分注・攪拌作業をロボットで自動化する 「Lab Auto」を開発
東京大学市橋伯一教授の研究における進化実験自動化のために導入
北九州⾼専発ロボットスタートアップ、キックロボティクス株式会社(本社:福岡県北九州市⼩倉北区、代表取締役:滝本隆)は、分注・攪拌作業をロボットで自動化する「Lab Auto」を開発しました。本装置は、今年度に東京大学市橋伯一教授の研究における進化実験自動化のために導入されました。その他大学・⾼専や研究機関等での活用を想定しています。
医療や理化学分野の実験では、試料を分注・攪拌する作業が人の手によって行われています。この作業は単調でとても負担のかかる作業です。試料の入れ忘れや分量ミス、攪拌忘れ、反応時間の測定ミスなどの人的ミスにより、試料の廃棄や実験のやり直しが必要になることもあります。毎日行う作業であるため、作業者の拘束時間が長くなったり、休日や夜間の作業が発生したりする場合もあります。
Lab Autoは、分注・攪拌作業をロボットで自動化することで、人的ミスや作業者負担を軽減します。東京大学に導入される装置は、3系列の進化実験を4日間連続で稼働させることが可能です。キックロボティクスのもつロボットハンド技術で、きめ細やかな分注・攪拌作業をロボットに代替させています。
*本装置における、分注とはピペットで試料となる液体を一定容量吐出することです。攪拌とは、ホモジナイザによって試料をかき混ぜ乳化(エマルションを生成)させることです。
Lab Autoの特徴
・人の作業に代わり、ロボットが分注・攪拌を自動で行います。
・1 度の準備と開始操作により、4日間連続で夜間・休日も休むことなく実験できます。
・タッチパネルでの操作、実験の進捗状況の確認が直感的で簡単です。
・人協働ロボットを採用しており、ケース内で動作するので安全です。
Lab Autoの構成
・ロボット
人協働ロボットとグリッパの組合せで構成し、爪・指先は専用設計しています。
・自動分注・撹拌ユニット
ピペットと電動シリンダを組合せて、自動分注を行います。攪拌時はホモジナイザを自動
運転します。
・インキュベータ
⾼温・低温インキュベータを配置しています。試料反応時は⾼温インキュベータへ試験管
を設置します。それ以外の時には低温インキュベータに試験管を設置しておくことで、試
料の反応を停止させます。
・操作用タッチパネル
各種設定や運転停止操作が可能です。また、実験の進捗状況や各機器の異常等の監視もで
きます。
Lab Autoの動作の流れ
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事前準備と運転開始
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分注
-
攪拌
-
反応
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冷却(反応停止)
1.事前準備と運転開始
試料の入った試験管をインキュベータに設置し、操作画面で実験範囲や各種設定を行います。これらの準備は人手が必要ですが、一度運転開始すれば、設定範囲の実験が終わるまで自動で動作します。
2.分注
インキュベータに設置してある試験管をロボットで把持し、ピペット位置まで移動します。電動シリンダを動作させ、ピペットで試料を吸入・吐出することで、自動分注を行います。
3.攪拌
分注が完了した試験管をホモジナイザの位置へ移動し、事前に設定した攪拌時間分、ホモジナイザで自動攪拌を行います。
4.反応
攪拌が完了した試験管を⾼温インキュベータに設置し、5時間のタイマカウントを開始します。
5.冷却(反応停止)
5時間のタイマが0になったら、低温インキュベータに試験管を移動させ、反応を停止させます。
上記2から5までの動作を繰り返し行い、進化実験3系列×20セット分の実験を自動で行うことが可能です。
会社概要
KiQ Robotics株式会社(キックロボティクス)
本社所在地:福岡県北九州市小倉北区浅野1-3-1
代表取締役CEO:滝本隆
設立:2019年4月25日
Mission:すべての人が幸福に働ける社会をつくる
つらい単純作業から人々を解放し創造的な仕事に取り組む人々の幸せに貢献します。
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- 電子部品・半導体・電気機器化学
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