ユーロモニター、2023年の世界TOP100都市デスティネーションを発表

Euromonitor International Limited

• 東京が初のトップ10入り、4位まで順位を上げる
• 首位はパリ、ドバイ2位、マドリッド3位と続く
• 欧州の都市が上位10都市中7都市を、上位100都市中63都市を占める

【英国、ロンドン】 国際的な市場調査会社であるユーロモニターインターナショナル(以下、当社)は、この度「Top 100 City Destinations Index 2023(2023年トップ100都市デスティネーション・インデックス)」レポートを発表しました。


同レポートは、世界の100都市を観光に関する6つの主要分野(経済・ビジネスの実績、観光パフォーマンス、観光政策と魅力度、観光インフラ、衛生・安全、持続可能性)を、合計55の指標を用いて比較し、観光都市としての魅力を総合評価したものです。同レポートによると、2023年、世界で最も魅力的な観光都市であると評価されたのは、2021年、2022年に続きパリでした。


トップ10中7都市が欧州の都市

毎年発行される同レポートの2023年版は、データ会社であるライトハウス社の協力のもと発行されました。今年のランキングでは、上位トップ10のうち7つまでが欧州の都市でした(残りの3都市はドバイ、東京そしてニューヨーク)。


パリは2021年、2022年に引き続き、世界1位の観光都市の座を守り、2位はドバイ、3位はマドリッドでした。東京は2022年の20位から4位まで一気に順位を上げ、5位にはアムステルダムが入りました。


 2023年 都市デスティネーション・インデックス上位20都市(カッコ内は2022年の順位)

1.   パリ(1)

2.   ドバイ(2)

3.   マドリッド(4)

4.   東京(20)

5.   アムステルダム(3)

6.   ベルリン(8)

7.   ローマ(5)

8.   ニューヨーク(10)

9.   バルセロナ(9)

10.     ロンドン(6)

11.     シンガポール(15)

12.     ミュンヘン(7)

13.     ミラノ(12)

14.     ソウル(26)

15.     ダブリン(18)

16.     大阪(42)

17.     香港(36)

18.     ウィーン(16)

19.     ロサンゼルス(14)

20.     リスボン(13)


東京、大阪をはじめとする日本の主要都市(京都27位、札幌58位、福岡61位)の躍進の背景には、日本国内における新型コロナウイルス関連規制の緩和に加え、2022年以来続いている円安によって、日本が外国人観光客にとって一層魅力的な旅行先となっていることがあります。

欧州の都市はトップ20中12都市、トップ10中63都市を占めるなど同地域の優位が目立ちますが、その背景には同地域で急速に進む都市化とテクノロジーの浸透があります。


また、今年の上位100都市の中にはワシントンDC、モントリオール、サンティアゴ、 アルマトゥイそしてヴィリニュスの5都市が初めてランクインしました。今年もランクインした都市の大半が先進国の都市でした。


2023年、力強く回復した海外旅行

2023年、海外旅行は力強い回復を続けました。渡航数は38%の増加を見せ、同年末までに13億回に達すると予測されています。


同年、旅行・観光業界にとって重要な節目となったのは、中国政府による旅行制限の解禁に伴う同国からの海外旅行の再開でした。2023年、世界の観光支出は1兆7,000億米ドルに達する見込みです。


今日の世界の旅行者は、旅行先に対して高速インターネット、柔軟な予約オプションそして快適にリモートワークができるような環境を求めています。世界の観光都市は自らの競争力を高めるべく、破壊的技術を使用した強力なデジタルトランスフォーメーションの構築、持続可能性および社会的インパクトの向上、そして交通網を整備することで観光サービスを改善し、シームレスなカスタマージャーニーを提供するために日々取り組んでいます。


2023年のトップ100都市デスティネーション・インデックスの発表にあたり、ユーロモニターのサービス&ペイメント産業調査チームでシニアプロジェクトマネージャーを務めるナデジャ・ポポバは、2023年そして来年以降の世界の旅行観光業の動向について、次のように述べています。


「2024年そして2025年の旅行業界の成長にとって、最大の課題となると予想されるのは、消費マインドの悪化を誘う生活費の上昇とインフレだ。特に世界的な景気後退が進むのであればなおさらである。また、あらゆる地政学的な不確実性は、旅行業界にとってのリスクである。


消費者は旅行を計画する際、自分が支払う金額に見合う価値のある旅行を期待するだろう。旅行支出とは消費者の裁量支出によるものが多い。そのため、自分の居住国がある地域内の旅行需要が高まるのではないか。また、旅行者は、サステナブルな観光に加え、オーセンティックなローカル体験を引き続き求めていくだろう。


サステナブルな観光は、世界の主要都市にとって、依然として重要かつ発展的なテーマである。観光都市たちは、再生可能エネルギーの活用、グリーン建設、リサイクルプログラムの開始、排出ガスを出さない交通機関への投資など、持続可能性を高めるためにさまざまな手段を講じている。」



また、ポポバは、観光都市が直面しているオーバーツーリズムの問題についても、次のように述べています。


「旅行・観光業が新型コロナウイルス危機から立ち直る一方で、オーバーツーリズムの課題が都市、地域社会や環境に影響をもたらしていることも事実だ。


都市の中には、観光客数を制限したり、文化遺産を保護するための規制の設置、課税強化、またホテルの収容人数を減らしたりしている。また、代替地や人里離れた観光地を促進するような、分散戦略を採用している都市もある。


オーバーツーリズムは諸刃の剣である。我々は、マス消費のような観光よりも、責任ある高品質な観光を促進し、観光地の環境と地域住民のためも、持続可能な観光業を実践することの大切さを考えるべきである。」


2023年トップ100都市デスティネーション・インデックスについてより詳しい情報をお知りになりたい方は、info-japan@euromonitor.com までお問い合わせください。


– ENDS –


ユーロモニターインターナショナルについて

ユーロモニターインターナショナル(https://www.euromonitor.com/our-story/about-us/tokyo)は、ビジネスインテリジェンス、市場分析、消費者インサイトを提供する世界有数の情報プロバイダー企業です。都市圏からグローバル市場までカバーし、戦術的(Tactical)かつ戦略的(Strategic)である当社の調査ソリューションは、いつ、どこで、どのようにビジネスを成長させるべきか、お客様が意思決定をするためにお役立て頂けます。当社は、市場レポートやデータベース、あるいはお客様のニーズに合わせて完全カスタマイズしたコンサルティング調査をもって、お客様の事業における優先順位の見極めや仮説の見直し、そして潜在的なビジネス機会の発見をするためのお手伝いをしています。世界16都市にオフィスを構え、100か国以上にアナリストを配置し、最新のデータ分析技術と世界市場に見られる様々なトレンド・成長要因に関する市場調査をもって、お客様の世界市場に対する理解が深まるようサポートします。

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会社概要

Euromonitor International Limited

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業種
情報通信
本社所在地
東京都港区虎ノ門城山トラストタワー36階
電話番号
-
代表者名
鈴木健太郎
上場
未上場
資本金
-
設立
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