【長野県:SUWA×文楽】聖地・諏訪で文楽の人気演目『本朝廿四孝 奥庭狐火の段』、10月公演決定!宿泊ツアーも実施
恋する八重垣姫が凍った諏訪湖を駆け抜ける一大スペクタクル!諏訪が舞台の人形浄瑠璃文楽『本朝廿四孝 奥庭狐火の段』が2023年10月10日(火)、11日(水)、岡谷市・照光寺にて上演!
昨年、諏訪大社由来の寺院の仏像などが一斉公開される「諏訪神仏プロジェクト」の関連イベントとして諏訪大社と諏訪湖にゆかりある人形浄瑠璃文楽の演目『本朝廿四孝 奥庭狐火の段』が岡谷市・照光寺にて初上演され大きな話題となりました。大反響を受けて、今年も10月10日(火)、11日(水)に照光寺にて公演が決定しました。
『本朝廿四孝』は越後の上杉(⻑尾)謙信と甲斐の武田信玄の宿命の対決として名高い川中島の合戦を描いた作品で、全5段の中でも特に人気が高いのが謙信の娘・八重垣姫の情熱的な恋を描いた『奥庭狐火の段』です。この舞台となるのが長野県諏訪地域。武田家の⻑男、勝頼に恋した姫が「諏訪法性の兜(すわほっしょうのかぶと)」の霊力に助けられ、凍った諏訪湖を翔け抜ける奇想天外な魅力にあふれる演目です。
本公演は日本を代表する伝統芸能である人形浄瑠璃文楽の世界に触れながら、諏訪地域の独特な歴史や文化を多くの人たちに知っていただきたいという思いで企画されました。特に地域の子供たちに郷土への誇りを感じてもらう機会となることを目指しており、今年は本公演に加え、諏訪清陵高等学校付属中学校にて中学生240名を対象に特別公演を実施します。
公演に先立ち、文楽座人形遣いで八重垣姫の主遣い(おもづかい)を担当する吉田勘彌氏が、中学校で上演する『伊達娘恋緋鹿子 火の見櫓の段』の八百屋お七の人形を披露し、公演への思いを語りました。
「舞台となる諏訪の地で八重垣姫の主遣いを担えるのは特別です。諏訪湖のパワーをいただける気がします。また、会場の照光寺には、物語のもうひとりの登場人物、武田勝頼の念持仏と言われる秘仏・千手観音像があり、深いご縁を感じます。また、今回は中学生に本当に良いものを見ていただきたく、
伝統的な手仕事による絞りと藍染、茜染による衣裳の再現プロジェクトから生まれた江戸時代の本物の京鹿の子絞り衣裳を用意しました。これをきっかけに文楽に興味を持っていただき、後継者育成につながれば嬉しいです。」
一般チケットは9月1日から販売を開始します。また、公演前のゲネプロを見学できる鑑賞券付きの宿泊ツアーも発売中です。サブプログラムとして、地域の伝統芸能、御諏訪太鼓の演奏や声明、文楽の解説と体験、諏訪湖の御神渡り神事を司る八剣神社・宮坂清宮司と吉田勘彌氏らによる特別対談も実施します。物語の舞台となる場所で『本朝廿四孝 奥庭狐火の段』をぜひお楽しみください。
■ SUWA×文楽 2023
『本朝廿四孝 奥庭狐火の段』公演概要
【開催日時】
◎2023年10月10日(火) 開場:17:00 / 開演:18:00
◎2023年10月11日(水) 開場:17:00 / 開演:18:00
【会場】照光寺光明閣 (長野県岡谷市本町2-6-43)
【公演内容】
◎人形浄瑠璃文楽『本朝廿四孝 奥庭狐火の段』公演
◎ワークショップ(人形の説明、実際に動かす体験)
◎声明(仏教音楽) 10日
◎御諏訪太鼓 11日
◎特別対談
10日 鶴澤清志郎
吉田簑之
八剱神社宮司・宮坂清
11日 文楽座人形遣い・吉田勘彌
八剱神社宮司・宮坂清
【技芸員】
豊竹芳穂太夫 義太夫
鶴澤清志郎 三味線
鶴澤清允 三味線
吉田勘彌 人形(八重垣姫主遣い)
吉田簑太郎 人形
桐竹勘次郎 人形
桐竹勘介 人形
吉田簑之 人形
桐竹勘昇 人形
豊松清之助 人形
■一般チケット販売
【販売開始】9月1日(金)午前9時〜
【料金】 一般 5,000円 全席自由
【販売場所】
◎オンライン
◎照光寺/ぎん月/笠原書店(直接購入)
【問合せ】:0266-22-2314(照光寺)
■鑑賞券付き宿泊ツアー <発売中>
特別席で鑑賞「本朝廿四孝」と「SUWA×文楽」特別体験2日間
