窪田製薬ホールディングス株式会社が発表した「クボタメガネ」について
5月18日付で窪田製薬ホールディングス株式会社より、同社又はその100%子会社であるクボタビジョン・インク(本社・米国)が開発中の「クボタメガネ」について、同社のウェブサイトで発表がありました。詳細は下記リンクをご参照ください。
https://www.kubotaholdings.co.jp/ir/docs/20200518_JP_eSpec%20final.pdf
その発表では、(1)クボタビジョン・インク(本社:米国ワシントン州、以下「クボタビジョン」)が、ヒトを対象に、アクティブスティミュレーションを用いた卓上デバイスでの効果検証を行なった結果、眼軸長(角膜から網膜までの長さ)が対照眼と比較して短縮したこと、(2)それに伴って、近視領域での需要を見込み、メガネのいらない世界をつくる「クボタメガネ」として、ウェアラブル近視デバイスの開発を加速すること、の2点が報告されています。
この発表後、関係各所より、当社に対し、当社が現在、開発中で、医療機器の治験を実施しているメガネ型の近視進行抑制機器と、「クボタメガネ」との違い等について、多くの質問が寄せられました。このため、この場を借りて、「クボタメガネ」との違いについて、ご説明申し上げます。
まず、上記発表では、「クボタメガネ」が採用している技術の開示がないので、その内容は不明です。ただ、「アクティブスティミュレーションを用いた卓上デバイスでの効果検証を行なった結果、眼軸長(角膜から網膜までの長さ)が対照眼と比較して短縮した」という技術を利用するものであるのならば、当社はこのような技術は用いておりません。
当社の技術は、慶應義塾大学医学部眼科で得られた研究成果である、近視抑制のメカニズムを礎としています。それは、太陽光に含まれるバイオレットライトが遺伝子EGR-1等を介して、近視進行抑制効果を解明することを明らかにした、鳥居講師らの研究から生まれた技術であり、すでに論文発表がされております。(※1)
この世界最先端の技術(サイエンス)に基づき、慶應義塾大学医学部発ベンチャーである当社が世界に先駆けて、2017年から特定の光を使った近視進行抑制医療機器の開発を進めています(現時点では未承認)。
さらに、弊社の保有する近視進行抑制に関する光波長を使った近視予防器具に関する特許は、日本・米国で登録されており、さらに治験を含めた研究開発は世界の中でも当社だけが実施しており、現在、世界初の近視進行抑制医療機器の製造販売承認取得に向けた治験を実施中です。
以上のとおりですので、窪田製薬ホールディングス株式会社(又はその子会社であるクボタビジョン・インク)が開発中の「クボタメガネ」と、当社が治験を実施している機器とは、全く異なるものでありますので、誤解をされぬようお願い申し上げます。
当社は、知的財産権を有効に利用するとともに、現在進行中の治験を遂行し、サイエンスに基づいた世界初の光照射型の近視進行抑制医療機器の承認を目指し、開発を加速していく所存です。つきましては、これまで同様のご指導、ご鞭撻、ご支援、及びお力添えをお願い申し上げます。今後とも、株式会社坪田ラボをどうぞよろしくお願い致します。
(※1)Torii H et al. EBioMedicine 2017 (15) 210-219, Violet light exposure can be a preventive strategy against myopia progression
(株)坪田ラボ 近視研究に関わる関連論文 (2020年5月28日現在)
1) Torii H, …, Tsubota K. Violet Light Exposure Can Be a Preventive Strategy Against Myopia Progression. eBio Medicine, 2017.
2) Torii H, …, Tsubota K. Violet Light Transmission is Related to Myopia Progression in Adult High Myopia. Scientific Reports, 2017.
3) Jiang X, …, Tsubota K. A highly efficient murine model of experimental myopia. Scientific Reports, 2018.
4) Asbell PA and Tsubota K. Myopia control: current thoughts and future research. Eye & Contact Lens, 2018.
5) Jiang X, …, Tsubota K. Progress and control of myopia by light environments. Eye & Contact Lens, 2018.
6) Jiang X, …, Tsubota K. Inducement and evaluation of a murine model of experimental myopia. Journal of Visualized Experiments, 2019. https://www.jove.com/video/58822/inducement-and-evaluation-of-a-murine-model-of-experimental-myopia (Video)
7) Mori K, …, Tsubota K. Oral crocetin administration suppressed refractive shift and axial elongation in a murine model of lens-induced myopia. Scientific Reports, 2019.
