国内初*頼る人のいない妊婦が安心して過ごせるリトリートコースを用意した、リトリートホーム『実のり』をオープン
*国内初とは、2023年5月時点、自社調べ。妊婦向けに、授かった命と向かい合う目的に特化したリトリートコースを用意した無償の宿泊場所として。
ライフバトンは、年間出生数約80万人に対して年間中絶件数約12万件以上という国内の現状と、背後にある思いがけない妊娠をした女性達の抱えがちな、家族やパートナーとの関係や経済的・心理的な課題に対応するために、2021年9月に法人格を取得し、電話・メール・SNS・対面・オンライン、様々な方法での相談窓口を開設しました。初年度で延べ約100名からの相談を受け、「生理が遅れてる、これってもしかして妊娠?」という内容から、妊娠初期、中期と、様々なタイミング・内容に対応してきました。そんな中で一つ見えてきたこととして、思いがけない妊娠が発覚して病院に行くと、週数が進んでいる場合は特に、産むか?産まないか?早めに決断する必要があると言われ、ご両親や周りの人に頼るのが困難な場合はなおさら混乱状態でどうして良いかわからない… という状況が少なくないとわかってきました。妊娠週数が進むにつれて身体への影響や出産費用も変化していくため、病院としてもリスクを考慮して早めの決断を促さざるを得ませんが、その決断の大きさを考えると、焦燥感・混乱・不安に時として押し潰されそうになってしまうのは想像にかたくありません。
また、中絶経験者へのグリーフケアカウンセリングも行う中で、中絶をした経験による悲しみ、罪悪感を拭いされず辛い思いをしている女性も多いと体感しています。中絶経験者の多くは、その時は最善の選択をしたと感じて決断しますが、それでも命との決別は、その後の心にも影響を及ぼしていることに気づくといいます。ケースによっては50年前の中絶経験の苦しみを訴えての相談もあることから、中絶は命との決別をするだけではなく、その女性の人生全体への問いかけとアイデンティティにも大きく関わることがうかがえます。最善の決断と思える中に、急がなければならなかった状況や十分に相談を受けることができなかったた事情も見え隠れします。
相談窓口として、そうした声に精一杯対応はしてきたものの、もう一歩踏み込んだ対応の必要性を感じるようになりました。そこで、そうした焦り・不安とは正反対の場所、日常から離れてゆったり滞在できる部屋を用意し、安心・リラックスした状態で、自分自身と授かった命を見つめる時間を持つことができ、お茶を飲んだり、散歩をしたり、状況に応じて助産師に相談もできる、そんな場所ができたらと考えました。一例ではありますが、一泊二日で宿泊する場合のちょっとしたコースも用意しています。妊産婦が無料で宿泊できる場所は都内に存在しますが、授かった命と向き合う目的に特化したリトリートのコースを用意するのは国内でも初となります。
試験運用期間にご利用いただいた方からは、普段の生活から場所を移すことで、自分自身の気持ちや周囲の人達との関係・お金・仕事・住居・医療機関や公共の福祉との関わり方など、複雑に絡み合ったことを整理する時間になったとの声がありました。今回のリトリートコースにおいても、そのような心の整理をする場にもなればと思っています。
ライフバトンの運営する東京都郊外の妊産婦向けホームは、入居者のプライバシー保護と、安心して過ごせることを最大限に配慮していることから、宿泊場所については非公開としていますが、利用者には問い合わせに応じて個別に案内しています。お問い合わせは現在の相談窓口同様に、都内近郊に限らず全国から承っています。
専門家からは、「これまで国内で、行き場を失った妊産婦向けの施設等はあったが、帰る所はあっても授かった命についてゆっくり考えたいというニーズに答えて“リトリートのコース”まで用意している場所はなかった」といった声もいただいています。
ドイツでは中絶する前に「妊娠葛藤相談所」で専門家の相談を受けることが法律で定められていますが、国内でそうした取り組みが進むことの一つのキッカケとして用いられることを願っています。
NPO法人ライフバトン
相談窓口:080-6233-8100
電話相談受付:月曜~土曜14:00~24:00
lifebaton21@gmail.com(24時間受付)
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