薬剤耐性ベンチマーク2021報告書:パンデミックにも関わらず製薬会社はスーパー耐性菌との戦いを継続するも、依然として何百万人もの人々が主要な抗生物質へのアクセスがないことが明らかに
~世界の大手製薬会社17社のスーパー耐性菌との戦いを評価~
*本リリースはアムステルダムにて2021年11月17日に発表されたプレスリリースの和訳です。
【アムステルダム】 オランダを拠点とする独立非営利研究財団、医薬品アクセス財団が本日発表した「薬剤耐性ベンチマーク2021」報告書では、薬剤耐性の脅威に対する製薬業界の対応に明るい進展が確認されました。多くの企業が様々なアプローチや戦略を用いて、正しい方向に少しずつ進んでいます。しかしながら、薬剤耐性感染症のリスクが最も高い低・中所得国の人々が適切な抗生物質にアクセスできるようにするための取組みには懸念されるほど勢いがないことも明らかになりました。
本日発表された、薬剤耐性ベンチマーク2021報告書によると、貧しい国が極めて重要な抗生物質や抗真菌薬へアクセスできるよう改善する方法は数多いが、製薬会社はこれらを広く採用していないことが判明しました。調査対象となった薬剤のうち、医薬品をより安価に提供するための価格調整や、低・中所得国への供給を促進するためのライセンス契約など、何らかのアクセス戦略が実施されているのは、わずか3分の1のみでした。これでは、何百万人もの人々が、感染症の適切な治療を受けることができません。
薬剤耐性ベンチマーク報告書を発行している医薬品アクセス財団(Access to Medicine Foundation)でエグゼキュティブ・ディレクターを務めるジェイアスリー・K・アイヤーは次のように述べています。
「感染症や薬剤耐性のリスクに最も晒されている人々が、必要な抗生物質の入手に最も困難な状況にあります。この公平性の欠如を是正するため、製薬会社は、スチュワードシップや抗生物質の代替薬の探求にとどまらず、より広範囲な領域にも焦点を拡大すべきです。これらの新薬や既に上市されている薬剤へのアクセスに対しても、同じように注目すべきです」
報告書では、製造面において、製薬会社が医薬品有効成分(API)を供給する第三者サプライヤーとの間で環境基準を実施するなど、抗菌薬が地域の河川へ放出されないよう尽力していることが明らかになりました。これは有望な進展ではある一方、この基準を遵守していると報告するサプライヤー工場はほとんどないのが現状です。
抗菌薬や抗真菌薬の研究開発に対する大手製薬会社の取り組みは、市民社会や各国政府が代替医薬品の開発を促進するため長年働きかけてきた結果、安定してきたように見えます。評価対象となった製薬会社は、薬剤耐性のある淋病、大腸菌、クロストリジウム・ディフィシレ菌などに対するワクチンを含む、画期的な新薬の可能性を検証しています。とはいえ、新薬やワクチンのパイプラインはまだ少ないのが現状です。
励みになるのは、必要としている人々に新薬が迅速に届く可能性が高まっていることです。報告書では、低・中所得国で新薬を迅速かつ責任をもって入手できるようにするための計画を立てている企業が大幅に増加していることが確認されています。このような計画は、新薬の後期開発段階において標準的に策定されるようになってきています。
製薬会社の業績を比較すると、評価対象となった17社の中でグラクソ・スミスクラインとファイザーが共に首位となっています。ファイザーは、新型コロナウイルスの感染拡大の際にも、新たな抗生物質や抗真菌薬の研究開発パイプラインを拡大するなど、前回のベンチマーク報告書から最も大きな進展を遂げています。ジェネリック医薬品メーカーにおいても改善が確認されており、ジェネリック医薬品にありがちな大量生産、入札主導型のモデルではなく、特許を取得している自社の抗生物質を新しいパートナーにライセンス供与し、供給とグローバルなアクセスを強化している例などもあります。ジェネリック医薬品企業のバイアトリスは、同社の抗結核薬の販売登録国を拡大するなど、いくつかの分野でベストプラクティスを実証しています。
アイヤーは次のようにも述べています。「より多くの企業が研究開発や新薬の生産に携わり、サプライチェーンの整理、および供給や技術移転に投資するなど、ビッグジェネリック(大手のジェネリック医薬品企業)の進化を目の当たりにしています。ジェネリック医薬品企業が今後も躍進を続ければ、貧しい国に必要な医薬品を何十億も供給することで、公平性のギャップを埋めることができるでしょう」