8) Tanaka Y, Kurihara T, Hagiwara Y, Ikeda SI, Mori K, Jiang X, Torii H, Tsubota K. Ocular-Component-Specific miRNA Expression in a Murine Model of Lens-Induced Myopia. Int J Mol Sci. 2019 Jul 24;20(15):3629.
9) Yotsukura E, …, Tsubota K. Current Prevalence of Myopia and Association of Myopia With Environmental Factors Among Schoolchildren in Japan. JAMA Ophthalmology, 2019.
10) Mimura R, Mori K, Torii H, Nagai N, Suzuki M, Minami S, Ozawa Y, Kurihara T, Tsubota K. Ultra-Widefield Retinal Imaging for Analyzing the Association Between Types of Pathological Myopia and Posterior Staphyloma. J Clin Med. 2019 Sep 20;8(10):1505.
11) Mori K, …, Tsubota K. The Effect of Dietary Supplementation of Crocetin for Myopia Control in Children: A Randomized Clinical Trial. Journal of Clinical Medicine, 2019.
12) Mori K, Kurihara T, Uchino M, Torii H, Kawashima M, Sasaki M, Ozawa Y, Yamagishi K, Iso H, Sawada N, Tsugane S, Yuki K, Tsubota K. High Myopia and Its Associated Factors in JPHC-NEXT Eye Study: A Cross-Sectional Observational Study. J Clin Med. 2019 Oct 25;8(11):1788.
13) Mori K, Kurihara T, Jiang X, Ikeda SI, Ishida A, Torii H, Tsubota K. Effects of Hyperoxia on the Refraction in Murine Neonatal and Adult Models. Int J Mol Sci. 2019 Nov 29;20(23):6014.
14) Mori K, Kurihara T, Jiang X, Ikeda SI, Yotsukura E, Torii H, Tsubota K. Estimation of the Minimum Effective Dose of Dietary Supplement Crocetin for Prevention of Myopia Progression in Mice. Nutrients. 2020 Jan 9;12(1). pii: E180.
15) Grzybowski A, Kanclerz P, Tsubota K, Lanca C, Saw SM. A review on the epidemiology of myopia in school children worldwide. BMC Ophthalmol. 2020 Jan 14;20(1):27. doi: 10.1186/s12886-019-1220-0. Review.
https://www.kubotaholdings.co.jp/ir/docs/20200518_JP_eSpec%20final.pdf
その発表では、(1)クボタビジョン・インク(本社:米国ワシントン州、以下「クボタビジョン」)が、ヒトを対象に、アクティブスティミュレーションを用いた卓上デバイスでの効果検証を行なった結果、眼軸長(角膜から網膜までの長さ)が対照眼と比較して短縮したこと、(2)それに伴って、近視領域での需要を見込み、メガネのいらない世界をつくる「クボタメガネ」として、ウェアラブル近視デバイスの開発を加速すること、の2点が報告されています。
この発表後、関係各所より、当社に対し、当社が現在、開発中で、医療機器の治験を実施しているメガネ型の近視進行抑制機器と、「クボタメガネ」との違い等について、多くの質問が寄せられました。このため、この場を借りて、「クボタメガネ」との違いについて、ご説明申し上げます。
まず、上記発表では、「クボタメガネ」が採用している技術の開示がないので、その内容は不明です。ただ、「アクティブスティミュレーションを用いた卓上デバイスでの効果検証を行なった結果、眼軸長(角膜から網膜までの長さ)が対照眼と比較して短縮した」という技術を利用するものであるのならば、当社はこのような技術は用いておりません。
当社の技術は、慶應義塾大学医学部眼科で得られた研究成果である、近視抑制のメカニズムを礎としています。それは、太陽光に含まれるバイオレットライトが遺伝子EGR-1等を介して、近視進行抑制効果を解明することを明らかにした、鳥居講師らの研究から生まれた技術であり、すでに論文発表がされております。(※1)
この世界最先端の技術(サイエンス)に基づき、慶應義塾大学医学部発ベンチャーである当社が世界に先駆けて、2017年から特定の光を使った近視進行抑制医療機器の開発を進めています(現時点では未承認)。
さらに、弊社の保有する近視進行抑制に関する光波長を使った近視予防器具に関する特許は、日本・米国で登録されており、さらに治験を含めた研究開発は世界の中でも当社だけが実施しており、現在、世界初の近視進行抑制医療機器の製造販売承認取得に向けた治験を実施中です。
以上のとおりですので、窪田製薬ホールディングス株式会社(又はその子会社であるクボタビジョン・インク)が開発中の「クボタメガネ」と、当社が治験を実施している機器とは、全く異なるものでありますので、誤解をされぬようお願い申し上げます。
当社は、知的財産権を有効に利用するとともに、現在進行中の治験を遂行し、サイエンスに基づいた世界初の光照射型の近視進行抑制医療機器の承認を目指し、開発を加速していく所存です。つきましては、これまで同様のご指導、ご鞭撻、ご支援、及びお力添えをお願い申し上げます。今後とも、株式会社坪田ラボをどうぞよろしくお願い致します。
(※1)Torii H et al. EBioMedicine 2017 (15) 210-219, Violet light exposure can be a preventive strategy against myopia progression
(株)坪田ラボ 近視研究に関わる関連論文 (2020年5月28日現在)
1) Torii H, …, Tsubota K. Violet Light Exposure Can Be a Preventive Strategy Against Myopia Progression. eBio Medicine, 2017.
