ナガセインテグレックスと佐世保高専、LAplust、3者共同でAI画像解析ソリューション「PICMO BOX」を開発
研削加工DXを目指し、AIを用いた砥石表面解析による研削加工の熟練技能を形式知化・最適化へ

概要
動画像解析AIの研究開発ならびに画像解析AI構築ツールLA-Eyeの提供を行う株式会社LAplust*1(本社:長崎県長崎市、代表取締役社長 田中 宏樹、以下、LAplust(ラプラス))は、株式会社ナガセインテグレックス*2(本社:岐阜県関市、代表取締役社長 長瀬 幸泰、以下、ナガセインテグレックス)と国立佐世保工業高等専門学校*3(所在地:長崎県佐世保市、情報知能工学科 教授 坂口彰浩、以下、佐世保高専)と共同で、研削加工分野向けノーコード画像AI構築ソフトウェア「PICMO BOX」を開発しましたのでお知らせいたします。
ナガセインテグレックスの超精密研削技術と現場知見を基盤としたプロジェクト主導のもとに、佐世保高専が積み重ねてきた研削加工AIの研究成果を取り入れ、LAplustが商用化に向けLA-Eye*4を応用することで、研削加工分野向けノーコード画像AI構築ソフトウェア「PICMO BOX(ピクモ ボックス)」を開発しました。
PICMO BOXは、ユーザが使用する砥石や加工対象それぞれに最適なAIを生成し、砥石表面の画像解析を通じて砥面の状態を定量的に把握できます。これにより、熟練技能者の暗黙知に依存していたドレスタイミングの判断が容易になり、加工不具合の低減や研削加工のランニングコスト最適化を実現することを目指しています。さらに、本技術を超精密研削加工分野における加工条件の最適化や品質向上に応用し、将来的には他分野への展開も視野に入れています。
開発の背景
研削加工条件の最適化(例:砥石の表面状態の評価やドレスタイミングの判断)は、従来熟練技能者の経験や感覚に大きく依存してきました。砥石を手で触れる、加工音や火花・振動を感じ取るといった暗黙知によって支えられてきた領域です。しかし、少子高齢化が進む中で技能伝承は大きな課題となっており、これらの暗黙知を形式知化し、次世代に引き継ぐことが喫緊の課題となっています。
このため、熟練技能者の暗黙知を誰もが理解・活用できる形式知へ変換することが急務です。これらの技術により、経験の少ない作業者でも熟練技能者と同等以上の精度で加工条件の最適化が可能になります。形式知化された技術やノウハウは、社内の教育訓練プログラムに容易に組むこともでき、技能伝承の効率化と均質化に貢献します。さらに、データに基づいた客観的な判断が可能になることで、生産プロセスの標準化が進み、品質のばらつきを抑え、安定した製品供給体制を確立できます。これは企業の競争力強化だけでなく、持続可能なものづくりを実現する重要な一歩となるでしょう。
共同開発体制
● ナガセインテグレックス【75年以上の超精密研削技術の実績】
共同開発の主導。研削加工・熟練技能者のノウハウを提供、専門的な目線でのAI評価
● 佐世保高専【100件以上の研削加工AI研究実績】
研削加工分野に特化したAI研究成果を提供
● LAplust【画像AI開発・実装で10年以上の実績】
最適なAI選定,活用をサポートしLA-Eyeを研削加工分野向けにカスタマイズを担当

ナガセインテグレックス 担当部署のコメント
〇製造本部 技術部 制御設計課
超精密研削加工は、長年にわたり熟練技能者の感覚と経験に支えられてきました。しかし、技能伝承の難しさが年々増す中で、その知見をAI技術によって形式知化することは不可欠だと考えています。今回の『PICMO BOX』の開発では、LAplustの画像解析技術と佐世保高専の研究成果を取り入れることで、従来困難であった砥石表面の定量的な評価が可能になると考えています。特に、現場の利用者が実際に使用する砥石やワークに最適化されたAIをノーコードで生成できる点は、これまでにない大きな進展です。これにより、熟練者に依存していた判断を非熟練者でも再現できるようになり、研削加工の効率化と安定化が期待されます。また、砥石表面にとどまらず、切削工具や加工表面などのあらゆる画像と有益な結果情報を最小限の量の画像でモデル構築ができます。今後も共同で開発を進め、研削加工分野のさらなる進化と幅広い応用展開を目指してまいります。
今後の展望
LAplustは、精密画像解析AIのエキスパートとして、ナガセインテグレックスおよび佐世保高専と連携し、超精密研削のみならず幅広い分野での応用を見据え、付加価値の高いソリューション提供に努めてまいります。
*1、*4
株式会社LAplust(ラプラス)
https://laplust.com/
LAplustは製造業/農業分野に対して生産現場を根底から支えるAIを開発します。
画像解析AI構築ソフトウェアLA-Eye(エルエーアイ、2023年9月リリース)は利用者の目的に合わせた画像解析AIを構築でき、課題に合わせた画面カスタマイズやODM(オリジナル・デザイン・マニュファクチャリング)での提供が可能です。画像解析AIの構築・現場導入において必要な業務の手間を大きく引き下げ、検証から運用までのトータルコストと時間を最小化します。
LAplustのミッションは「真の知能を実装し、社会活動を根底から支える」ことです。10年以上の動画像に特化したAIの開発経験とノウハウ、最新の画像AI関連の研究論文から学び得た本質的かつ実用的なAIアルゴリズムの目利きと利活用、複数のAIを組み合わせ維持/運用/更新をシームレスに実現する内製技術基盤(CTI:Core Tech Interface)を活用することで開発コスト・期間を最小化しお客様に最善の価値を「継続的に」提供します。

*2
株式会社ナガセインテグレックス
https://www.nagase-i.jp/
ナガセインテグレックス株式会社は、ナノメータの面粗さ、サブミクロンの形状精度を実現する超精密研削盤をはじめ、世界最高の精度・能率を追求した工作機械づくりを行うメーカです。1950年の創業以来、超精密研削盤の専業メーカーとして世界トップクラスの技術を提供。長年培った超精密加工技術と独自のノウハウにより、半導体・自動車・航空機・金型など幅広い産業分野に製品を展開してきました。加工精度の限界に挑み続け、ものづくりの発展に貢献します。

*3
国立佐世保工業高等専門学校
https://www.sasebo.ac.jp/
佐世保工業高等専門学校(佐世保高専)は、長崎県佐世保市に位置する高等教育機関で、実践的な工学教育を通じて産業界に貢献する技術者を育成しています。地域産業や企業との共同研究にも積極的に取り組み、実社会で役立つ技術の創出と人材育成を推進しています。

お問い合わせ先
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担当者名:原崎 芳加
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所属:AI応用開発本部
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メールアドレス:info@laplust.com
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