【香りでレシピを構築】型破りなバーテンダーの研究は、飲食業界の新たなトレンドとなり得るのか?
香気成分を軸としたレシピ構築という新たなアプローチの方法を研究するバーテンダーが、自身のwebサイトを開設。前例の無い方法で制作したカクテル等を例に考察をまとめたレポートも公開した。
日本初のモクテル(ノンアルコールカクテル)専門店を展開するなど、革新的な活動を続けるバーテンダー桐山氏が次に提唱するのが、GC-MS(ガスクロマトグラフィー質量分析法)により素材となる食材や酒を構成する香り分子を解析し、そこからレシピを組み立てる新たな飲食の可能性である。その内容とは?
大阪でBAR『KIRIP TRUMAN』、そして日本初のモクテル(ノンアルコールカクテル)専門店である『TMBM(旧名:The Mocktail Bar MORI)』を経営し、スーパーマーケット『ライフ』なんばセントラルスクエア店のモクテルメニュー監修、世界最大のカクテルコンペティション『WORLD CLASS』日本大会TOP50に加え、自他店問わずプロモーション動画の映像制作も単身で手がける等、精力的な活動を続ける桐山透氏。そんな彼がこの度、専門機器を使用した、香りのデータによりレシピを構築するという新たなアプローチ法と共に、自身のWEBサイトを立ち上げた。
このサイト内で公開されているのが、【香気成分を軸としたレシピ構築】という研究レポートである。
これはGC-MS(ガスクロマトグラフィー質量分析法)という機器を使用し、素材が持つ香気成分を分析、そこからレシピを組み立てていくという、今までになかったレシピへのアプローチ方法である。
食材や飲み物は其々、数百の香気成分の集まりでその香りが構成されており、桐山氏が着目したのはその中でも特に計測値が大きかったもの、そして特香成分と言われる、それ単体で或る素材の香りを想起させることができるほどのキャラクターを持った香り分子である。
▲レポート画面一部抜粋(日本語、英語の両方が閲覧可能)
GC-MSによる香気成分の分析は数十年前から行われてきたものの、実際にそれを応用してレシピを作られるには至っていなかった。ネットや文献に挙げられている過去の分析結果と、自身でGC-MSを使用し解析した不足分のデータを用いることで、桐山氏はそれを実践。そこから得た結果で、『バランス』『フレーミング』『エンハンス』という3タイプの独自の考察を挙げた。
サイトでは上記の解釈を当てはめ制作したカクテルも紹介している。今までは作り手の感覚を頼りに作られてきたレシピが、これによりロジカルな説明をすることが出来る。人は説明され納得することで、その物や経験に価値を感じると言われ、香気成分によるレシピ構築はその点を十二分に活用する形となる。
紹介しているカクテルの中でもその方法が顕著に活かされているのが、上記2作品である。
『Light It Dark』はハンガリーのハーブリキュール『ウニクム』をGC-MSにより独自に成分分析し、そこから見出した可能性のある主要香気成分と共通のものを持つ素材を集め、自家製のビターズ(苦味酒)を制作し、カクテルの素材に加え、ウニクムの特徴である苦味を"エンハンス(強化)"した。
『不思議なココ』は、アスパラガスとすり胡麻に、ナッツ様の香りを持つ香り分子が含まれていることに気づき、最終的な味の着地点を"不思議な味わいのココナッツ"に定め、ココナッツと共通香気成分を持つ素材でレシピを組んだ("フレーミング")。
まだ不明瞭な点も多く、更なる研究が必須な領域ではあるが、数年先の飲食業界でこの知識が少しでも活かしてもらうことができればと桐山氏は語る。
ガスクロマトグラフを使用した新たな研究のレポートなどは今後も随時WEBサイトにアップロードされる予定。取材依頼等も、サイト上の問い合わせフォームもしくはinfo.torukiriyama@gmail.comへのメールで受け付けている。
詳細は下記URLのWEBサイトよりご確認ください。
『桐山透』 WEBサイト
http://www.torukiriyama.com/
『KIRIP TRUMAN』instagram
https://www.instagram.com/kiriptruman/
『TMBM』instagram
https://www.instagram.com/tmbm_themocktailbarmori/
▲WEBサイト画面
このサイト内で公開されているのが、【香気成分を軸としたレシピ構築】という研究レポートである。
これはGC-MS(ガスクロマトグラフィー質量分析法)という機器を使用し、素材が持つ香気成分を分析、そこからレシピを組み立てていくという、今までになかったレシピへのアプローチ方法である。
食材や飲み物は其々、数百の香気成分の集まりでその香りが構成されており、桐山氏が着目したのはその中でも特に計測値が大きかったもの、そして特香成分と言われる、それ単体で或る素材の香りを想起させることができるほどのキャラクターを持った香り分子である。
▲レポート画面一部抜粋(日本語、英語の両方が閲覧可能)
GC-MSによる香気成分の分析は数十年前から行われてきたものの、実際にそれを応用してレシピを作られるには至っていなかった。ネットや文献に挙げられている過去の分析結果と、自身でGC-MSを使用し解析した不足分のデータを用いることで、桐山氏はそれを実践。そこから得た結果で、『バランス』『フレーミング』『エンハンス』という3タイプの独自の考察を挙げた。
サイトでは上記の解釈を当てはめ制作したカクテルも紹介している。今までは作り手の感覚を頼りに作られてきたレシピが、これによりロジカルな説明をすることが出来る。人は説明され納得することで、その物や経験に価値を感じると言われ、香気成分によるレシピ構築はその点を十二分に活用する形となる。
▲カクテル『Light It Dark』
▲カクテル『不思議なココ』
紹介しているカクテルの中でもその方法が顕著に活かされているのが、上記2作品である。
『Light It Dark』はハンガリーのハーブリキュール『ウニクム』をGC-MSにより独自に成分分析し、そこから見出した可能性のある主要香気成分と共通のものを持つ素材を集め、自家製のビターズ(苦味酒)を制作し、カクテルの素材に加え、ウニクムの特徴である苦味を"エンハンス(強化)"した。
『不思議なココ』は、アスパラガスとすり胡麻に、ナッツ様の香りを持つ香り分子が含まれていることに気づき、最終的な味の着地点を"不思議な味わいのココナッツ"に定め、ココナッツと共通香気成分を持つ素材でレシピを組んだ("フレーミング")。
まだ不明瞭な点も多く、更なる研究が必須な領域ではあるが、数年先の飲食業界でこの知識が少しでも活かしてもらうことができればと桐山氏は語る。
ガスクロマトグラフを使用した新たな研究のレポートなどは今後も随時WEBサイトにアップロードされる予定。取材依頼等も、サイト上の問い合わせフォームもしくはinfo.torukiriyama@gmail.comへのメールで受け付けている。
詳細は下記URLのWEBサイトよりご確認ください。
『桐山透』 WEBサイト
http://www.torukiriyama.com/
『KIRIP TRUMAN』instagram
https://www.instagram.com/kiriptruman/
『TMBM』instagram
https://www.instagram.com/tmbm_themocktailbarmori/
すべての画像