第12回「野村胡堂文学賞」受賞作は武内涼さんの『厳島』(新潮社)に決定
第12回「野村胡堂文学賞」は武内涼さんの『厳島』(新潮社)に決定
2024年11月11日 授賞式
一般社団法人日本作家クラブ(竹内博理事長)主催(協賛・株式会社ファミリーマート)の第12回「野村胡堂文学賞」の受賞作品は、武内涼さんの『厳島』(新潮社)に決定しました。
受賞者の武内涼さんは、1978(昭和53)年、群馬県生れ。早稲田大学第一文学部卒。映画、テレビ番組の制作に携わった後、第17回日本ホラー小説大賞の最終候補作となった原稿を改稿した『忍びの森』で2011(平成23)年にデビュー。2015年『妖草師』シリーズが徳間文庫大賞を受賞。2022(令和4)年『阿修羅草紙』で第24回大藪春彦賞受賞。他に『戦都の陰陽師』シリーズ、『忍び道』シリーズ、『謀聖 尼子経久伝』シリーズ、『駒姫―三条河原異聞―』『敗れども負けず』『東遊記』などの著作があります。
◆「野村胡堂文学賞」について
野村胡堂は、その生涯の中で、特に江戸の下町を舞台に“目明かし”が活躍する国民文学、捕物小説の一大傑作である『銭形平次捕物控』を著し、戦前・戦後を通じて庶民、大衆を勇気づけてきました。「日本作家クラブ」は、その野村胡堂が初代会長となって設立された「捕物作家クラブ」を前身とする団体で、「野村胡堂文学賞」は、同クラブが 野村胡堂を顕彰する目的で2013(平成25)年に設立しました。毎年、野村胡堂に匹敵するような時代・歴史小説1作品を選出し、受賞作家には正賞(万年筆)と副賞(賞金)を授与しその栄誉を讃えることとしています。
受賞作決定の公表日10月15日は、野村胡堂(1882-1963)の誕生日で、本賞(野村胡堂文学賞)は毎年この日を公表日としています。
なお、本年の授賞式は11月11日(月)午後4時より神田明神内の明神会館にて執り行います。
※選考会は10月4日に日本工業倶楽部で開催され、文芸評論家の郷原宏氏(委員長)、作家で第3回野村胡堂文学賞受賞者の鳴神響一氏、当クラブの竹内博理事長の三名の選考委員による合議によって決定しました。
〇参考:「野村胡堂文学賞」歴代受賞者
◆第1回 平成25年10月15日
小中陽太郎「翔べよ源内」 平原社
◆第2回 平成26年10月30日
塚本靑史「サテライト三国志(上・下巻)」 日経BP社
◆第3回 平成27年10月2日
鳴神響一「私が愛したサムライの娘」 角川春樹事務所
◆第4回 平成28年10月2日
吉川永青「闘鬼斎藤一」 NHK出版
◆第5回 平成29年10月6日
熊谷敬太郎「吼えよ江戸象」 NHK出版
◆第6回 平成30年 7月3日
秋山香乃 「龍が哭く」 PHP研究所
◆第7回 令和元年 7月4日
木下昌輝 「絵金、闇を塗る」 集英社
◆第8回 令和2年 7月1日
今村翔吾 「八本目の槍」 新潮社
◆第9回 令和3年 10月15日
砂原浩太朗 「高瀬庄左衛門御留書」 講談社
◆第10回 令和4年 10月15日
蝉谷めぐ実 「おんなの女房」 KADOKAWA
◆第11回 令和5年10月15日
天野純希「猛き朝日」中央公論新社
◆「日本作家クラブ」とは
日本作家クラブは、創作活動に携わる者たちの職能的な結合体として、広く文化や芸術の振興および会員相互の自己啓発と親睦を図ることを目的に1949年に設立された団体です。初代会長は野村胡堂。草創期の会員には江戸川乱歩、海音寺潮五郎、横溝正史、山手樹一郎、山岡荘八、吉川英治らの錚々たる文豪が名を連ねました。当クラブでは作家の意味を、広い意味での表現者および表現を志す人と捉えています。こうした会員による表現の場として1994年に同人雑誌『文芸』を創刊(年1回刊行、通巻27号)。2013年からは顕彰事業に着手して「野村胡堂文学賞」、2015年に「あらえびす文化賞」を創設。2019年に創立70周年記念事業を展開、今日に至っています。
【「野村胡堂文学賞」授賞式概要】
開催日時:2024年11月11日 16:00~
開催場所:神田明神(東京都千代田区外神田2丁目16-2)
主催:日本作家クラブ
連絡窓口:日本作家クラブ事務局 電話03-6478-7668
本件担当:藤橋 和浩
メール info@sakkaclub.or.jp
【会社概要】
社名:一般社団法人 日本作家クラブ
本社所在地:〒170-0003東京都豊島区駒込1‒42‒2‒203
理事長:竹内博
事業内容:日本の文学、文化に対する振興を目的に、個人の活動に対しての顕彰を行う。また作家家や文化人の親睦団体としての機能もある。
設立:1949年