薬剤耐性ベンチマークについて
薬剤耐性ベンチマーク報告書の発行は今回が3度目となります。2018年と2020年の報告書に続き、2017年以降に収集された情報をもとに作成しました。最新報告書では、医薬品アクセス財団の研究者が、抗生物質や抗真菌薬を製造する世界有数の製薬会社17社*(売上高および売上金額ベース)のデータを収集・調査しました。
アクセスへの取り組みについては、102カ国の低・中所得国におけるアクセス改善のための17社の活動を評価しています。研究開発については、米国疾病対策センター(CDC)および世界保健機関(WHO)より、薬剤耐性リスクが最も高いと指定されている病原体を対象とした、研究開発型の大手製薬会社8社のプロジェクトを評価しています。ベンチマークは、特許保護や市場シェアにより企業が圧倒的な地位を占めている医薬品のみを対象に、医薬品へのアクセスを改善するための企業の取り組みを評価しています。
日本とAMR
日本では、塩野義製薬と大塚製薬の2社がベンチマークの評価の対象となっており、共に抗菌薬の分野で積極的に活動しています。
塩野義製薬は、より大きなパイプラインとポートフォリオを有しており、8品目の抗菌薬を上市すると共に、11の研究開発プロジェクトを進めています。これらの中には、肺炎球菌を標的とした抗生物質ワクチンなど、数多くの抗生物質が含まれます。また、抗真菌薬を開発している数少ない企業でもあります。塩野義製薬は、評価対象となった他の企業と比較して、抗菌薬および抗真菌薬の研究開発への投資が売上高に占める割合が最も高い水準にあります。また、第三者サプライヤーを含め、どの工場が排水中の抗菌薬濃度の基準を満たしていかの詳細な情報を公開しており、製造工程の透明性が最も高い企業でもあります。
大塚製薬は抗結核薬に積極的に取り組んでいます。同社の抗結核薬「デラマニド」は、ヴィアトリスおよびアールファームと自主的なライセンス契約を結び、結核患者数の多い国でのアクセスを促進しています。また、ヴィアトリスとは、デラマニドの低価格なジェネリック医薬品の製造・販売を目的とした技術移転契約を締結しています。
調査結果の概要
薬剤耐性ベンチマークの研究チームを統括するファテマ・ラフキ氏は次のように述べています。「この5年間、私たちは薬剤耐性に対する製薬会社の取り組みを追跡してきました。営業手法の改善、耐性菌の広がりを追跡する取り組み、極めて重要な医薬品プロジェクトを必要としている人々に迅速に提供するための計画など、有意義な進展が確認されています。この勢いをさらに加速させなければなりません。各企業には、より多くのことを実践できる明確な機会が与えられています」
薬剤耐性が高まっている
毎年約75万人が、薬剤耐性のある感染症が原因で亡くなっていると推定されています。それに対して、治療可能な感染症で薬を入手できずに死亡する人は570万人に上ります(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4967260/#:~:text=Globally%2C%20a%20staggering%205.7%20million,years%20of%20age%20(13).。これらの多くは、低・中所得国の人々です。自然淘汰による薬剤耐性菌の出現は避けられません。しかし、責任を持って抗菌薬を使用し、予防接種プログラムなどで感染の拡大を抑制すれば、薬剤耐性菌の出現を遅らせることは可能です。しかし、何十年にもわたり不用意に抗生物質を使用してきた結果、現在ではスーパー耐性菌が蔓延しており、世界保健機関(WHO)は「1世紀にわたる健康の進歩を脅かす世界的な危機」であると警告しています(https://www.who.int/docs/default-source/documents/no-time-to-wait-securing-the-future-from-drug-resistant-infections-en.pdfsfvrsn=5b424d7_6)。
薬物耐性ベンチマークについて
薬物耐性ベンチマーク2021は、薬剤耐性の増加に対する製薬業界の対応について、最も長い期間を通じて、独立した評価を行っています。薬剤耐性ベンチマークを発表している医薬品アクセス財団(Access to Medicine Foundation)は、オランダに本拠を置く独立非営利財団です。低・中所得国の人々のためにより多くの行動を起こすよう、製薬会社を促し、ガイダンスを提供しています。当財団は、グローバルヘルス、医薬品アクセス、製薬業界の独立した専門家の意見を収集し、ステークホルダーの合意形成プロセスを通じて、製薬会社が取ることが可能または取るべき行動を定義しています。薬物耐性ベンチマークは、英国政府、オランダ政府、ウエルカム財団より資金提供を受けています。
