リサーチチーム「METACITY」が第25回文化庁メディア芸術祭アート部門 ソーシャル・インパクト賞を受賞

応募総数3,537作品(海外応募:1,660作品 / 94ヵ国・地域) アート部門では日本初受賞

METACITY

ありうる都市を探求するリサーチチーム「METACITY」(事務局:⼀般社団法⼈METACITY推進協議会、所在地:千葉県千葉市)は、慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC)田中浩也研究室と協働で制作した作品 ≪Bio Sculpture≫ で、第25回文化庁メディア芸術祭アート部門 ソーシャル・インパクト賞(文部科学大臣賞)を受賞しました。

▼文化庁メディア芸術祭公式サイト(作品紹介ページ)
https://j-mediaarts.jp/award/single/bio-sculpture/

2022年9月16日から26日に日本科学未来館(東京・お台場)にて受賞作品展が予定されています。受賞作品展の紹介については、後日に文化庁メディア芸術祭公式サイトで公開される予定です。

  • アート部門ソーシャル・インパクト賞について
文化庁メディア芸術祭は、芸術性と創造性をもつ優れたメディア芸術作品を表彰する国際的な祭典となります。アート、エンターテイメント、アニメーション、マンガの4部門があり、25年目となる今年は、3,537作品(海外応募:1,660作品 / 94ヵ国・地域)の応募がありました。

アート部門ソーシャル・インパクト賞は、2020年の第23回から新設されたもので、公式サイトには「社会の中に実装され、メディアテクノロジーのあり方や人々の行動様式などに新たな変化をもたらし、大きな影響を与えた作品に対して贈られます。」と記載されています。

初回の第23回ではアメリカ人アーティストの作品が受賞し、翌年の第24回ではドイツ人アーティストの作品が受賞しました。それらの作品はオーストリアで開催される世界最大のメディアアートの祭典「アルス・エレクトロニカ」でも大賞や優秀賞を受賞するなど世界的に評価された作品でもあります。そして、今年の第25回で≪Bio Sculpture≫が日本人として初めてアート部門ソーシャル・インパクト賞を受賞することができました。
 
  • 作品について
≪Bio Sculpture≫ は、人間が発展させてきた技術や社会システムを自然へと開くことで、人と自然の関係性を塑像する「人新世の社会彫刻」の模索を掲げるプロジェクトであり作品です。

▼Bio Sculpture 公式サイト
https://metacity.jp/projects/bio-sculpture/
 

土や籾殻といった自然素材を組み合わせて出力素材とし、3Dプリンターによってその内部構造を付与することで能力を拡張した「環境マテリアル」を使用します。今作では赤土、黒土、赤玉土、籾殻からなる彫刻を制作し、サンゴ礁の発生アルゴリズムを基に付与された「ひだ構造」が彫刻の表面積を最大化させるとともに、表面に日陰や日向が複雑に入り組んだ微小環境をつくり出します。
この表面には9種の苔が共生するように配されており、温度・湿度・CO2・空気の汚れ等を自律的に調節。デジタル技術によって自然ではありえない環境をつくり出すことがいかなる効果を持つのかを、微生物環境の変動を含めた長期的なセンシングにより明らかにしていきます。時間の経過とともに潜在していた生態系の姿が顕在化してきた時が、本作の真の意味での完成となります。

 

≪Bio Sculpture≫ は、2021年4月29日〜5月9日に北九州市で開催され、世界的キュレーターの南條史生氏がディレクターを務めた「北九州未来創造芸術祭 ART for SDGs」で初展示されました。芸術祭後には作品の一部をパブリックアートとして展示会場の裏庭に移設し、現在も鑑賞可能です。また2021年7月24日〜8月8日に千葉市初の芸術祭の一環で開催された「生態系へのジャックイン展」でも展示され、同様に展覧会後には作品の一部を会場近くの遊休地に移設し、実環境で微生物多様性の影響を分析しています。アート作品として単に展示して完了するのではなく、研究プラットフォームとしても活用し、かつ社会や自然環境に継続的に影響を与えることを意識し制作しています。

 
  • 受賞コメント(METACITY共同代表およびコンセプトデザイナー・社会彫刻家の青木竜太より)
≪Bio Sculpture≫は、人間の便益を追求した技術のあり方ではなく、人間以外の生き物たちに向けた技術、自然生態系に向けた技術の探求をテーマとしている。人間をあえて突き放すからこそ、透過的になっていた目の前にいるその存在を認識し、長い目でみた時に結果として共存共栄することができる。また都市という人間社会にインストールするには、そこに居てもゆるされる、もしくは愛される構造とそれを支える運動が必要になってくる。今回はこれらを一つのカタチに結晶化させることに挑戦した。

第25回アート部門の審査員であり、早稲田大学理工学術院教授・metaPhorest主宰・アーティストの岩崎秀雄氏に「実践的総合知を伴う新たなメディア芸術の展開として意義深い」と評価をいただけたことは、本当にありがたい。今後の展開については、昨年末からプロジェクトの構造含め検討をはじめている。楽しみにしていてほしい。

デジタルファブリケーション分野の門外漢である私の考えを受け入れ、共にコンセプトを練り上げ一緒に活動してくださった田中浩也教授、まだ研究開発途中の3Dプリンタの性能を最大限まで引き出し、作品制作および展示設営に尽力してくれた田中浩也研究室の名倉泰生さん、青山新さん、河井萌さん、知念司泰さん、松木南々花さん、大村まゆ記さん、に心から感謝している。
 
  • 「METACITY」について

「METACITY」は、芸術文化を豊かな未来を創造するために必要な社会インフラとして捉え、従来の都市設計とは異なる考え方で、芸術文化を育み続ける「ありうる都市」を思考実験とプロトタイピングを通して探求するリサーチチームです。2018年から活動を開始し、2020年6月に一般社団法人化。現在、茶の湯のアート集団「The TEA-ROOM」、雑誌「WIRED」、エンジニア集団「Dream On(旧名:CARTIVATOR)」、4Dファブリケーションラボ「田中浩也研究室」、都市研究の研究室「MIT Media Lab City Science Group」とそれぞれ協働プロジェクトを実施し、40名ほどのアーティストや研究者やエンジニアが活動しています。

▼「METACITY」公式WEBサイト
https://metacity.jp
 
  • お問い合わせ先
広報担当:池永(⼀般社団法⼈METACITY推進協議会)
メールアドレス:info@metacity.jp
 

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会社概要

URL
https://metacity.jp
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
千葉県千葉市美浜区若葉3丁目1-18 幕張ベイパーク クロスレジデンス S2-1
電話番号
-
代表者名
土肥武司・青木竜太
上場
未上場
資本金
-
設立
2020年06月