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特定非営利活動法人 バイオ計測技術コンソーシアム
会社概要

マイクロフルイディクス用材料の国際標準化を後押しする総説論文が発行されました。

特定非営利活動法人 バイオ計測技術コンソーシアム

2024年8月23日
各位

団体名    特定非営利活動法人バイオ計測技術コンソーシアム

代表者名   会長 的場 亮 (株式会社DNAチップ研究所)

問合せ先   事務局 (Tel: 03-6261-1947)

マイクロフルイディクス用材料の国際標準化を後押しする総説論文が発行されました。

マイクロフルイディクスデバイス(Microfluidics Devices)は、樹脂基盤等を加工し、細かな流路を構築したデバイスです。診断や物質生産等さまざまな用途に用いられますが、最近特に注目されているのは、デバイス中に細胞や組織を搭載し、生体に近い環境を再構築したMPS (Microphysiological System; 生体模倣システム)と呼ばれるシステムへの応用です。このシステムは、低分子化合物だけでなく、抗体医薬も含めた様々な種類の医薬品開発において、毒性・安全性試験や有効性の試験への応用や、食品や環境における有害物質の検出に用いることが検討されています。

2018年に米国環境保護庁(Environmental Protection Agency:EPA)が、哺乳動物を使用する研究の実施及び同研究への助成支給を、2035年までに廃止することを発表し、2022年末に成立したFDA近代化法2.0(FDA Modernization Act 2.0)とよばれる米国の法律には、医薬品開発において臨床治験に入る前の試験である前臨床試験にMPSを含む動物実験以外の試験が含まれることが明示されました。これらの背景からMPSは動物実験に変わる評価手法として、動物愛護の観点や、iPS細胞等の技術を用いて作製されたヒト細胞を使って、実際にヒトに投与した場合に近い結果が得られる観点から、今後その利用が拡大することが期待され、注目されています。MPSが医薬品などの規制に採用されれば、2027年までに509億3,463万ドル(約70兆円)、2022年から2027年までの平均成長率は17.5%とも予想されております(注2)。JMACでは、このMPSを構築するためのmicrofluidicsデバイスの材料について、目的に合わせて適切に選択するための指標を示す国際標準の開発を進めております。

※1 Global Microfluidics Market (2022-2027), Mordor Intelligence (2021)

JMACは、国内のバイオテクノロジー関連技術を擁するメーカー企業により構成された業界団体です。特に材料技術や加工技術に秀でた企業が会員として参画しており、今回の標準化においても、MP4MPS (http://mf4mps.net)という分科会を組織し、草案作成を進めております。

国際標準提案には、世界各国からできるだけ多くの国の賛成が必要であり、現在その仲間作りの活動を進めているところです。仲間集めのためには、提案の内容が科学的根拠に基づくものであるということを会議で示す必要がありますが、諸外国、特に米国では、標準化提案に先立って、ピアレビューのある雑誌に論文発表を行い、その内容を提案の科学的な裏付け示す根拠に使うことがあります。しかし我が国では、論文作成に時間がかかるなどの理由から、これまでこのような戦略が取られていませんでした。今回、MPSの標準化に関わる国内のメンバーが集結し、提案内容を含むMPSの標準化にフォーカスした論文投稿を実施し、アクセプトされ、出版されました(正式な出版日時は2024年8月9日)。第1著者は、筑波大学・伊藤弓弦先生であり、JMACの会員企業が著者として論文執筆に関わった他、最終著者は、JMAC研究部長・中江裕樹となっております。

この総説は国際標準化提案を強くサポートする内容となっていることから、この秋に予定されている、国際標準化機関ISOの会議においても、我が国の提案を推し進める原動力の一つとしてアピールすることができるようになりました。

JMACは日本のバイオテクノロジー産業の活性化をめざし、必要な社会基盤のひとつである標準化活動に力を入れています。今回もこの総説の出版を弾みとして、日本の産業に役立つ標準化を加速していく予定です。

