蓄積されており、本研究には、学術の領域からも成果が期待されています。
■日本における甲状腺疾患患者数
現在の日本における甲状腺疾患の罹患数は500~700万人で、そのうち治療が必要な患者は約240万人と推計されています(*1)。しかしながら、多様な症状を呈する甲状腺疾患の診断は難しいことから、実際に治療を受けている患者数は約45万人と報告されており、未治療の患者が多く存在しています。
さらに、甲状腺疾患の1つである日本の甲状腺がん罹患率は、近年男女とも増加傾向が見られ、特に女性は人口10万人あたり1975年では3人程度だった罹患率が2013年には13人超と増加しています(*2)。
今後、甲状腺疾患と診断される患者数の増加および、甲状腺がん罹患率の増加により、日本における甲状腺疾患の患者数はさらなる増大が予想されます。
■甲状腺疾患診察における課題
甲状腺疾患の診察を受ける患者は、医師による初診の後、エコー検査を受診します。エコー検査では、専門の検査技師がエコー画像を撮影し、検査結果をレポートにまとめます。
伊藤病院には常勤医師が30名ほど在籍しており、毎日約1,300人の外来患者を診療し、エコー検査は400件程度行われています。近年、患者1人あたりの総診療時間(*3)のうち、エコー検査の時間が占める割合が大きくなっています。その内実は、エコー検査そのものより検査結果レポート作成に多くの時間を要していることが分かり、検査の質は維持して、待ち時間の短縮を図るためには、このレポート作成時間の短縮が喫緊の課題でした。
本共同開発により、ディープラーニング技術を用いてエコー画像から腫瘍を検出し、検査レポート作成を自動化することにより、エコー検査全体にかかる時間を短縮することが期待されています。
■甲状腺腫瘍特定システムの内容
本共同研究は、上記課題を解決するもので、エコー検査にかかる時間の短縮を計ります。
ディープラーニングの学習データセット(*4)には、伊藤病院が保持する匿名化された患者の甲状腺エコー画像を用い、伊藤病院監修のもと、腫瘍のラベル付け(*5)を行います。
インキュビットは、その画像をディープラーニングによって学習・評価・解析し、エコー画像から腫瘍の有無と大きさを判定するモデルを開発します。さらに、モデルのエコー画像解析結果と、エコー画像に含まれている位置情報を組み合わせることにより、該当腫瘍の甲状腺内での位置を特定します。総合した結果をエコー検査レポートとして自動出力するシステムを開発し、2021年に伊藤病院での実運用開始を目指します。
■日本におけるエコー検査
近年諸外国においてエコー検査の実施は増加傾向にあります。しかしその費用は決して安くないことから、誰でもが気軽に受けられる検査ではないのが現状です。一方、健康保険適用により廉価にエコー検査を受けられる日本には、世界に類をみない多数の症例データが蓄積されています。それらのデータを活用する本研究は、学術の領域からも成果を期待されているものです。
(*1)日本甲状腺学会, http://www.japanthyroid.jp/doctor/promotion/index.html
(*2)環境省「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成29年度版)」
(*3)医療機関での検査・診療も含めた滞在時間
(*4)ディープラーニング(深層学習)を行う過程で、モデルに対して学習させるデータ
(*5)画像に写っている腫瘍をマーキングする作業
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■伊藤病院について
「甲状腺を病む方々のために」の理念のもと、1937年より甲状腺疾患の専門診療に取り組んでいます。この経験を活かして、長期にわたる治療経過や希少症例の研究など学術活動にも積極的に取り組み、その成果は日々の診療への反映、そして国内外にも発信しています。
これからもひたすらに甲状腺疾患専門診療に励んでまいります。
病院名:伊藤病院
所在地:〒150-8308 東京都渋谷区神宮前4-3-6
院長 :伊藤 公一
設立 :1937年
URL :https://www.ito-hospital.jp/
■株式会社インキュビットについて
インキュビットは、最先端のテクノロジーを用いて、医療・地質・農業・バイオ・宇宙・製造など、さまざまな分野をリードする日本の企業と共に、業界固有の課題解決に挑んでいます。
現在はディープラーニングを用いた画像認識技術を強みとし、価値に結実するソリューションの提供はもとより、その運用に真摯に向き合い、よりよい成果に挑戦し続けています。
会社名:株式会社インキュビット
所在地:〒150-0012 東京都渋谷区広尾1-10-5 テック広尾7階
代表者:北村 尚紀(代表取締役)
設立 :2014年
URL :http://incubit.co.jp/