*薬剤耐性ベンチマークの対象となる製薬会社
薬物耐性弁チークの対象となる、研究開発型の大手製薬会社8社:グラクソ・スミスクライン(GSK)、ジョンソン・エンド・ジョンソン、メルク・アンド・カンパニー(MSD)、ノバルティス、大塚製薬、ファイザー、サノフィ、塩野義製薬。ジェネリック医薬品メーカーの9社:アボット、アルケム、オーロビンド、シプラ、フレゼニウス カービ、海南海霊、ヴィアトリス、サンファーマ、テバ。これまでのベンチマークには、中小企業(SME)も含まれていましたが、中小企業に関しては、財団が2021年6月に発表したバイオテック・レポート(英語)(https://accesstomedicinefoundation.org/publications/biotechs-are-saving-the-world-from-superbugs-can-they-also-save-themselves)をご参照ください。
本日発表された、薬剤耐性ベンチマーク2021報告書によると、貧しい国が極めて重要な抗生物質や抗真菌薬へアクセスできるよう改善する方法は数多いが、製薬会社はこれらを広く採用していないことが判明しました。調査対象となった薬剤のうち、医薬品をより安価に提供するための価格調整や、低・中所得国への供給を促進するためのライセンス契約など、何らかのアクセス戦略が実施されているのは、わずか3分の1のみでした。これでは、何百万人もの人々が、感染症の適切な治療を受けることができません。
薬剤耐性ベンチマーク報告書を発行している医薬品アクセス財団(Access to Medicine Foundation)でエグゼキュティブ・ディレクターを務めるジェイアスリー・K・アイヤーは次のように述べています。
「感染症や薬剤耐性のリスクに最も晒されている人々が、必要な抗生物質の入手に最も困難な状況にあります。この公平性の欠如を是正するため、製薬会社は、スチュワードシップや抗生物質の代替薬の探求にとどまらず、より広範囲な領域にも焦点を拡大すべきです。これらの新薬や既に上市されている薬剤へのアクセスに対しても、同じように注目すべきです」
報告書では、製造面において、製薬会社が医薬品有効成分(API)を供給する第三者サプライヤーとの間で環境基準を実施するなど、抗菌薬が地域の河川へ放出されないよう尽力していることが明らかになりました。これは有望な進展ではある一方、この基準を遵守していると報告するサプライヤー工場はほとんどないのが現状です。
抗菌薬や抗真菌薬の研究開発に対する大手製薬会社の取り組みは、市民社会や各国政府が代替医薬品の開発を促進するため長年働きかけてきた結果、安定してきたように見えます。評価対象となった製薬会社は、薬剤耐性のある淋病、大腸菌、クロストリジウム・ディフィシレ菌などに対するワクチンを含む、画期的な新薬の可能性を検証しています。とはいえ、新薬やワクチンのパイプラインはまだ少ないのが現状です。
励みになるのは、必要としている人々に新薬が迅速に届く可能性が高まっていることです。報告書では、低・中所得国で新薬を迅速かつ責任をもって入手できるようにするための計画を立てている企業が大幅に増加していることが確認されています。このような計画は、新薬の後期開発段階において標準的に策定されるようになってきています。
製薬会社の業績を比較すると、評価対象となった17社の中でグラクソ・スミスクラインとファイザーが共に首位となっています。ファイザーは、新型コロナウイルスの感染拡大の際にも、新たな抗生物質や抗真菌薬の研究開発パイプラインを拡大するなど、前回のベンチマーク報告書から最も大きな進展を遂げています。ジェネリック医薬品メーカーにおいても改善が確認されており、ジェネリック医薬品にありがちな大量生産、入札主導型のモデルではなく、特許を取得している自社の抗生物質を新しいパートナーにライセンス供与し、供給とグローバルなアクセスを強化している例などもあります。ジェネリック医薬品企業のバイアトリスは、同社の抗結核薬の販売登録国を拡大するなど、いくつかの分野でベストプラクティスを実証しています。
