ウィーン発:国際女性デーを記念し、皇妃エリザベートの“新たな肖像画”が登場
「どんな人間だったかを記憶してください。どんな外見だったかではなく」
2023年3月1日、従来のエリザベート像に異議を唱える“新しい肖像画”がウィーン市内のシシィ博物館、ホテル・インペリアル、家具博物館の3ヶ所で公開されました。これは3月8日の「国際女性デー」を祝うインスタレーションで、シシィ博物館とホテル・インペリアルでは3月31日まで展示されます。
16歳で皇帝フランツ・ヨーゼフ1世と結婚し、60歳で無政府主義者に暗殺されたエリザベート(愛称シシィ)は、19世紀末のハプスブルク帝政衰退期を生きた女性です。映画三部作『プリンセス・シシー』とミュージカル『エリザベート』の成功を通じて世界中でカルト的な人気を誇っていますが、その人物像は、もっぱら「美貌」と「悲劇的人生」に収斂して語られることが定番化しています。
私たちウィーン市は、この状況を変えたいと考えました。
今回公開したインスタレーションは、後世に作り上げられた表層的なイメージを打破し、エリザベートの真の人物像に光を当てるという趣旨のもと、デザイナー兼アートディレクターのヴィヴィアン・デーニングと協力して、もっとも有名なエリザベートの肖像画を“新しい肖像画”で覆い隠したものです。美貌、ドレス、鬱病、摂食障害、運動マニア、不倫、永遠の若さの追求といった定番キーワードの影に隠れがちな、シシィの本質――皇妃であり、母であり、変革者――に目を向けてもらうことを目的としています。
“新しい肖像画”には、シシィに関するあまり知られていない事実、たとえばその遺志により遺産から得られる利益が現代の難民支援に使われていること(*)や、人々の自治権を重要視していたこと、勉強を好んでいたことなどが英文の詩として書かれています。
(*)シシィが1880年代に書いた日記の売上金が、UNHCRオーストリアによるウクライナ難民支援活動に寄付されています。
ウィーン市観光局長のノルベルト・ケットナーは、「3月8日の国際女性デーと女性月間に際し、我々は時代遅れで偏ったイメージを象徴的に修正することにしました。皇妃エリザベートは、その外見ゆえに人々の集合的記憶に長年とどまってきた多くの女性の一人にすぎません。“新しい肖像画”に書かれた詩は、ポップカルチャー的なイメージの陰に隠れがちな、先駆者としてのシシィの人物像に焦点を当てるものです」と話します。
「幼少期のシシィ本人に、美貌という自覚はありませんでした。宮廷に入って初めて、それが自分に求められているものだと気づいたのです。彼女の外見は道具にされました。フランツ・クサーバー・ヴィンターハルターが1865年に描いた有名な肖像画は、シシィ神話のアイコンとなり、その美貌を世界的に広めることに一役買いました」とシシィ博物館学芸員のミヒャエル・ヴォールファートは説明します。
“新しい肖像画”の詩は、『Remember women for who they were. Not for what they looked like. (訳:女性たちがどんな人間だったかを記憶してください。どんな外見だったかではなく)』と締めくくられています。決して目新しくはありませんが、何度でも繰り返されるべきメッセージであると、私たちは考えています。
シシィ博物館(Sisi Museum):ホーフブルク王宮内にある、エリザベートの居住空間を利用した博物館。家具や愛用品が多数展示されており、シシィの生活ぶりが分かる。https://www.sisimuseum-hofburg.at
ホテル・インペリアル(The Hotel Imperial, A Luxury Collection Hotel, Vienna):もとはビュルテムベルク公の宮殿として建てられ、1873年ウィーン万博を機にホテルとして開業。アンティークの家具やシルクの壁紙、大理石の浴室が19世紀ウィーンに誘う。https://www.marriott.com/en-us/hotels/vieil-hotel-imperial-a-luxury-collection-hotel-vienna/overview/?EM=DNM_IMPERIALVIENNA.COM
ウィーン家具博物館(Möbelmuseum Wien):もとはマリア・テレジアの時代にハプスブルク家の家具倉庫として造られた。オーストリア最大の家具博物館であり、家具デザイン史を俯瞰できる。エリザベートの調度品や、皇太子ルドルフのゆりかごもある。http://www.moebelmuseumwien.at/
■本件に関するウィーン市観光局の公式サイト(英文):https://www.wien.info/en/sisi-s-new-portrait