2) Torii H, …, Tsubota K. Violet Light Transmission is Related to Myopia Progression in Adult High Myopia. Scientific Reports, 2017.
3) Jiang X, …, Tsubota K. A highly efficient murine model of experimental myopia. Scientific Reports, 2018.
4) Asbell PA and Tsubota K. Myopia control: current thoughts and future research. Eye & Contact Lens, 2018.
5) Jiang X, …, Tsubota K. Progress and control of myopia by light environments. Eye & Contact Lens, 2018.
6) Jiang X, …, Tsubota K. Inducement and evaluation of a murine model of experimental myopia. Journal of Visualized Experiments, 2019. https://www.jove.com/video/58822/inducement-and-evaluation-of-a-murine-model-of-experimental-myopia (Video)
7) Mori K, …, Tsubota K. Oral crocetin administration suppressed refractive shift and axial elongation in a murine model of lens-induced myopia. Scientific Reports, 2019.
8) Tanaka Y, Kurihara T, Hagiwara Y, Ikeda SI, Mori K, Jiang X, Torii H, Tsubota K. Ocular-Component-Specific miRNA Expression in a Murine Model of Lens-Induced Myopia. Int J Mol Sci. 2019 Jul 24;20(15):3629.
9) Yotsukura E, …, Tsubota K. Current Prevalence of Myopia and Association of Myopia With Environmental Factors Among Schoolchildren in Japan. JAMA Ophthalmology, 2019.
10) Mimura R, Mori K, Torii H, Nagai N, Suzuki M, Minami S, Ozawa Y, Kurihara T, Tsubota K. Ultra-Widefield Retinal Imaging for Analyzing the Association Between Types of Pathological Myopia and Posterior Staphyloma. J Clin Med. 2019 Sep 20;8(10):1505.
11) Mori K, …, Tsubota K. The Effect of Dietary Supplementation of Crocetin for Myopia Control in Children: A Randomized Clinical Trial. Journal of Clinical Medicine, 2019.
12) Mori K, Kurihara T, Uchino M, Torii H, Kawashima M, Sasaki M, Ozawa Y, Yamagishi K, Iso H, Sawada N, Tsugane S, Yuki K, Tsubota K. High Myopia and Its Associated Factors in JPHC-NEXT Eye Study: A Cross-Sectional Observational Study. J Clin Med. 2019 Oct 25;8(11):1788.
13) Mori K, Kurihara T, Jiang X, Ikeda SI, Ishida A, Torii H, Tsubota K. Effects of Hyperoxia on the Refraction in Murine Neonatal and Adult Models. Int J Mol Sci. 2019 Nov 29;20(23):6014.
14) Mori K, Kurihara T, Jiang X, Ikeda SI, Yotsukura E, Torii H, Tsubota K. Estimation of the Minimum Effective Dose of Dietary Supplement Crocetin for Prevention of Myopia Progression in Mice. Nutrients. 2020 Jan 9;12(1). pii: E180.
15) Grzybowski A, Kanclerz P, Tsubota K, Lanca C, Saw SM. A review on the epidemiology of myopia in school children worldwide. BMC Ophthalmol. 2020 Jan 14;20(1):27. doi: 10.1186/s12886-019-1220-0. Review.
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