新型コロナウルスが証明した”日本の女性活躍”の更なる可能性 各企業が実施している対応策をまとめて調査

~柔軟な働き方が求められる今、企業の取り組みと実態から学べる女性がさらに輝ける社会への道とは~

TDC Global

女性リーダー育成に焦点を当てた「ダイバーシティ&インクルージョン」を専門とするオーストラリアのコンサルティング企業、The Dream Collective Global Pty Ltd(本社:オーストラリア、代表取締役社長:サラ・リュー、以下ザ・ドリーム・コレクティブ)は、新型コロナウィルス(COVID-19)による緊急事態宣言の発令により、更なる在宅勤務の強化や5月上旬まで休職を迫られている労働者の現状を把握し、特に女性労働者へのしわ寄せを防ぐために何が出来るのかを明らかにするため、パートナー企業6社に聞き取りを行い、企業の新型コロナウィルス対策の現状を調査しました。

パートナー企業(ザ・ドリーム・コレクティブを含め全20社)パートナー企業(ザ・ドリーム・コレクティブを含め全20社)

今回の緊急事態宣言に伴い、一部地域ではゴールデンウイーク明けまでの休校措置が取られ、多くの企業が在宅勤務へのシフトチェンジを余儀なくされています。また、一部業種では休業により突然の休職扱いになったりと、従来の働き方が通用しない事態となっているのが現状です。欧米に比べ働き方の多様性が定着していなかった日本で、この事態に企業はどのような対策を取っているのでしょうか。

  • 就業者数過去最多!女性労働者数の増加傾向に!
 総務省の労働力調査によると、女性の就業者数(原数値)は2019年6月時点で3003万人と、比較可能な1953年以降で初めて3千万人を突破。前年同月に比べて53万人増え、就業者全体の伸びの9割近くを女性が占めているなど、女性就業者が増加傾向にあることがわかります。これにより、女性の就業者が全体の44.5%を占めることとなり、企業が多様な人材の引き寄せ、定着、前進に必要な力を身に着けるため、「ダイバーシティ&インクルージョン」=「多様性を認めた包括的な働き方」の取り組みが求められています。
 そんな中、現在全世界を恐怖に陥れている新型コロナウィルス(COVID-19)の感染防止のため、多くの企業が時差出勤や在宅勤務へとシフトチェンジし、全国的な休校措置により小学生を持つ家庭は両親のどちらかが休みを取らなければならない事態となっています。ここで生じているのが、両親のどちらが休みを取るのかという問題です。Twitterや様々な報道によると、その負担が母親である女性労働者に向けられているケースが多くあることが分かっています。日本では今までも育児、子育ての責任は母親が受け持つことが多く、このような事態でも女性の方が男性よりがキャリアを犠牲にしなければならないことがあります。
 
 徐々に女性就業者数が増えている中で、「無意識の偏見」で女性に負担が来ている世の中が顕著になったことで、日本が抱える問題にも直面しているのではないでしょうか。そこで、今回ザ・ドリーム・コレクティブのパートナー企業である7社が、実際にどのような対応をしているのかを調査。普段から「ダイバーシティ&インクルージョン」の問題に取り組み、対策を行う企業だからこそ出来る内容は、これからの日本企業の参考となるはずです。
 
  • コロナウィルスによる働き方の変革で、女性が輝ける社会への前進
 新型コロナウイルスにより、日本人の働き方は一変しました。色々と対応が思索される中、今回をきっかけに多くの企業が従来の働き方から在宅勤務の実施、柔軟な働き方の受け入れを実施するなど、女性が活躍しやすい環境に一歩前進したのではないでしょうか。そこでザ・ドリーム・コレクティブでは、日本でダイバーシティー&インクルージョンの問題に取り組んでいる最先端の企業(パートナー企業)の対応から見えた、日本の女性活躍への影響を分析しました。

 

Part1. 新型コロナウイルス発生後、迅速な対応が鍵となり、柔軟性と配慮が第一優先に!