■ウィーン市観光局の2023年のテーマ:今年はウィーンの物質的・精神的な近代化を促進したウィーン万博の開催から150周年であり、『ビジョンと門出』というテーマのもと、さまざまな記念事業が予定されています。詳しくは前回のプレスリリース(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000058224.html)をご覧ください。
私たちウィーン市は、この状況を変えたいと考えました。
今回公開したインスタレーションは、後世に作り上げられた表層的なイメージを打破し、エリザベートの真の人物像に光を当てるという趣旨のもと、デザイナー兼アートディレクターのヴィヴィアン・デーニングと協力して、もっとも有名なエリザベートの肖像画を“新しい肖像画”で覆い隠したものです。美貌、ドレス、鬱病、摂食障害、運動マニア、不倫、永遠の若さの追求といった定番キーワードの影に隠れがちな、シシィの本質――皇妃であり、母であり、変革者――に目を向けてもらうことを目的としています。
“新しい肖像画”には、シシィに関するあまり知られていない事実、たとえばその遺志により遺産から得られる利益が現代の難民支援に使われていること(*)や、人々の自治権を重要視していたこと、勉強を好んでいたことなどが英文の詩として書かれています。
(*)シシィが1880年代に書いた日記の売上金が、UNHCRオーストリアによるウクライナ難民支援活動に寄付されています。
ウィーン市観光局長のノルベルト・ケットナーは、「3月8日の国際女性デーと女性月間に際し、我々は時代遅れで偏ったイメージを象徴的に修正することにしました。皇妃エリザベートは、その外見ゆえに人々の集合的記憶に長年とどまってきた多くの女性の一人にすぎません。“新しい肖像画”に書かれた詩は、ポップカルチャー的なイメージの陰に隠れがちな、先駆者としてのシシィの人物像に焦点を当てるものです」と話します。
「幼少期のシシィ本人に、美貌という自覚はありませんでした。宮廷に入って初めて、それが自分に求められているものだと気づいたのです。彼女の外見は道具にされました。フランツ・クサーバー・ヴィンターハルターが1865年に描いた有名な肖像画は、シシィ神話のアイコンとなり、その美貌を世界的に広めることに一役買いました」とシシィ博物館学芸員のミヒャエル・ヴォールファートは説明します。
“新しい肖像画”の詩は、『Remember women for who they were. Not for what they looked like. (訳:女性たちがどんな人間だったかを記憶してください。どんな外見だったかではなく)』と締めくくられています。決して目新しくはありませんが、何度でも繰り返されるべきメッセージであると、私たちは考えています。
- インスタレーションの会場について
シシィ博物館(Sisi Museum):ホーフブルク王宮内にある、エリザベートの居住空間を利用した博物館。家具や愛用品が多数展示されており、シシィの生活ぶりが分かる。https://www.sisimuseum-hofburg.at
ホテル・インペリアル(The Hotel Imperial, A Luxury Collection Hotel, Vienna):もとはビュルテムベルク公の宮殿として建てられ、1873年ウィーン万博を機にホテルとして開業。アンティークの家具やシルクの壁紙、大理石の浴室が19世紀ウィーンに誘う。https://www.marriott.com/en-us/hotels/vieil-hotel-imperial-a-luxury-collection-hotel-vienna/overview/?EM=DNM_IMPERIALVIENNA.COM
ウィーン家具博物館(Möbelmuseum Wien):もとはマリア・テレジアの時代にハプスブルク家の家具倉庫として造られた。オーストリア最大の家具博物館であり、家具デザイン史を俯瞰できる。エリザベートの調度品や、皇太子ルドルフのゆりかごもある。http://www.moebelmuseumwien.at/
- ウィーン市のジェンダー公正推進の取り組み
■本件に関するウィーン市観光局の公式サイト(英文):https://www.wien.info/en/sisi-s-new-portrait
■ウィーン市観光局の2023年のテーマ:今年はウィーンの物質的・精神的な近代化を促進したウィーン万博の開催から150周年であり、『ビジョンと門出』というテーマのもと、さまざまな記念事業が予定されています。詳しくは前回のプレスリリース(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000058224.html)をご覧ください。
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