ひとり情シス大学1日コースを名古屋で初開催

中堅中小企業の製造業向け情シス・デジタル人材へのリスキリングを一般社団法人日本能率協会で開催

ひとり情シス協会

2024年12月20日 08時30分

一般社団法人ひとり情シス協会（事務局：清水博、所在地：東京都千代田区二番町）は、一般社団法人日本能率協会（JMA、会長：中村正己、所在地：東京都港区芝公園）とIT人材不足に悩みリスキリングに苦慮する中堅中小企業のひとり情シスや少人数情シス向けに「ひとり情シス大学1日コース」を2025年2月に初めて名古屋地区で新規開催することで合意しました。

中堅中小企業では新型コロナウイルス感染症発生以降、リモートワーク、BCP対策などの対応に迫られ、人材供給不足に対応するためにデジタルトランスフォーメーション（DX）に迫られています。しかし、IT担当者やIT業務を兼務する管理部門の担当者に業務が集中することや、スキル不足で様々な対応に苦慮しています。特に兼務のIT担当者が急増しており、中小企業の75.9%を占めています。しかしながら、何をどこまで自身で対応するのか試行錯誤しています。

「ひとり情シス大学1日コース」は、東京地区では一般社団法人日本能率協会、関西地区では公益社団法人大阪府工業協会と2021年から開催され4年目に入ります。受講後の満足度調査では、88.5％の受講者が「満足」との高い評価を得ています。そして、2025年2月で初めて名古屋地区で開催することになりました。中京圏には、当コースの対象企業である従業員数が20名から299名までの企業が約1.8万社存在します。この機会での御参加のご検討を頂くと幸いです。

ひとり情シスとは？

「ひとり情シス」とは、一人で社内のIT環境や情報システムを管理する担当者のことで、中堅中小企業ではとても多い状況です。一般社団法人ひとり情シス協会の「ひとり情シス実態調査2024」では、従業員100名から499名までの企業では39.6%、従業員20名から99名までの企業では81.3％が情シス担当者が一人以下であるという調査結果が出ています。この結果からもわかるとおり、IT人材不足の問題は中堅中小企業では特に深刻です。

特に、100名以下の中小企業では、昨今のIT化・デジタル化のニーズに対応して専任のひとり情シスが12.2％に増加していますが、他の業務との「兼任ひとり情シス」が69.1%存在しています。いずれも3年未満のIT経験が33.4％でありスキルに不安を感じており、特に兼任ひとり情シスは66.1％の方が業務多忙と答えています。IT人材の採用は現状とても難しく、また、入社しても会社とのカルチャーがマッチせず早期退職するケースも多く、社内の業務やカルチャーを理解している管理部門やその他の部門の担当者を兼務させる傾向も強くなっています。

一般社団法人日本能率協会での開催理由

日本能率協会は、1942年に設立され一貫して日本の企業等の経営上の課題解決の支援を業とする「経営革新の推進機関」で時代の変化を先取りしリスキリングを促してきました。特に2021年度より「DX（デジタル・トランスフォーメーション）の推進支援と人材育成」を重点活動のテーマとして抱えています。日本能率協会が実施している『日本企業の経営課題 2023』では、経営課題の第1位が「人材の強化」（48.9％）であり、「DX 推進に関わる人材が不足している（採用が思うようにできていない）」が 83.1%とDX推進の課題認識をしています。中堅中小企業でのIT・デジタル人材の育成が急務とのことで開講に至りました。

講師・プログラム

講座内容は、一般社団法人ひとり情シス協会が策定した「ひとり情シス大学」初級編カリキュラムを1日コースに編成したものです。講座後のアンケートでは「実例を元にした話で有益でした」「体験談や苦労話が聞けてよかった」「身近な実例中心の話で分かりやすい」など88.5％の受講者に満足いただけました。

ひとり情シスの心構えや経営層とのコミュニケーション方法、トラブル・セキュリティ事故事例、デジタルトランスフォーメーション（DX）などを1日にコンパクトにまとめた内容です。215ページのテキストには講座内容のほぼ全ての内容と、巻末にはひとり情シス・少人数情シスが問題に直面した場合の解決方法のテンプレートが付いており復習し易くなっています。

講師は、一般社団法人ひとり情シス協会認定インストラクターが担当します。情シス経験19年目で、従業員200名の製造業で働く経験豊富な現役ひとり情シスでもある講師が、受講者と同じ目線で講座を行います。

