スペインのスパークリングワイン・カバ（CAVA）2021年1～9月出荷数発表 前年比16.45％増　コロナ前の業績まで回復見込み

カバ原産地呼称統制委員会（本部：スペイン、会長：ハビエル・パジェス）は現地時間12月15日、2021年1月から9月までの出荷本数が1億7,000万本に到達し、前年比16.45%増であったことを発表しました。これは2019年同期比の記録をも上回っていることから、2021年は年間でコロナ前の2019年と同等の業績まで回復する見込みです。

カバは、瓶内で二次発酵を行う伝統製法を用いて製造された、スペインの高品質のスパークリングワインです。
※CAVA分類は下記【カバについて】を参照ください。

今回成長が顕著だったのが、上位ランクであるスペリオールクラスの売上成長率です。今年9月までの時点で、カバ・レセルバが特に顕著で、昨年同期比34.73％増（1,900万本以上）、カバ・グラン・レセルバは42.11％増（230万本）となりました。カバ・デ・グアルダも14.4％増（1億4,680万本）となりました。　主要10カ国の国外市場はいずれも売上が減少したところはなく、コロナ後の売上が順調に回復しています。成長傾向はコロナによる規制の緩和と並行して続くと期待されており、カバの売上は継続的かつ飛躍的に回復を遂げることになることが見込まれます。

ハビエル・パジェス会長は今回の結果を受け、「D.O.カバは、厳しい状況を乗り越えて、高品質で土地に根ざした、熟成度の高い製品に決意をもって立ち向かうダイナミズムをもち、禍にも立ち向かうことができる業界である」とコメントしています。

【業績詳細】
カバの売上は、9月30日までの時点で2019年同月末の記録を超えて、ボトル数1億7,000万本に到達し、前年度比16.45％増となりました。なお、2019年9月末までには1億6,380万本、2020年の同月末までには1億4,600万本が出荷されました。ここ12ヶ月間の出荷数は3.36％増となります。

今回成長が顕著だったのが、上位ランクであるスペリオールクラスの売上成長率です。今年9月までの時点で、カバ・レセルバが特に顕著で、昨年同期比34.73％増（1,900万本以上）、カバ・グラン・レセルバは42.11％増（230万本）となりました。カバ・デ・グアルダも14.4％増となり、2020年の同時期に比べて1,800万本多い1億4,680万本となりました。

スペイン国内・国外市場いずれも出荷数は全体的に成長し、カバの輸出は3分の2以上の割合を占めています。国内市場では21.5％増加し3,470万本に達しました。国外市場の業績も同じ傾向にあり、今年9月末までの時点で15％増の1億2,030万本となりました。

マーケット別で成長が目立つのは、カバにとって国外最大マーケットであるドイツ（11.87％増の2,030万本に達し、前年比2％増で、2019年度と近似の値）です。しかし、特に成長が際立つのはカバにとって第二国外マーケットである米国で、62.91％増です。国外市場トップ10のマーケットでも成長は顕著で、オランダ22.32％増、ロシア44.79％増、カナダ28.28％増となります。2021年9月末までの時点で主要10カ国の国外市場はいずれも売上が減少したところはなく、パンデミック後の売上が順調に回復しています。

日本でも人気が高く、2019年は年間844万本が日本へ輸出され、輸出先国トップ５に入ります。2021年9月末までのデータで、すでに847万本と、パンデミック前の売上を超える見通しです。（2019年は796万本）