現在の日本における甲状腺疾患の罹患数は500~700万人で、そのうち治療が必要な患者は約240万人と推計されています(*1)。しかしながら、多様な症状を呈する甲状腺疾患の診断は難しいことから、実際に治療を受けている患者数は約45万人と報告されており、未治療の患者が多く存在しています。
さらに、甲状腺疾患の1つである日本の甲状腺がん罹患率は、近年男女とも増加傾向が見られ、特に女性は人口10万人あたり1975年では3人程度だった罹患率が2013年には13人超と増加しています(*2)。
今後、甲状腺疾患と診断される患者数の増加および、甲状腺がん罹患率の増加により、日本における甲状腺疾患の患者数はさらなる増大が予想されます。
■甲状腺疾患診察における課題
甲状腺疾患の診察を受ける患者は、医師による初診の後、エコー検査を受診します。エコー検査では、専門の検査技師がエコー画像を撮影し、検査結果をレポートにまとめます。
検査技師は腫瘍の有無に応じて画像をレポートに添付し、腫瘍の位置が書き込まれた甲状腺の模式図などを含むレポートを現在手作業で作成しています。その後、再び医師による診察があり、技師によって作成された検査レポートを参照しつつ、医師が甲状腺疾患を診断します。
伊藤病院には常勤医師が30名ほど在籍しており、毎日約1,300人の外来患者を診療し、エコー検査は400件程度行われています。近年、患者1人あたりの総診療時間(*3)のうち、エコー検査の時間が占める割合が大きくなっています。その内実は、エコー検査そのものより検査結果レポート作成に多くの時間を要していることが分かり、検査の質は維持して、待ち時間の短縮を図るためには、このレポート作成時間の短縮が喫緊の課題でした。
本共同開発により、ディープラーニング技術を用いてエコー画像から腫瘍を検出し、検査レポート作成を自動化することにより、エコー検査全体にかかる時間を短縮することが期待されています。
■甲状腺腫瘍特定システムの内容
本共同研究は、上記課題を解決するもので、エコー検査にかかる時間の短縮を計ります。
ディープラーニングの学習データセット(*4)には、伊藤病院が保持する匿名化された患者の甲状腺エコー画像を用い、伊藤病院監修のもと、腫瘍のラベル付け(*5)を行います。
インキュビットは、その画像をディープラーニングによって学習・評価・解析し、エコー画像から腫瘍の有無と大きさを判定するモデルを開発します。さらに、モデルのエコー画像解析結果と、エコー画像に含まれている位置情報を組み合わせることにより、該当腫瘍の甲状腺内での位置を特定します。総合した結果をエコー検査レポートとして自動出力するシステムを開発し、2021年に伊藤病院での実運用開始を目指します。
■日本におけるエコー検査
近年諸外国においてエコー検査の実施は増加傾向にあります。しかしその費用は決して安くないことから、誰でもが気軽に受けられる検査ではないのが現状です。一方、健康保険適用により廉価にエコー検査を受けられる日本には、世界に類をみない多数の症例データが蓄積されています。それらのデータを活用する本研究は、学術の領域からも成果を期待されているものです。
(*1)日本甲状腺学会, http://www.japanthyroid.jp/doctor/promotion/index.html
(*2)環境省「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成29年度版)」
(*3)医療機関での検査・診療も含めた滞在時間
(*4)ディープラーニング(深層学習)を行う過程で、モデルに対して学習させるデータ
(*5)画像に写っている腫瘍をマーキングする作業
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■伊藤病院について
「甲状腺を病む方々のために」の理念のもと、1937年より甲状腺疾患の専門診療に取り組んでいます。この経験を活かして、長期にわたる治療経過や希少症例の研究など学術活動にも積極的に取り組み、その成果は日々の診療への反映、そして国内外にも発信しています。
これからもひたすらに甲状腺疾患専門診療に励んでまいります。
病院名:伊藤病院
所在地:〒150-8308 東京都渋谷区神宮前4-3-6
院長 :伊藤 公一
設立 :1937年
URL :https://www.ito-hospital.jp/
■株式会社インキュビットについて
インキュビットは、最先端のテクノロジーを用いて、医療・地質・農業・バイオ・宇宙・製造など、さまざまな分野をリードする日本の企業と共に、業界固有の課題解決に挑んでいます。
現在はディープラーニングを用いた画像認識技術を強みとし、価値に結実するソリューションの提供はもとより、その運用に真摯に向き合い、よりよい成果に挑戦し続けています。
会社名:株式会社インキュビット
所在地:〒150-0012 東京都渋谷区広尾1-10-5 テック広尾7階
代表者:北村 尚紀(代表取締役)
設立 :2014年
URL :http://incubit.co.jp/
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