製造業にフォーカスした背景

特に製造業のひとり情シスは、生産設備とのIoTや生産性向上のRPA、CAD/CAMシステムなど、ITやデジタル化の適用範囲が広い傾向にあります。また業務上取引先とデータ交換することも多く、PCからサーバーセキュリティ対策が不可欠です。そのため、5つのカリキュラムの内、1つを製造業にフォーカスした内容にしました。カリキュラムは他業種の方も受講可能です。

受講対象者

主となる受講対象者は、経験３年未満の初級ひとり情シスや基礎から学び直したいひとり情シスの方々です。また、近々にひとり情シスに着任する方、ひとり情シスを支援する二人目候補の方にも適した講座内容です。

・製造業で経験3年未満の初級情シスの方

・500名までの中堅中小企業の少人数情シス

・基礎から学び直したいひとり(少人数)情シスの方

・近々にひとり(少人数)情シスに着任する方

・他部門と情シス業務を兼任される方

・ひとり情シスを支援する二人目候補の方

過去受講者のプロファイル

過去開催の受講者の所属部門は、26%は情報システム部門ですが、管理部門系が66%と増加しています。

総務・管理部門　　　31.5％

情報システム部門　　25.7％

経営管理部門　　　　23.4％

経理・財務部門　　　10.8%

参加企業の従業員規模は、7割が300名以下の企業です。

49名以下 17.3%

50～99名　　　　 37.7％

100～199名　　　 8.6％

200～299名　　　 8.1％

300～499名　　　9.5％

500名以上　　　　18.9％

開催概要

日時　　2025年02月07日（金） 10:00 ～ 17:00

主催　　一般社団法人日本能率協会

会場　　AP名古屋

　　　　名古屋市中村区名駅4-10-25 名駅IMAIビル

講師　　一般社団法人ひとり情シス協会認定インストラクター

　　　　増山大輔（従業員200名の製造業の現役ひとり情シス）

費用　　１名につき会員企業の方39,600円、会員以外の44,000円

　　　　講座テキストが含まれます。

備考　　アンケートをお答え頂いた方には非売品同人誌『ひとり情シス列伝』を配布

講座プログラム

1. 多岐にわたるひとり情シス担当者の仕事

① ひとり情シスとは？

② ひとり情シス実態調査

③ ひとり情シスの仕事の範囲

④ ひとり情シスのタイプ

2. これだけは理解しておきたい基礎知識

① 最低限知っておくべきIT知識 - クラウド、セキュリティ、デジタルトランスフォーメーション

② 勉強方法／情報収集方法

③ IT化の段階、IT費用の適正値

3. ひとり情シスの心得と必要なスキル

① ITインフラ構築・運用スキル - 現状認識・環境構築／セキュリティ対策／資産・ドキュメント管理／バックアップ／PC購入と端末設定

② 計画・運営スキル - リテラシー向上／最適なパートナー発掘／ベンダーマネジメント

③ 人的コミュニケーションスキルA - 経営層とのコミュニケーション／ユーザー部門との関係構築現状認識・環境構築

4. 現場で頻出のトラブルシューティング

① 様々な事例の紹介と対応策や失敗談

・パソコン関係トラブル – できないよ！どうなっているの！

・ネットワークトラブル – 繋がらないよ！はやくして！

・ベンダーとのトラブル – 打合せと成果物が違う！

・ITプロジェクトのトラブル - プロジェクトが進まない！

② セキュリティ事件と背景 - ランサムウェアによる被害／マルウェア／情報漏洩／サプライチェーンリスク

③ 予算別セキュリティ対策 - 何をどこまでやるべきなのか段階的に説明

5. 製造業の情シス担当者ならではの悩み

① コミュニケーション上の注意（なぜなぜ分析）

② RPAの使いどころ

③ AI技術の変化を知る

④ IoTの現実 - 言葉と幻想

⑤ 製造業の要諦 - 生産管理システムについて

⑥ 老朽化した基幹システムへの対応

⑦ ひとり情シスの仕事にどう向き合うか？

※プログラム変更される場合があります。あらかじめご了承ください。

講師概要

一般社団法人ひとり情シス協会認定インストラクター　増山大輔　氏

大学機械学部卒業後、計測器メーカー入社。改革推進室に配属され、業務改善チームでさまざまなプロジェクトに参画。その後、現在の従業員200名の中小製造業企業へ転職、ひとり情シスとしてホームページから基幹システムまでを内製で対応、リモートワーク構築やクラウド環境構築も行う。現在は、RPAやAIなどのプロジェクトをリードしている。2020年より、ひとり情シスの支援活動を開始。