 今回調査の回答を得られたパートナー企業6社のうち、日本政府からイベント自粛、休校措置等の発表があったことを受け、早期に在宅勤務等の対策に取り組んだ企業は100%という結果となりました。この度の前代未聞の問題に対し多くの企業は在宅勤務などへの移行が難しい状況である中、これは、以前より「ダイバーシティ&インクルージョン」に取り組み、様々な働き方を模索してきたからこそ迅速かつ柔軟に対応出来た証拠です。

六本木のラグジュアリーホテル「グランド ハイアット 東京」では、ホテル全体の衛生管理強化など状況に応じて迅速に対応すべく、施設の定期的な消毒や社員のマスク着用、入館時の体温チェック、従業員へのリモートワークの推奨など、あらゆる対策を講じ、緊急な状況下でお客様と従業員への配慮が見られました。
スノーボードやマウンテンライフスタイルを扱う「バートンジャパン」は、新型コロナウイルスの感染拡大を避け、全社員の健康や安全を守るために在宅勤務を押し進め、現場の声を聞いて適宜ポリシーを調整しつつ、店舗スタッフの新型コロナウイルスへの影響と拡大を懸念し、ストアのオープン時間を短縮(現在は全てクローズ)。そして対面での販売ではなく、デジタル販売に力を注ぐことで対応しており、従業員との迅速かつ柔軟な対応策シフトが見られました。

コンタクトレンズメーカーの「クーパービジョン・ジャパン」は、新型コロナウイルスの感染を避け社員の健康や安全を守るため全社員の在宅勤務を決定し、健康状態をリモートで把握するための方策を検討。コンタクトレンズを処方販売してくださる医療従事者をはじめとした顧客の健康と安全を守るため、営業担当者による訪問活動を避け、リモートによるコミュニケーション方法を選択したことが一番のチャレンジだったといいます。また、全社員のリモート勤務への切り替えを試み、業務性質上出社を避けられない社員については勤務形態を変えられないケースもあったため、柔軟な対応で乗り切っています。

 

Part2. 必要な遠隔コミュニケーションは既存ツールで十分
     ~重要なのは密度、頻度、アクセシビリティー~

 多くの企業が在宅勤務の措置を取る中で、重要となってくるのは社内外とのコミュニケーション方法です。企業のデータ活用を促進する、クラウドサービスの「ドーモ」は、定例ミーティングをウェブ会議に切り替えて、円滑なコミュニケーションを保っています。また、新型コロナウィルスの現状を可視化して、ウェブサイト(https://www.domo.com/coronavirus-tracking)で公開しました。

「バートンジャパン」では、お客様からの電話受付を一部メール受付に変更し、社内ではTeamsを使ってコミュニケーションを促進したため、社員同士の効率的なテレワークを実現。在宅勤務が続いているアメリカ本社との連携においてもスムーズに進んでいます。また、世界40ヵ所に拠点を持つ製薬企業の「ユーシービー」では、ネットワーク環境について全世界的に負荷がかかり、会議運営に支障をきたすことがあったため、新しい会議ツールを前倒しで導入することで、改善を図ることができました。

 「クーパービジョン・ジャパン」は、リモートワーク開始と同時に、災害時に活用している安否確認サービスで毎朝、安否確認のメールを配信しタイムリーに全社員の健康状況や業務形態の確認を行うというユニークな対応を実施。 国内・海外、社内外の会議も対面形式は全てキャンセルとなったため、オンライン会議や電話による協議で業務を遂行しています。

こうして見てみると、遠隔コミュニケーションには密度、頻度、アクシシビリティーが重要となりますが、それらに必要な技術は既に存在しており、必要なのは柔軟な働き方へのスイッチでした。

 

Part3. リモートワークと子育ての両立を支援!男女共に働きやすい環境へ

 全国の公立学校の休校措置に伴い、多くの企業が日本政府から休校の指示があった直後から対策を練り様々な対応を行ってきました。ザ・ドリーム・コレクティブのパートナー企業の場合、既に在宅勤務の体制が出来ていたことから、スムーズに対応が出来たものの、今回の予測不可能な事態に適応するためには多くの努力が必須となっています。リモートワーク、柔軟な働き方の広がりにより、男女共に子育てに参加しやすい環境ができ、女性の子育てへの負担を減らすことで、女性が自身のキャリアで活躍し続けられる社会作りに繋がっていきます。


住宅設備機器・建材メーカーの「LIXIL」では、以前から働き方改革の一環としてITインフラの活用によるテレワークを推進し、女性や育児・介護中の社員に限らず多くの従業員がリモートワークを行える環境を整えてきました。新型コロナウィルス感染拡大が深刻化する前から、お客さま、従業員などステークホルダーの健康と安全を守ることを最優先とし、現在ではグローバルで全社的に在宅勤務を実施しています。また、政府からの休校要請を受け、子供の安全を確保するために会社を休まざるを得ない従業員には特別休暇を設定するなど柔軟に対応しています。 

