【小豆島で海洋ごみの洋上回収に成功】漁師網を使った回収装置4号機が海洋ごみの洋上回収に成功。漂流ごみ回収と発生抑制システム展開を目指し、5号機開発と海洋ごみ問題を身近に感じてもらうキャンペーンを開始
深刻化する海洋ごみ問題とNPO法人クリーンオーシャンアンサンブルの挑戦
【経緯・要点】 ◆ 約75%の海洋ごみが海上や海底に放置されており、回収量を上げると同時に流出量を減らす具体的な取り組みが求められている。 ◆ 回収装置4号機の改善点を取り入れた回収装置5号機開発を支援する寄付キャンペーンと一般市民を対象にした啓発イベント「海のお掃除アンサンブル〜夏の特別編〜」の募集を開始 |
2050年までに魚よりも海洋ごみ量が多くなると予測。世界中で同時多発的に半永久的に分解されないプラスチックの流出量が増えている。
世界の経済発展の裏側で、目に見えない形で汚染が広まっているのが海洋ごみ問題です。
輸送・梱包・保存等様々な分野で活躍するプラスチックの利便性は経済発展に欠かせない存在となりました。世界の年間プラスチック総生産量は約4億トンに迫っており、約4億トン中の最低800万トンが海に流出しています。これは、総生産量の約2%が流出している計算になります。
世界の年間プラスチック総生産量は2040年までには倍になると予測されており、このままの状態を続けると2050年には魚よりも海洋ごみの量が多くなると予測されています。
プラスチックが海洋中の汚染物質を吸着し、人間を含む食物連鎖の汚染拡大。
推定経済損失は年間約13億ドル以上。
約75%の海洋ごみが海上や海底に放置されており、回収量を上げると同時に流出量を減らす具体的な取り組みが求められている。
一度海に流出したプラスチックは波と紫外線の影響で時間と共に砕け、細かくなりますが、分解されずプラスチックのまま海を漂い続けます。
海中を漂っている有害物質のDDTやPCBがプラスチックに付着し、それを生物が取り込むことで人間を含む食物連鎖が汚染されています。
漁業・養殖業を含むブルーエコノミーや観光業等で年間経済損失は約13億ドル以上と推定されています。
海洋ごみの約80%が陸から川を経て流出していることから、世界の経済発展とのバランスを考慮しながら、陸のプラスチック総生産量を可能な限り減らし、川からの流出を堰き止め流出量を減らし、既に流出してしまった海洋ごみの回収量を増やすことが求められています。
海洋ごみは海岸漂着ごみ・漂流ごみ・海底堆積ごみと3種類に分類できます。
海岸漂着ごみは世界的にビーチクリーン活動が行われ、回収の取り組みが進んでいる一方で、全体の約75%と推定されている漂流ごみと海底堆積ごみは回収困難なため、回収の取り組みが進んでいません。
この現状を打破するために、小豆島の漁師と共に海上に放置されている海洋ごみ回収ができる装置と発生から漂流・漂着までの調査スキーム開発に挑戦しています。
装置と調査スキームは回数を重ねる毎に改善を重ね、3回の失敗を経て、今回の4回目の実証実験で約1.5kgの海洋ごみの洋上回収に成功しました。
海洋アドバイザーである内海漁業協同組合の森組合長、
サーフライダーファウンデーションジャパン( https://www.surfrider.jp/ )、
インフルエンサーで社会活動家の竹中さん( https://www.instagram.com/takenakashun/ )、
若手映画監督の簾さん( https://www.instagram.com/s.hayato.mg/ )
と協働し回収装置の実証実験を開始しました。
実証実験開始の様子は動画で発信しました( https://www.instagram.com/p/CtOe2_QNQVG/ )。
多くの人に支えられ、無事20日の実証実験を完了することができ、約1.5kgの海洋ごみの洋上回収に成功することができました。
4号機の実証実験の様子は以下の動画でご覧いただけます。
4号機の成功要因
・夏と冬の季節風の変化により、設置ポイントのごみ漂流量増加。
・設置ポイントの変更により、海洋ごみが流れてくるルート上に設置。
・3号機よりも角度を鋭角に変えたことにより、真ん中の回収ポケットへ海洋ごみが流れる動線確保。
4号機の課題
・今回、ごみ以外の浮遊物も多く回収しました。例えば、海藻、流木、クラゲです(魚の回収はありませんでした)。自然物とごみの割合は8:2ほどで自然物の方が多かったです。可能な限り海洋ごみのみを回収できるような装置を目指していきます。
・回収量が少ないので回収量を増やせるように、設計改善と環境条件を引き続き調査して行きます。
・他の場所でも展開可能な回収装置にするために、設置条件・回収条件・環境条件を引き続き調査していきます。
