【用水路転落地点の地図化は岡山市で初の取り組み】ノートルダム清心女子大学人文地理学教室で用水路転落防止リーフレットを作成し地域に配付
岡山市における用水路転落事故の地理情報システムを活用した可視化と転落防止の啓発活動を実践
概要
現代社会学科⼈⽂地理学教室では、2015年に岡⼭県の⾃転⾞やオートバイを運転中の転落死者数が全国ワースト1位になり、その後も転落死亡事故が継続して報告されていることを問題視し、学⽣3名と教員1名が、地理情報システム(GIS)を活⽤した実態調査に取り組みました。
転落に関する属性を含めたビックデータから、1.症状の重さ別地図、2.世代別の地図、3.時間帯別の地図を作成し、⾝近な地域の転落地点を可視化しました。その調査結果をまとめ、「岡⼭市における⽤⽔路転落防⽌リーフレット」を作成しました。
本件のポイント
1.岡⼭県では2015年に⾃転⾞やオートバイを運転中の転落死者数は全国ワースト1位
2.地域の⽅々の⽤⽔路転落防⽌の啓発、関⼼につながることを⽬的としたプロジェクト
3.地理情報システム(GIS)を活⽤し、転落場所と重症度、時間帯等の転落事故の実態を可視化
4.Googleマップに転落地点と重症度、時間帯等の属性のポイントを載せ、リーフレットの二次元バーコードを読み取ることにより、地域住民が地図から身近な地域の転落状況を見ることが可能
5.包括連携協定を締結している岡⼭市の消防局警防部救急課の救急搬送データ(2017年から2021年までの5年間、583件)を活⽤
6.用水路転落地点を地図化して、一般に地図を示したものは岡山市ではじめて。(岡山市道路港湾管理課による)
この活動には岡山市の学生イノベーションチャレンジ推進プロジェクト(令和5年度)の補助金の一部を利用しました。
実践した学生の声
この活動を通して、用水路転落事故は私たちにとって非常に身近な問題として意識する必要があると学びました。実際に転落地点に行くと、一見安全そうに見える場所もいくつかあったので、油断することはできないと感じ、転落防止啓発活動の重要性を学びました。高齢者だけでなく多様な年齢層の方が多様な要因で転落しているため、作成したリーフレットなどを対策の一つに役立ててもらえると嬉しく思います。
担当教員 森 泰三教授
現在取り組んでいる研究内容
都市郊外における買物困難地域の析出と地域的特性の考察に取り組んでいます。都市が郊外化する時期に、未開発であった丘陵地に住宅が建設されましたが、高齢化による自動車の運転が困難になること、まちの衰退化でバスなどの公共交通機関の便数が少なくなったり、既存の商店が閉店したりすることなどにより、今後大量の都市郊外住民の買物困難者が予想されます。この課題に関して、交通や消費に関する必要かつ適正なサービスのあり方を考えています。
本件に関してのお問い合わせ先
ノートルダム清心女子大学
文学部現代社会学科
教授 森 泰三(人文地理学)
TEL:086(252)3160
E-mail:tmori@m.ndsu.ac.jp
参考
▶【用水路転落地点の地図化は岡山市で初の取り組み】人文地理学教室で用水路転落防止リーフレットを作成し地域に配付
▶フィールドワーク「用水路転落事故の実態とGISによる可視化で転落防止の啓発」 |現代社会学科|地域学コース(人文地理学)|森泰三教授
【ノートルダム清心女子大学】
ノートルダム清心女子大学は、19世紀初頭、子女教育に専念する目的をもって、フランスで創立されたカトリックの教育修道会、ナミュール・ノートルダム修道女会(Sisters of Notre Dame de Namur)を設立母体としています。
【文学部 現代社会学科】
文学部現代社会学科は、社会学と歴史学(社会史)を柱としたアプローチで、今という時代を複眼的かつ批判的に見つめ直す力を育てます。3年次から「社会学コース」・「歴史学コース」・「地域学コース」のいずれかのコースに所属し、ゼミに分かれて深く研究していきます。
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