 「クーパービジョン・ジャパン」では、テレワークの導入により子育て世代の男性社員は、保育園や習い事の送迎等のみならず子供と家で過ごす時間が増え、より積極的に家事を行うようになったとのことです。出社しなければならない場合、互いの日程の調整をすることで家庭に子供だけ残すことを避けられるなど、テレワークの導入により会社が積極的に働きかけることなく従業員が能動的に仕事と家庭を運営しています。

「ユーシービージャパン」では、「男性をサポートすることが働く女性を間接的にサポートすることにもつながる」という考えから、育児休暇や育児支援などの子育て支援策対象を男女問わず実施していたため、休校が発表された直後に対策会議を開き、影響を受ける社員(男女問わず)が対応できるように在宅勤務に関するガイドラインを修正し、現在多くの社員が在宅勤務と子育てを両立しています。

 日用品・食品メーカーの「ユニリーバ・ジャパン」では、2016年7月から、働く場所・時間を社員が自由に選べる新しい働き方「WAA」(Work from Anywhere and Anytime、https://www.unilever.co.jp/sustainable-living/waa/) を工場などを除く全社員に導入。理由を問わず、回数制限もないため、男女を問わず、9割を超える社員が活用していました。通勤時間が減った分、育児・家事をしている男性社員のケースもあるとか。平常時から柔軟な働き方があったことで、COVID-19対応でも、派遣社員・常駐業務委託社員を含む全社員(工場など除く)が迅速かつスムーズに在宅勤務に移行できたといいます。また、今回のCOVID-19への対応以前から、WAAに加え、男性の育児休業(男性の育児休業の有給期間を3週間に延長、有給期間を半日単位まで分割して取得可能)、家族休暇(誕生日・受験・学校行事、病院への付き添いなど家族にかかわるイベントに対して1年間で3日間の休暇を付与)なども導入。仕事や家族のケアを含め、日々をどう過ごすのかを社員一人ひとりが考え、自分で決めることで、より自分らしくいきいきと働き、豊かに生きられるようサポートしています。さらに、女性の負担が大きくなりがちな背景にはジェンダーステレオタイプがあるという考えから、2020年3月には無意識に生じる性別への先入観について社会に気づきを発信しながら、実際に取り除くアクションを起こす「LUX Social Damage Care Project」をスタート。社外にも変化を広げています。

 

Part4. 新型コロナウィルス対策で実証された柔軟でより包括的な働き方の可能性
     今後企業や政府がどのような対応を取るべきか!?

 日本での働き方として、女性の負担が大きくなりがちな背景には、日本ならではの「家事・育児は女性がするもの」といったステレオタイプがあると考えられています。家事・育児への参加が均等にならない限り、女性への負担や犠牲が多くあり続けます。女性が働きやすい環境を作るため、今後企業や政府がどのような施策をするべきか伺ったところ、以下のような意見があがりました。

・テレワークの促進やワーキングマザーへのサポート
・安定した生活が維持できるだけの給料や社会保障の法制化
・女性だけに特化した対策ではなく、男女関係の内労働環境すべての整備


特に焦点が当てられたのは女性は特にライフステージに合わせて働き方に柔軟性が必要であることが多く、こうした非常時の際の切り替えのためだけでなく、平常時から誰しにも働き方の柔軟性がアクセスできるようにすることが必要であります。

ユニリーバ・ジャパンは、「家庭、学校教育、企業などさまざまな場で、一人ひとりが自分の中のステレオタイプに気づき、マインドセットを変え、誰もが自分らしく働き生きるために何が必要かを考えてアクションが取れるようにしていくこと、そうできる文化をつくることが大切です」としています。
女性、男性共に成長、そして意識を高めるために必要な施策を整備し、お互いにサポートしあえる環境を保つことが重要となります。

 

Part5. マーケットリーダーとしての意見

 ザ・ドリーム・コレクティブは、「ダイバーシティ&インクルージョン」におけるマーケットリーダーとして様々な企業に対してコンサルティングを行っています。その立場から、今後の日本社会においてどのような対応が必要なのか、また労働者がどのような意識をもってこのCOVID-19と向き合っていくべきか、代表のサラ・リューが下記のように述べています。

「この危機的状況から私たちが見たのは、いったん決断すれば、簡単に変更できるということです。今回の新型コロナウイルスの状況下で、私たちは企業のリモートワークへの移行が即時に行われたのを見ました。ジェンダーの平等に関しても同じことができます。私たちの偏見と固定された考え方が前進への高いハードルとなっていたことを認め、柔軟で包括的な方法で長期的に働くことを維持するために取り組む必要があります。そうすれば、日本での女性の昇進が加速すると確信しています。」