アイヤーは次のようにも述べています。「より多くの企業が研究開発や新薬の生産に携わり、サプライチェーンの整理、および供給や技術移転に投資するなど、ビッグジェネリック(大手のジェネリック医薬品企業)の進化を目の当たりにしています。ジェネリック医薬品企業が今後も躍進を続ければ、貧しい国に必要な医薬品を何十億も供給することで、公平性のギャップを埋めることができるでしょう」
薬剤耐性ベンチマークについて
薬剤耐性ベンチマーク報告書の発行は今回が3度目となります。2018年と2020年の報告書に続き、2017年以降に収集された情報をもとに作成しました。最新報告書では、医薬品アクセス財団の研究者が、抗生物質や抗真菌薬を製造する世界有数の製薬会社17社*(売上高および売上金額ベース)のデータを収集・調査しました。
アクセスへの取り組みについては、102カ国の低・中所得国におけるアクセス改善のための17社の活動を評価しています。研究開発については、米国疾病対策センター(CDC)および世界保健機関(WHO)より、薬剤耐性リスクが最も高いと指定されている病原体を対象とした、研究開発型の大手製薬会社8社のプロジェクトを評価しています。ベンチマークは、特許保護や市場シェアにより企業が圧倒的な地位を占めている医薬品のみを対象に、医薬品へのアクセスを改善するための企業の取り組みを評価しています。
日本とAMR
日本では、塩野義製薬と大塚製薬の2社がベンチマークの評価の対象となっており、共に抗菌薬の分野で積極的に活動しています。
塩野義製薬は、より大きなパイプラインとポートフォリオを有しており、8品目の抗菌薬を上市すると共に、11の研究開発プロジェクトを進めています。これらの中には、肺炎球菌を標的とした抗生物質ワクチンなど、数多くの抗生物質が含まれます。また、抗真菌薬を開発している数少ない企業でもあります。塩野義製薬は、評価対象となった他の企業と比較して、抗菌薬および抗真菌薬の研究開発への投資が売上高に占める割合が最も高い水準にあります。また、第三者サプライヤーを含め、どの工場が排水中の抗菌薬濃度の基準を満たしていかの詳細な情報を公開しており、製造工程の透明性が最も高い企業でもあります。
大塚製薬は抗結核薬に積極的に取り組んでいます。同社の抗結核薬「デラマニド」は、ヴィアトリスおよびアールファームと自主的なライセンス契約を結び、結核患者数の多い国でのアクセスを促進しています。また、ヴィアトリスとは、デラマニドの低価格なジェネリック医薬品の製造・販売を目的とした技術移転契約を締結しています。
調査結果の概要
- アクセス。製薬会社が保有する166品目の抗生物質および抗真菌薬のうち、102カ国の低・中所得国において「アクセス戦略」の対象となっているのは、全体の3分の1(54品目)に過ぎない。人々が適切な治療を受けることができなければ、効果の低い代替手段に頼らざるを得ず、それは病原体に新たな適応の機会を与えることになる。全体的な状況は憂慮すべきものだが、一部の製薬会社は、パキスタン、ブラジル、ナイジェリアなどの製造拠点への技術移転など、アクセス向上のための具体的な行動を起こしている。
- 研究開発パイプラインの少なさ。ベンチマークでは、研究開発型の大手製薬会社8社で、薬剤耐性のリスクが最も高い細菌や真菌による感染症を対象とした92件のプロジェクトを確認。同じ8社のプロジェクトが77件だった2020年と比較すると、わずかに増加している。とはいえ、抗生物質の代替薬のパイプラインはまだ少ないのが現状。
- しかし、研究開発プロジェクトにおけるアクセスとスチュワードシップの計画は増加。今回の調査では、後期医薬品プロジェクト20件のうち18件で、アクセスとスチュワードシップ計画の双方が実施されており、また、後期ワクチン・プロジェクト11件の全てでアクセス計画が策定されている。これは顕著な改善である。後期開発段階にある薬剤は限られているため、それぞれの新薬を誤用や過剰摂取から守り、可能な限り効果を持続させることが重要。
- 川上分野。抗生物質をはじめとする抗菌薬の生産には、第三者サプライヤーが欠かせない。第三者サプライヤーを使用する製薬会社は、耐性を制限するための環境基準をサプライヤーに徹底させ始めている。しかしながら、依然として、抗菌薬の廃棄処理に関する制限を遵守していると報告しているサプライヤーの工場は非常に少ないのが現状である。当ベンチマークにデータを提供した企業は、サプライヤーの製造拠点のうち561拠点(全870拠点の64%)で制限が適用されていると報告。しかしならが、実際に遵守していると報告されたのは45拠点(全体の5.2%)にとどまった。医薬品有効成分(API)が河川などの地域環境に放出されると、地域住民が不必要な量の抗菌薬に晒されることになり、その結果、世界的な脅威となる新たな耐性菌の発生につながる可能性がある。