注1:論文詳細

タイトル:「ヒトの生理を模倣した微小環境を実現する生体模倣システム-マイクロフルイディクスに応用される機能材料とその標準化」(Microphysiological systems for realizing microenvironment that mimics human physiology—functional material and its standardization applied to microfluidics)

書誌事項:Ito, Y., Kawauchi, I., Yanagita, Y. et al. Microphysiological systems for realizing microenvironment that mimics human physiology—functional material and its standardization applied to microfluidics. emergent mater. (2024). https://doi.org/10.1007/s42247-024-00822-x

論文のURL (オープンアクセス)

https://link.springer.com/article/10.1007/s42247-024-00822-x?utm_source=rct_congratemailt&utm_medium=email&utm_campaign=oa_20240820&utm_content=10.1007/s42247-024-00822-x

 

注2:マイクロフルイディクスに関する標準化および今回出版された総説については、経産省事業「令和5年度国際ルール形成・市場創造型標準化推進事業費 (戦略的国際標準化加速事業:産業基盤分野に係る国際標準開発活動)、及びAMED再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業(再生医療技術を応用した高度な創薬支援ツール技術開発)の「製品化戦略に基づいた、国産 MPS による創薬プラットフォームの実証研究」(課題番号:JP22be1004101)」の支援を受けています。

  

【本件に関するお問い合わせ先】

  特定非営利活動法人バイオ計測技術コンソーシアム

  事務局 中江・川島

  Tel: 03-6261-1947

  

 特定非営利活動法人バイオ計測技術コンソーシアム

「バイオ計測技術コンソーシアム(JMAC:Japan bio Measurement & Analysis Consortium)」は、マイクロアレイ等のバイオチップ関連の産業促進・市場創出を目的とし、「バイオチップコンソーシアム」として2007年10月19日に設立され、2008年10月には東京都の認可を受けて特定非営利活動法人となったバイオテクノロジー産業分野の業界団体です。2013年にはバイオチップに関する国際標準ISO 16578の発行を達成し、その後、バイオチップ以外にも広くバイオテクノロジー関連の産業化活動の推進を行っていくため、2018年10月に「バイオ計測技術コンソーシアム」と名称変更し、主に標準化活動を行っています。

バイオテクノロジー関連技術は飛躍的に発展を成し遂げ、今日では有用な研究ツールとして、大学等の研究機関や製薬・食品企業等の研究所にて広く利用されるに至っています。しかしながら、精度測定、サンプル前処理、データ解析・判定、試薬管理などの方法および手順の確立をはじめとする関連技術の標準化がなされていないため、研究利用よりもはるかに大きな市場規模が想定される産業利用が十分になされていません。

一方で、世界各国においてはバイオテクノロジー関連技術の標準化活動が活発に行われており、市場のグローバル化が進む昨今、我が国の産業界もこれらの影響を看過できなくなってきています。

我が国でも、産業界が中心となって、バイオテクノロジー関連技術の産業化に向けた標準化を検討し、欧州や米国をはじめとする国外団体との国際協調を図り、標準化を推進していくことで、バイオテクノロジー関連技術の市場を創生していけるものと期待しています。

また特許や推奨基準などの勉強会を開催するなど、バイオテクノロジー関連技術に関する参加企業が情報を持ち寄って交流し、産業化に向けた課題が導かれ解決されていくことが、バイオテクノロジー関連技術の産業化を促進していくと考えております。

以上の趣旨の下で、バイオテクノロジー関連技術の標準化を通じて、産業化促進、および市場創生を行うことを目的として、当コンソーシアムは設立・運営されています。

当コンソーシアムに関する詳細な情報は、https://www.jmac.or.jpをご覧ください。


以上


 

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種類
調査レポート
ビジネスカテゴリ
化学
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会社概要

URL
https://www.jmac.or.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都千代田区麹町2-4-10 三誠堂ビル6階
電話番号
03-6261-1947
代表者名
信正 均
上場
未上場
資本金
-
設立
2008年10月