1000人あたりの不登校児童生徒数は宮城県が再び全国1位に~宮城県石巻市の民間フリースクール「ぽはっく」の取り組み~
2023年10月31日に文部科学省から全国の不登校に関するデータが発表され、不登校児童生徒数は過去最多に。そんななか、全国で不登校の割合が一番高い宮城県のフリースクールが行う取り組みを紹介します。
■不登校児童生徒数が過去最多に-地域での支援がますます重要に
近年、日本の小・中学校における『不登校』(※1)児童生徒数が急増しています。
10月31日に文部科学省が発表した2023年度の不登校児童生徒数が前年度比で47,434人(15.9%)増加し、小中学生だけで346,482人に達しました。
不登校児童生徒数が過去最多に達し、地域での支援がますます重要になっていることが示されています。
これは、児童生徒1000人当たりの不登校児童生徒数で37.2人に相当し、特に中学校では、児童生徒1000人たり67.1人という深刻な状況が報告されています。
不登校の増加は、子どもたちが抱える心の負担や、社会全体で子どもに対するサポートの必要性を浮き彫りにしています。
※1:30日以上休むと『不登校』の枠に入り、そのうち55%が90日以上休んでいます
■宮城県の1000人あたりの不登校児童生徒数が再び全国1位に-宮城県石巻市の不登校の現状
宮城県でも過去最多を記録した前年度より1,652人増え、7,840人となりました。
1000人あたりの不登校児童生徒数は46.7人と全国平均を大きく上回り、4年ぶりに全国の都道府県で最も多くなっています。
また、私たちが活動を行っている石巻市は、例年宮城県の1000人あたりの不登校児童生徒数の数値を上回っており、今回の数値も気になるところです。
2022年度の石巻市では不登校児童生徒401人のうち、学校外で支援を受けている児童生徒は58名と少なく、7人のうち6人は支援を受けられていない状況です。
(データ引用元:https://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/20101000/9001/shiryou2.pdf)
不登校児童生徒の増加に伴い、支援を受けられていない子どもも多く残されている現状が明らかになっています。
■不登校の子どもたちの現状 - エネルギーを使い果たした“空っぽ”の状態
文部科学省の調査によると、不登校の主な理由は”学校生活に対してやる気が出ない”が最多です。
日々の学校生活におけるストレスやプレッシャー、周囲との人間関係に悩むうちに、少しずつ心のエネルギーが消耗され、やがて子どもの心が“空っぽ”の状態になってしまいます。
そうして限界を迎え、学校も含め日常生活に対してやる気が起きない状態になり、初めて”学校に行かない”選択をする子どもも多くいます。
この状態では、将来について考える余裕すらなく、ただ一日一日を過ごすことが精一杯です。
しかし同時に、先の見えない不安も積もり、ますます動きづらくなってしまいます。
■フリースクール「ぽはっく」が大切にしている3つの柱
私たちが宮城県石巻市で運営するフリースクール「ぽはっく」では、このような子どもたちが安心して過ごすことで心のエネルギーを充電できる居場所の提供を目的としています。
ここでは、子どもの学校復帰ではなく、将来的な社会的自立を目指し、子どものペースで心を癒し、自信を取り戻す支援が行われています。
「ぽはっく」では、不登校の子どもたちの支援において以下の3つの要素を大切にしています。
1.心の休憩
「ぽはっく」は、ゆっくりと心の疲れを癒す時間と空間を提供しています。
まるで家にいるかのような家庭的な雰囲気の一軒家で、子どもたちはリラックスして過ごすことができます。
静かに本を読んだり、趣味に没頭したりと、自分のペースで過ごすことで「安心感」が生まれ、心のエネルギーが少しずつ回復していきます。
2.自ら育つ力
「ぽはっく」では、子ども自身の「やってみたい」という気持ちを尊重し、その主体性を育むサポートを行っています。
例えば、家庭菜園やDIYプロジェクト、料理教室など、手を動かしながら自信を育てる活動が充実しています。
これにより子どもたちは自己肯定感を養い、少しずつ自分を肯定する力を身につけていきます。
3.人との出会い
子どもたちが自分の世界を広げられるよう、地域の多様な人々と出会う機会を積極的に提供しています。
地元のボランティアや地域団体と連携し、さまざまな価値観や生き方に触れることで、社会性や自我が形成されていきます。
多様な大人と交流することで、将来の自立へのヒントを得られるようになります。
■地域で支える子どもの未来-私たちにできること
私たちが10年以上不登校の子どもと関わり、子どもから教えてもらったことは「課題は“教育”だけにない」ことです。
そこには、家庭環境や親子の関係性、発達など“福祉”に関わるケースも多数あります。
どれもが複雑な理由で、 “教育”の視点だけでなく“福祉”も視野にいれ、家庭や学校、地域、行政など、様々な立場の視点から連携して子どもをサポートする必要があります。
だからこそ、「ぽはっく」のようなフリースクールが担う役割は、単に子どもたちの「居場所」を提供することにとどまりません。子どもたちが安心して過ごし、少しずつ未来に向かう力を身につけられるように、地域社会全体で支援を広げていくことが求められます。
フリースクール「ぽはっく」では、これからも子どもや保護者、地域と共に歩み、温かい見守りとサポートによって、学校という枠組みにとらわれない「自分らしい」成長を支援していきます。
▼寄付のお願い
私たちの活動はあなたの寄付に支えられています。子どもたちの「いま」と「これから」をわたしたちと一緒に支えませんか?毎月300円から支援ができる継続サポーターを大募集しています!
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■認定NPO法人「こども∞感ぱにー」について
認定NPO法人こども∞感ぱにー(こどぱにー)は、居場所・あそび場づくりを通して困難な状況にある子どもたちの支援を行うNPOです。
宮城県石巻市でプレーパーク事業とフリースクール事業の2つを軸に、子どもが安心して過ごせる居場所づくりをする団体です。
地域の人とともに子どもを見守り、子どもの育ちを応援し、すべての子どもの個性と心の安全を保障するために活動を続けます。
※こども∞感ぱにーは、2021年6月4日付で、宮城県の認定を受けた「認定NPO法人」です。認定NPO法人とは、活動内容が適正であるとして各自治体から認定をうけた団体のことを指し、認定NPO法人へご寄付は税控除の対象となります。
【住所】宮城県石巻市鹿妻南2-1-7
【代表者】代表理事 田中 雅子
【HP】https://codopany.org/
【フリースクールについて】
https://codopany.org/freeschool/
【寄付について】
https://codopany.org/support/
【お問合せ】
電話:070-2436-8517(9:30~18:00)
Mail:info@codopany.org
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