・装置性能と設置作業量のコストパフォーマンスの最大化の改善を引き続き行っていきます。
2020年の設立以来、海洋ごみ問題解決のために挑戦するNPOとして、回収装置4号機の改善点を取り入れた回収装置5号機開発を支援する寄付キャンペーンと一般市民を対象にした啓発イベント「海のお掃除アンサンブル〜夏の特別編〜」の募集を開始します。
5号機開発を支援する寄付申込ページ:https://cleanoceanensemble.com/donate/
海のお掃除アンサンブル〜夏の特別編〜 申込フォーム:https://forms.gle/a7gv8RPN2NrWmrRW9
プロジェクト内容
~回収装置5号機開発&「海のお掃除アンサンブル〜夏の特別編〜」の実施~
①回収装置4号機の改善点を取り入れた回収装置5号機の開発
海洋ごみ回収装置4号機の改善点を取り入れた5号機の設計・製作を7月中に実施します。4号機の課題である自然物の捕獲量を減らし、海洋プラ捕獲量を増やすために海面から下に垂らす網の長さを短く調整します。また、回収ポケットの最後部を巾着型にすることで回収した海洋ごみを取り出しやすいような設計にします。その他の修正点は随時、回収措置と調査スキームに取り入れ、コスト・作業量を減らし、回収量を増やせるように修正を繰り返します。 |
②海洋ごみ問題を身近に感じてもらう啓発イベント「海のお掃除アンサンブル〜夏の特別編〜」
海洋ごみ問題を身近に感じる啓発イベントを7月17日(月)の海の日に実施します。毎月行っている小豆島でのビーチクリーンイベントに加え、代表江川によるトークイベントとクリアンメンバーとの交流会になります。海ごみの話と困難な課題へ挑戦する理由や何を考えてどう動いてきたか等、普段できない話を聞ける貴重な機会となっています。 |
3,000円の支援で海洋ごみ問題を身近に感じてもらうクリアンセットを配布
~支援者への御礼として啓発イベント参加無料券&ビーチクリーン活動で使えるクリアンTシャツ2023年版をプレゼント~
今回の回収装置5号機開発&「海のお掃除アンサンブル〜夏の特別編〜」プロジェクトでは、1口3,000円より支援を受付しており、海洋ごみ問題を身近に感じてもらうクリアンセット(啓発イベント参加無料券&クリアンTシャツ2023年版)を希望される支援者全員にプレゼントいたします。
※3,000円の支援は寄付申込ページからクレジットカードもしくは銀行振込で受け付けております。
※「海のお掃除アンサンブル〜夏の特別編〜」での参加無料券を利用される方は、7/16日までに寄付申込ページで3,000円以上の寄付後、グーグルフォームの参加動機欄に、参加無料券を利用する旨ご記載ください。
※クリアンTシャツ2023年版のプレゼント希望の支援者方は、寄付申込ページで3,000円以上の寄付後、
info@cleanoceanensemble.com まで住所・氏名・電話番号・Tシャツのサイズ明記の上メールでご連絡ください。内容確認次第、郵送いたします。
世界中の海で海洋ごみによる海洋汚染が広がっています。深刻化している海洋ごみ問題の現状を一人でも多くの方に知っていただき、全ての人が海の恩恵を受け続けられるように、経験豊富な世代と若い世代が協力して海洋ごみ問題を改善できるような活動に取り組みます。皆様からのご協力とご支援をお願いいたします。
5号機開発を支援する寄付申込ページ:https://cleanoceanensemble.com/donate/
海のお掃除アンサンブル〜夏の特別編〜 申込フォーム:https://forms.gle/a7gv8RPN2NrWmrRW9
地元漁師の声
森勝喜(内海漁業協同組合組合長)
「昔の海に戻ってほしい」
そう語るのは50年間地元の海を見てきた森勝喜組合長です。
森組合長は、昔に比べたら取れる魚の量が10分の1になり、海も汚れたと感じています。
海洋ごみによる海洋汚染が少しでも改善することを願い、NPO法人クリーンオーシャンアンサンブルの活動にご協力いただいています。
組織概要
・名称:NPO法人クリーンオーシャンアンサンブル
(NGO Clean Ocean Ensemble)
・住所: 東京都千代田区平河町1-6-15 USビル 8F
・設立:2020年12月
・代表理事:江川 裕基
・主な活動国:日本、モザンビーク
・公式サイト:https://cleanoceanensemble.com/
団体の名前は、Clean(綺麗な)Ocean(海を)Ensemble(より多くの人と一緒に)というメッセージを込めています。
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