村木風海が率いるCRRA、空気中の二酸化炭素を農業分野に活用する実験を開始 〜農作物の収穫量増大、品質も向上。地球温暖化の原因を農業の味方に〜
一般的に温室栽培される農作物は、温室内のCO2が多いほど生産性が向上すると言われていますが、現状の農業用CO2施肥装置は化石燃料を大量に使用するため、地球環境に負荷を与える懸念がありました。
CRRAは、化学者兼発明家であり現役東大生の村木風海(20)が機構長を務め、空気中のCO2回収装置の開発・販売や、CO2排出量大幅削減のための技術アドバイザリー等を行っています。この度、農業分野におけるCO2活用に明るいイノチオアグリと、環境に負荷をかけないCO2回収の技術を活かし、新しい農業用のCO2回収・活用モジュールを共同研究する業務提携に至りました。
今回の提携によって、農作物の収量増加や品質向上のみならず、地球温暖化防止と農業者のCO2施肥コスト削減の両立が実現でき、更には2050年の温室効果ガスゼロ目標の実現にまで寄与することが期待できます。
- 地球温暖化への影響と低効率、CO2の農業活用における課題
温室効果ガスによる地球温暖化が懸念されている現在、このまま何も対策をせずに温暖化が進むと、21世紀末に4度前後気温が上昇することが予測されています。温暖化は異常気象を引き起こし海水面を上昇させるだけでなく、農作物の収量減少や病原菌蔓延など、一次産業において世界的に大きな影響を与えることが危惧されています。
このように、農業にも悪影響を及ぼすと思われがちな、温室効果ガス。その代表格のCO2は、実は、ビニールハウス内においての濃度を通常の大気の2.5倍にすることで農作物の収穫量を最大3割も増加させ、品質も向上させるという効果があります。しかしながら、一般に流通しているCO2施肥装置は化石燃料を大量に使用するため、環境への負荷が大きく、装置自体の効率も良いとは言えないのが現状です。
- 化石燃料未使用。CRRAとイノチオアグリが開発する新しい農業用CO2施肥装置
CRRAとイノチオアグリが行う共同研究は、空気中のCO2を回収して必要な場所に効率的に使用することで、環境に負荷をかけずに農作物の生産性向上を目指すものです。
CRRAは、2017年にCO2を直接回収する革新的な装置「ひやっしー」を開発。ボタン1つで誰でも簡単に空気中から二酸化炭素を集められる、家庭用・オフィス用の世界初の装置です。今回開発するのは、この「ひやっしー」を農業用に最適化した、CO2直接空気回収(Direct Air Capture; DAC)のモジュールです。そこにCO2取り出し機能を付け加え、既存のCO2施肥装置に代わる「化石燃料不使用」のモジュールを作っていくことが、両者の研究構想になります。
このモジュールの電源にも化石燃料は使いません。大部分は太陽光で補います。太陽光で補きれない場合は外部の電力を使用することもありますが、現時点の「ひやっしー」でも、使用した外部電力以上にCO2を回収できることが確認されています。
- 農業だけではないCO2直接回収の可能性。美容室、消火器、飲食店にも
このCO2直接回収の仕組みが活用されるのは農業分野だけではありません。
既にCO2は飲食や美容など様々な分野で活用されていますが、空気からCO2を直接回収してサービス展開することは困難であると考えられてきました。また、既存のDACモジュールは、主に広大な土地面積を必要とする超大型と、比較的威力が弱い小型の2サイズでしか展開されていません。
今回共同開発を進める、空気中のCO2を直接回収できる中間サイズのモジュールは、こういった現状に革新をもたらします。このモジュールを応用することで、CO2を利用した化粧品の開発、炭酸飲料の生産、消火器、水槽の炭酸ガスのカートリッジ、タイヤに充填するガスなど、多種多様な用途にCO2を役立てることが出来るようになります。
空気中に増え続けているCO2を味方につけ、様々な分野で活用していくこと。これこそが、2050年の温室効果ガスゼロ目標の達成を実現させる、大きな鍵となるのです。
- イノチオアグリ株式会社について
イノチオアグリ株式会社(イノチオグループ)は、農業用施設・資材などの提供を通じて生産現場と経営者を支援し、グループ企業と連携して総合的な農業サービスに取り組んでいます。
イノチオグループとして2030年までにCO2排出量を27.5%(2019年比)削減する目標を掲げ、化石燃料を30%減らす取り組み(次世代施設園芸)に着手しています。人や環境に配慮した農業の実現、スマート農業などの新たな農業技術の開発・普及などの事業活動とSDGsを連動させた経営を推進することで、持続可能な循環型社会の実現に貢献します。
- CRRAについて
CRRA(シーラ:一般社団法人炭素回収技術研究機構)は、地球温暖化を止める方法から人類の火星移住の実現まで一貫して研究を行う研究機関です。化学者・発明家で現役東大生の村木風海(むらき・かずみ)が機構長を務め、世界最先端の独立した研究開発を行っております。「地球を守り、火星を拓く」をスローガンに、世界に先駆けてCO2直接空気回収(DAC)技術に取り組む他、空気中のCO2から石油を製造する研究、そして人類が火星を開拓する為の研究を推し進めています。
機構長の村木は小学4年生の時より、地球温暖化を止める為の発明と人類の火星移住を実現させる研究を行っており、2017年にはボタン1つで誰でも簡単に空気中から二酸化炭素を集められる家庭用・オフィス用装置「ひやっしー」を開発。企業向けには、業務・製造工程における二酸化炭素排出量を大幅に減らす技術アドバイザリー・顧問契約なども行っています。2019年には「世界を変える30歳未満の日本人30人」として、Forbes Japan 30 UNDER 30 2019 サイエンス部門を受賞しました。2021年1月からは、大手化粧品会社ポーラ・オルビスグループの研究開発部門、ポーラ化成工業株式会社 フロンティアリサーチセンター 特別研究員(サイエンスフェロー)を兼任しています。
- 本件に関するお問い合わせ先
一般社団法人 炭素回収技術研究機構(CRRA)気候危機管理局(C3)広報担当
WEB:https://www.crra.jp/
住所 〒135-0064 東京都江東区青海2丁目7-4 the SOHO 1131
Eメール info@crra.jp
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