- 営業手法の進展。前回のベンチマーク報告書では、営業担当者の使用を全面的に中止した製薬会社や、営業担当者の報酬と販売数量を切り離した製薬会社の数が増加したことが報告されていた。2021年には、さらに3社のジェネリック医薬品メーカー(アボット、オーロビンド、ヴィアトリス)が過剰販売対策に取り組んだことを確認。
薬剤耐性ベンチマークの研究チームを統括するファテマ・ラフキ氏は次のように述べています。「この5年間、私たちは薬剤耐性に対する製薬会社の取り組みを追跡してきました。営業手法の改善、耐性菌の広がりを追跡する取り組み、極めて重要な医薬品プロジェクトを必要としている人々に迅速に提供するための計画など、有意義な進展が確認されています。この勢いをさらに加速させなければなりません。各企業には、より多くのことを実践できる明確な機会が与えられています」
薬剤耐性が高まっている
毎年約75万人が、薬剤耐性のある感染症が原因で亡くなっていると推定されています。それに対して、治療可能な感染症で薬を入手できずに死亡する人は570万人に上ります(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4967260/#:~:text=Globally%2C%20a%20staggering%205.7%20million,years%20of%20age%20(13).。これらの多くは、低・中所得国の人々です。自然淘汰による薬剤耐性菌の出現は避けられません。しかし、責任を持って抗菌薬を使用し、予防接種プログラムなどで感染の拡大を抑制すれば、薬剤耐性菌の出現を遅らせることは可能です。しかし、何十年にもわたり不用意に抗生物質を使用してきた結果、現在ではスーパー耐性菌が蔓延しており、世界保健機関(WHO)は「1世紀にわたる健康の進歩を脅かす世界的な危機」であると警告しています(https://www.who.int/docs/default-source/documents/no-time-to-wait-securing-the-future-from-drug-resistant-infections-en.pdfsfvrsn=5b424d7_6)。
薬物耐性ベンチマークについて
薬物耐性ベンチマーク2021は、薬剤耐性の増加に対する製薬業界の対応について、最も長い期間を通じて、独立した評価を行っています。薬剤耐性ベンチマークを発表している医薬品アクセス財団(Access to Medicine Foundation)は、オランダに本拠を置く独立非営利財団です。低・中所得国の人々のためにより多くの行動を起こすよう、製薬会社を促し、ガイダンスを提供しています。当財団は、グローバルヘルス、医薬品アクセス、製薬業界の独立した専門家の意見を収集し、ステークホルダーの合意形成プロセスを通じて、製薬会社が取ることが可能または取るべき行動を定義しています。薬物耐性ベンチマークは、英国政府、オランダ政府、ウエルカム財団より資金提供を受けています。
*薬剤耐性ベンチマークの対象となる製薬会社
薬物耐性弁チークの対象となる、研究開発型の大手製薬会社8社:グラクソ・スミスクライン(GSK)、ジョンソン・エンド・ジョンソン、メルク・アンド・カンパニー(MSD)、ノバルティス、大塚製薬、ファイザー、サノフィ、塩野義製薬。ジェネリック医薬品メーカーの9社:アボット、アルケム、オーロビンド、シプラ、フレゼニウス カービ、海南海霊、ヴィアトリス、サンファーマ、テバ。これまでのベンチマークには、中小企業(SME)も含まれていましたが、中小企業に関しては、財団が2021年6月に発表したバイオテック・レポート(英語)(https://accesstomedicinefoundation.org/publications/biotechs-are-saving-the-world-from-superbugs-can-they-also-save-themselves)をご参照ください。
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