 

 
  • 「ダイバーシティ&インクルージョン」
    女性の働き方・自分らしい働き方を追求した60名強へのインタビュー内容を1冊に!
ザ・ドリーム・コレクティブは、日本の働き方をよりよくものにしていくため、「ダイバーシティ&インクルージョン」をテーマにした書籍を2020年3月に出版しました。この本の中で登場するのは、女性の活躍を支える各界のリーダーたちです。それぞれが語る、自分らしい働き方を目指す「ワークライフバランス」、個の経験や能力、考え方が活かし、よりよく働くための「ダイバーシティ&インクルージョン」について触れています。それらの実現のために、リーダーたちは日々、どんなふうにメンタリングしているのか。ヒントを探るため20社のビジネスリーダーを集めました。

 

・書名 :『女性が共に、さらに輝くということ』
・著者名 :The Dream Collective 
・出版社名 :幻冬舎
・発売日 :2020年3月5日(木)

協力企業
1   アディダス ジャパン株式会社
2   アマン
3   LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン・ジャパン株式会社
4   クーパービジョン・ジャパン株式会社
5   グランド ハイアット 東京
6   サントリーホールディングス株式会社
7   日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
8   スターバックス コーヒージャパン株式会社
9   ソシエテ・ジェネラル証券株式会社
10 Domo
11 ノバルティスファーマ株式会社
12 バートンジャパン合同会社
13 ブリストル・マイヤーズ スクライブ株式会社
14 株式会社MANABICIA
15 UCBジャパン株式会社
16 ユニリーバ・ジャパン・ホールディングズ株式会社
17 株式会社LIXILグループ
18 リクルートホールディングズ株式会社
19 ロバート・ウォルターズ・ジャパン株式会社
20 The Dream Collective
 
  • インタビュー可能人物 :数々の女性推進企業の立役者!サラ・リュー氏

氏名:サラ・リュー氏(創業者 兼 代表取締役 34歳)

台湾で生まれるものの、教育システムに馴染めず両親とともにニュージーランドに移住。
好奇心が強く、冒険好きな性格のため、オークランド大学在学中、日本語を話せないにもかかわらず、全額奨学金支給で交換留学生として東京大学入学。ときには若手女性×オーストラリア在住のアジア人として差別や偏見を受けつつも、The Dream Collectiveを起業。いまでは世界5か所に拠点を構え、トップ企業をパートナーに持つ。
他にも、2017年より「G20首脳会議」加盟国の若手企業家が集結する「G20 YEA」にて豪州代表として出席、日本の内閣総理大臣閣僚会議の顧問やForbes賞の審査委員を務めるなど オピニオンリーダーとして活躍中。

【受賞歴ハイライト】 
• Silver Winner of International Stevie Awards for Young Female Entrepreneur of the Year
• Australia Representative to the G20 YEA Summit
• APAC Bridget Women Advisory Panel for the Prime Minister Cabinet, Japan
• Championed women in leadership and women in technology from Silicon Valley, Australia, Japan to Pakistan - Presenter TEDx Sydney: KickStart Pitch
• Forbes Japan Women’s Award Advisory Board
• Nominee of Australian Women’s Weekly Women of the Future
• Nominee of AFR & Westpac 100 Women of Influence
• Nominee of NAB Women’s Agenda Leadership Awards

 

<お話できること>
・世界からみる女性が活躍する職場環境づくり
・日本で活躍する女性リーダーの共通点
・世界から学ぶ「女性の働き方」「自分らしい働き方」最新トレンド
・女性支援企業が連呼する「ダイバーシティ&インクルーシブ」
・なぜ日本は女性支援後進国を抜け出せないか
※ その他、一部協力企業への取材もご相談いただけます
  世界で1400名超の働く女性たち向けリーダーシップ開発のため、セミナーやワークショップなどを行ってきた外資系コンサルティング企業。日本でコンサルなども行っております。2012年にオーストラリアで設立以降、オーストラリア・シンガポール・東京・上海を拠点に、PWC、ヤフー、ボストン・コンサルティング・グループ、ユニリーバ、トヨタ、キヤノンなど250社以上のグローバル企業をクライアントにもつ。日本では2017年より本格的に展開。

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会社概要

THE DREAM COLLECTIVE GLOBAL PTY LTD

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URL
https://tdcglobal.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都中央区京橋1-1-5 セントラルビル2階
電話番号
080-2595-2117
代表者名
サラ・リュー
上場
未上場
資本金
-
設立
2016年09月