世界初のクオーツ式腕時計「セイコー クオーツアストロン 35SQ」が 国立科学博物館「未来技術遺産」に登録
名称 :セイコー クオーツアストロン35SQ
発売年 :1969年(昭和44年)
特徴 :世界初のクオーツ式腕時計
開発・製造 :株式会社諏訪精工舎(現・セイコーエプソン株式会社)
販売 :株式会社服部時計店(現・セイコーホールディングス株式会社)
「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」の登録制度は2008年に制定され、世界有数の科学技術を持つわが国の科学技術の歴史を示し、文化として次世代に継承していく上で重要な意義を持つ特筆すべき発明や開発品などの実物資料を独立行政法人国立科学博物館が登録を行なっているものです。
「セイコー クオーツアストロン35SQ」は、世界初のクオーツ式腕時計として1969年12月に発売されました。それまで一般の高精度な機械式腕時計で日差数秒から数十秒が当たり前であった時代に、日差±0.2秒、月差±5秒という飛躍的な精度の向上を実現しました。またこの開発によって特許権利化した技術を公開したことで、日本発の技術であるクオーツ式腕時計は劇的に普及し、世界中で正確な「時」を手にすることができる社会が生み出されました。現在世界で製造されている腕時計の約96%※はクオーツ式です。時計技術に大きな改革を実現したことが評価され、今回の登録となりました。
※出展:一般社団法人 日本時計協会 2017年 ウオッチ生産数量(推計値)より算出
なお、セイコーミュージアム(東京都墨田区)で同種モデルは常設展示され、ご覧いただくことができます。
未来技術遺産認定製品の概要
1969年(昭和44年)12月25日発売
世界初のクオーツ式腕時計「セイコー クオーツアストロン35SQ」
・認定番号 : 第00258号
・製造年 : 1969年(昭和44年)
・認定製品の所在地: セイコーエプソン株式会社 塩尻事業所(長野県塩尻市)
・製品説明 :
「クオーツ式腕時計」は、水晶に電圧を加えた際に発生する正確な振動数を利用した水晶(クオーツ)振動子を基盤部品とし、それまで主流だった機械式腕時計に比べ革命的な高精度を果たしました。搭載された水晶振動子は、小型かつ優れた耐衝撃性を持つ、世界初の音叉型水晶振動子。また、電気信号を機械的な回転運動に変える変換機には、コイル、ステータ、ロータを分散配置した超小型ステッピングモータを新たに開発しました。秒針には1秒刻みのステップ運針を採用したことで、それまで課題であった省電力化にも成功しました。
独立行政法人国立科学博物館 産業技術史資料情報センターについて
*概要
独立行政法人国立科学博物館の産業技術史調査会が「産業技術の歴史を未来に役立てる情報拠点」の整備が必要であるという構想のもと2002年に創立されました。
失われつつある日本の科学遺産の保存を図るため、科学技術史の上で重要な役割を果たした製品に年1回「技術未来遺産」として認定するものです。2017年までに240点が選出されています。
・未来技術遺産に関するURL: http://sts.kahaku.go.jp/material/index.html
*未来技術遺産の目的と認定基準
日本の科学技術の発展を示す貴重な科学技術史資料の保存と活用を図り、先人たちの経験を次世代に継承していくことを目的に、下記のいずれかに該当するものが登録されています。
1) 科学技術の発展史上重要な成果を示し、次世代に継承していく上で重要な意義を持つもの
2) 国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えたもの
セイコーミュージアムについて
セイコーミュージアムは、時と時計に関する資料を世界中から収集・展示し、時に関する研究を行っています。館内では、日時計から始まる世界の時計史を辿ることができる他、東洋の時計王と称されたセイコーの創業者・服部金太郎の創業精神やセイコーの歴史を学ぶことができます。VRを用いた3次元による体験型展示も行っています。
所在地 :〒131-0032 東京都墨田区東向島3-9-7
電話 :03-3610-6248
開館時間 :10:00~16:00(入館無料、要予約)
閉館日 :月曜日、祝日、年末年始
ご予約方法:お電話またはHPより事前のご予約をお願いいたします。
https://museum.seiko.co.jp/use/book/index.html
URL : http://museum.seiko.co.jp
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