■参考資料
【ワイナリーコメント】
この発表は、最上位ランク「カバ・デ・グアルダ・スーペリオル・デ・パラヘ・カリフィカード」のカバを生産する特選ワイナリー立ち会いのもと行われました。
コドルニウ（Codorniu）のワイン醸造学責任者、ブルノ・コロメル氏は、「統制委員会は、長年にわたり我々が培ってきたものを世界中に紹介してくれており、我々と非常に良い関係にあります」と明言しました。
また、2021年に4つの生産地を明確にした新しい規則が適用されましたが、それについて、ビンス・アル・セップ（Vins el Cep）のCEO、マイテ・エステバ氏は、「カバが表すもの、そして表す必要があるものをわかったうえで、皆が将来へ目を向けられるようによく考えられている」と、その功績を称賛しています。ビンス・ファミリア・フェレル（Vins Família Ferrer）のCEOジョゼップ・マリア・フェレル氏も、「最も厳正な規制の一つであり、カバの品質と将来を保証するものである」と述べました。
アルタ・アレリャ（Alta Alella）の社長、ジョゼップ・マリア・プジョル-ブスケッツ氏は、「カバ・デ・グアルダ・スペリオ-ル・デ・パラヘ・カリフィカードによって、D.O. カバのチームはカバの世界において、パラヘ・カリフィカードという差別化された表現を可能にする魔法の要素を導入した」と力説した。ジュベ＆カンプス（Juvé & Camps）社長、ジョアン・ジュベ氏も、カバ・デ・グアルダ・スペリオ-ル・デ・パラヘ・カリフィカードの概念を称賛し、「我々の土地が忠実に反映されるカバにとって、大きなマイルストーンとなる」とコメントしました。
ペラ・ベントゥラ（Pere Ventura）のCEO、ペラ・ベントゥラ氏は、「今日、統制委員会は私たちのものに重要性を与えるための道筋を続けており、それを誇りに思う」と話を締めくくりました。

（左から順に：ペップ・ベントゥラ氏、ブルノ・コロメル氏、ジョゼップ・マリア・プジョル-ブスケッツ氏、ハビエル・パジェス会長、マイテ・エステバ氏、ジョゼップ・マリア・フェレル氏、ジョアン・ジュベ氏）

【カバについて】
カバは、スペインの決められた４つの生産地でつくられる、高品質の原産地呼称制度「カバ」のスパークリングワインです。ボトル内でアルコールを二次発酵させる伝統的製法は、他にはみられない特徴を有しています。

カバは、スペインの原産地（コムタッツ・デ・バルセロナ、バリェ・デル・エブロ、ビニェド・デ・アルメンドラレッホ、レバンテ地域）において生産されています。カバは大きく２つの型に分けられ、カバ・デ・グアルダ（9カ月間以上）、および上位のスペリオールクラスがあります。上位クラスは、カバ・レセルバ（18カ月以上）、カバ・グラン・レセルバ（30カ月以上）、カバ・デ・パラヘ・カリフィカード（36カ月以上）から構成されます。このようにカバに様々なタイプがあることで、世界中の様々な料理に完璧に合います。

赤枠内の上位のスペリオールクラスのカバは、2025年より100%オーガニックになります。

【カバ原産地呼称統制委員会とは】
カバ原産地呼称統制委員会は、スペイン農業水産食糧省の分権化された組織であり、ワインメーカー、生産者、及びカバ（生産）地域の自治州と省の両方の代表者で構成されています。カバ原産地呼称統制委員会は、カバの品質を保護、保証し、規制仕様に準拠する責任があります。ワイン生産地、生産方法、分析および特性を証明するために適切な公的機関から委任された監視機関です。生産、取り扱い、分類、準備、加工、保存、包装、保管、ラベリング、プレゼンテーション、輸送といったワイン製造のプロセスの管理に徹底して取り組んでいます。
URL: www.cava.wine/jp

【原産地呼称「D.O.CAVA」の起源、土地、持続可能性への取り組み】
カバは海外売上が60%を占め、スペインで最も輸出されている原産地呼称ワインです。38,000ヘクタール以上のブドウ園と6,800以上のワイン生産者から構成されています。その370のワイナリーは100カ国以上に輸出しています。美食と幅広く調和するカバは、起源、土地、持続可能性に厳格に取り組んだ伝統的な方法でつくられています。

【読者からのお問い合わせ】
カバ原産地呼称統制委員会 日本代表エージェント：株式会社　新東通信内
E-MAIL：[e-mail]