下諏訪町観光振興局ホームページ
https://shimosuwaonsen.jp/experience/12557/
人形遣い吉田勘彌氏の思いから再現された江戸時代の本物の京鹿の子絞り衣裳
文楽や歌舞伎などに登場する町娘の衣裳として、京鹿の子絞りの麻の葉柄の振袖が使われます。近年はその文様をプリントで再現していましたが、吉田勘彌さんの「本物の絞りの衣裳をぜひ見たい」という思いから、伝統的な手仕事による絞りと江戸本来の藍染、茜染による衣裳の再現プロジェクトがスタート。幻の日本茜を栽培している「美し山の草木舎」の貴重な染料、「京絞り寺田」の絞り職人による超絶なる絞り技術、「草木工房」主催で草木染め研究家の山﨑和樹さんの染色により、美術品ともいえる貴重な衣裳が再現されました。文楽でこの京鹿の子絞りの麻の葉柄の衣裳を着る町娘たちは『妹背山婦女庭訓』のお三輪、そして、今回、諏訪清陵高等学校附属中学校で上演される『伊達娘恋緋鹿子 火の見櫓の段』の八百屋お七です。この貴重な衣装と人形は、『本朝廿四孝 奥庭狐火の段』の公演でも披露される予定です。
◎『本朝廿四孝』について
『本朝廿四孝』は近松半二ほかの合作で、初演は明和3年(1766年)に大坂竹本座にて行われた人形浄瑠璃の演目です。越後の上杉(長尾)謙信と甲斐の武田信玄の宿命の対決として名高い川中島の合戦を描いた中でも決定版とも言える作品で、近松門左衛門の『信州川中島合戦』など先行作を踏まえながらも、奇想天外な構想を盛り込んで独自の世界観を作り上げています。全5段の中でも特に人気が高いのが謙信の娘・八重垣姫の情熱的な恋を描いた『奥庭狐火の段』。この舞台となるのが当地・諏訪です。
◎『奥庭狐火の段』ストーリー
戦国時代、上杉(長尾)謙信と武田信玄が激しく対立する中、長尾家の八重垣姫は両家和睦のために、武田家の長男、勝頼と婚約しました。ところが、長尾家は武田家の家宝の「諏訪法性の兜(かぶと)」を借りたまま返さないので、勝頼は兜をとりもどすために別の人物に変装して長尾家にもぐりこみます。その正体を見破った謙信は、勝頼を塩尻に使いに出し、途中で暗殺しようと企てます。父の計画に気付いた八重垣姫は、勝頼に危険を知らせようとしますが、諏訪湖が凍っていて船が出せません。そこで八重垣姫が「諏訪法性の兜」を手に持つと、諏訪大明神が遣わした狐の加護で、氷が張った湖を渡り、勝頼に風雲急を知らせるのでした。「翅(つばさ)が欲しい、羽が欲しい、飛んで行きたい、知らせたい、逢いたい見たい」の有名な台詞に込められた八重垣姫の一途な恋心に心を奪われます。
◎照光寺の秘仏「千手観音」と『本朝廿四孝』
会場となる照光寺(岡谷市、真言宗智山派)は、かつて諏訪大明神と呼ばれた仏像「千手観音像(秘仏)」を所有する寺院です。諏訪大明神は『本朝廿四孝』においても重要な役割を果たし、その仏としての姿である千手観音像は、武田勝頼の念持仏としても知られている仏像です。明治の廃仏毀釈により下社神宮寺千手堂より照光寺に移されました。千手観音は平安時代後期の作とされ、全長は3寸程と小ぶり、細部の彫刻や截金紋様は繊細で秀逸な作りと言われており、60年に一度ご開帳されます。人形浄瑠璃文楽の八重垣姫と武田勝頼由来の秘仏が出会う照光寺での文楽公演は、地域の歴史や文化を学ぶまたとない機会です。
【主催】一般社団法人大昔調査会
【共催】諏訪神仏プロジェクト協議会/照光寺檀徒総代会
【後援】諏訪地方観光連盟 / 笠原書店 / 信州しもすわ温泉ぎん月
【企画協力】TINTt株式会社
【支援】信州アーツカウンシル(一般財団法人長野県文化振興事業団)
令和5年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業
SUWA×文楽2023ホームページ
https://sites.google.com/view/suwa-bunraku
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像