一般社団法人 国際文化都市整備機構(FIACS)が「文化施設のコンセッション研究」に関する報告書を公開
(一社)国際文化都市整備機構は、文化庁の協力を得て「文化施設のコンセッション研究」に関する報告書を作成しました。現在FIACS公式サイト(https://www.fiacs.jp)にて公開しています。
近年「文化施設のコンセッション」に関する機運が高まっていますが、ホール利用料の値上げや、博物館の一角に店舗を導入するなど、断片的な施策に留まっているのが実情では無いでしょうか。
FIACSでは、文化庁の協力を得ながら、大阪公立大学の橋爪紳也教授のアドバイスのもと、大阪城公園などの他事例研究や、地方自治体の博物館や文化センターなどの具体的な事例によるケーススタディを踏まえて、「文化サードプレイス」などのコンセプトを提示しています。
具体的には、下記の三施策の「三位一体運営」を提案しています。
1.提案主旨
① 地力づくり
従来の「貸しスペース」スタンスだけでなく、顧客データの活用や集合知によるコンテンツ作りなどの自主事業を通じて、文化施設のファンづくりを提案します。
② 多彩な文化体験の提供
孤立立地で特定目的施設になりがちな文化施設を、街との繋がりや他機能とのコラボなどによって、ライト層の気軽な利用を促し、間口を広げる提案です。
③ 企業活動への価値提供
SDGs や健康経営など非財務指標での評価の比率が高まる企業活動に対して、組織活力や社会力を高める活動機会を提供し、その対価を得る提案です。
このような施策運営を通じて、文化施設の活性化や運営改善はもちろんのこと、地元市民や企業との日常的な連携を促し、シビックプライドの醸成につながると考えます。
さらに本研究では、より幅広いステイクホルダーを巻き込むために、周辺街区を含めたエリア価値の向上を図る「文化都心マネジメント」についても提案しています。
「文化施設」を中心にして、「文化」に関する「エコシステム」と「社会実装」とを両立させる仕組みづくりで、文化施設は「文化都心マネジメントの中核施設(=街のハートプレイス)」として位置付けられます。
2.検討フレーム
また自治体とのケーススタディのプロセスを経て、自治体側のコンセッションの推進主体についての認識が薄い点や、目指すべきゴールに対応した制約緩和の必要性などについても整理しました。
文化施設のコンセッションを実現するために、自治体側が活用条件を整えるとともに、民間企業側にも、その意義と可能性の認識が広がる事を期待します。
将来的には、文化施設を中心とした街づくりが、「地域のDNA」に磨きをかけ、地方都市においても、市民だけでなくインバウンド対応を通じて、世界集客に貢献できると確信します。
■一般社団法人「国際文化都市整備機構(FIACS)」
都市・街づくりに関する研究・提言組織。「ソフト&ハード整備の視点」と「グレーター東京(広域東京圏)の視点」での街づくりの推進を目指して、大手ディベロッパー、設計事務所やソフト・コンテンツ企業30数社及び学識者が共同で研究活動をしています。
理事長
水野誠一 Mizuno Seiichi
株式会社インスティテュート・オブ・マーケティング・アーキテクチュア(IMA)代表取締役、リプロジェクト・パートナーズ代表取締役会長。一般社団法人日本文化デザインフォーラム理事長。
慶應義塾大学経済学部卒業。株式会社西武百貨店社長、慶應義塾大学総合政策学部特別招聘教授を経て、参議院議員、米国ネットスケープ・コミュニケーションズ社顧問、Francfranc、オリコン、森ビルなど複数の企業の役職を歴任。日本リトアニア友好協会会長。共著に「Beyondコロナの都市づくり」(https://www.amazon.co.jp/dp/4901783874) 都市出版刊がある。
■問い合わせ : 株式会社エナジーラボ
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松岡一久 TEL 03-4567-6161
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