Logomix、三者共同研究を開始
ゲノム大規模改変オルガノイド技術で個別化医療プラットフォーム開発へ
株式会社Logomix(本社:東京都文京区、代表取締役:石倉大樹、以下「Logomix」)は、この度、国立大学法人大阪大学(総長:熊ノ郷 淳、以下「大阪大学」)および国立大学法人東京科学大学(理事長:大竹 尚登、以下「東京科学大学」)と三者による共同研究を開始しました。本研究は、薬剤性肝障害(iDILI)や薬剤性過敏症候群(DIHS)といった重篤な副作用、ならびに自己免疫性肝炎(AIH)といった特定の遺伝的背景が関連する難病の発症を予見し、個別化医療の実現を目指すものです。
医薬品は私たちの健康に不可欠なものですが、一部の患者では、特定の薬剤が重篤な副作用を引き起こすことがあります。また、自己免疫疾患も特定の遺伝的背景を持つ個人に発症することが知られています。近年、特に、iDILI、AIH、DIHSは、特定の遺伝的背景(HLAハプロタイプ)を持つ個人に高頻度で認められる難病であることが示唆されており、その発症機序の解明と、発症を回避するための新しいスクリーニング技術の確立が喫緊の課題となっています。
本共同研究では、ゲノム大規模改変技術と、iPS細胞から作製されるヒト臓器モデルである「オルガノイド」を組み合わせた革新的なアプローチを採用します。これにより、特定の遺伝的背景を持つ患者の臓器を試験管内で精密に再現し、薬剤に対する反応や免疫細胞の応答を高精度で評価するスクリーニングプラットフォームを開発します。
本共同研究は、旧東京工業大学と旧東京医科歯科大学の統合によって生まれた東京科学大学が、そのシナジーを最大限に発揮し、学術界と産業界の壁を越えた新しい連携モデルを構築する好事例です。
<研究者コメント>
武部 貴則 教授(大阪大学大学院医学系研究科/東京科学大学 総合研究院)
「我々のヒトオルガノイド技術とLogomix社の技術を組み合わせることで、これまで動物モデルでは再現が困難だったヒト特有の難病のメカニズムを解明する、画期的なスクリーニング技術を確立します。本技術を通じて、薬剤性や免疫性の疾患に苦しむ患者様へ新たな治療の選択肢を届けるための研究を加速させてまいります。」
相澤 康則 准教授(東京科学大学 生命理工学院/Logomix CSO)
「最先端の細胞エンジニアリング技術を持つLogomix社にとって、武部教授のオルガノイドの専門性は不可欠です。本共同研究を通じて、安全性と有効性を両立させた医薬品開発に貢献できることを心から期待しています。旧東京工業大学で創出された技術が、難病の克服に役立つことを願っています。」
【Logomixについて】
Logomixは、「Maximize the potential of cells by our cellular system engineering」をミッションに掲げ、ヒト幹細胞など様々な生物種の細胞機能を効率よく設計・改変する細胞エンジニアリング企業です。相澤康則博士(東京科学大学(旧東京工業大学)生命理工学院・准教授)の研究グループが培ってきた生命設計図(ゲノム)を自在に大規模改変する基盤技術によって、地球規模の課題解決と産業の発展に貢献することを目的として2019年に設立しました。
社名: 株式会社Logomix
設立: 2019年7月
本社所在地: 東京都文京区向丘2-3-10
代表取締役: 相澤 康則、石倉 大樹
URL: https://logomix.bio/
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