東京都立産業技術大学院大学 板倉研究室の地域振興プロジェクト! 板倉研究室の学生が進める、地域の資源を宝に変える「樽スティック」プロジェクトとは?

東京都檜原村で活動する大学院生たちのプロジェクト成果。2025年11月29日(土)には第4回檜原森の生き方フォーラムで成果を発表

AIIT 都立産技大ISA

地域振興、地域マネジメントを研究の核とする東京都立産業技術大学院大学(略称:AIIT、本部:東京都品川区) 板倉研究室(教授:板倉宏昭)では8年にわたり東京都檜原村を研究対象として活動しています。過去には檜原村の宝の発掘、森林セラピー、檜原村の木材から作る「木のお酒」企画など様々な研究成果を出してきましたが、2025年度は学生たちによる「樽スティック」の企画を行い試作品の作成と実際のテストを実施しました。またこれらの成果については、2025年11月29日(土)に檜原村役場3階の住民ホールで行われる「第4回檜原森の生き方フォーラム」で発表を行います。

◆樽スティックとは

樽スティックは、ウイスキーや焼酎などのお酒に“木のスティック”を浸けて、風味や香りを移すことで、手軽に「味変(味のアップデート)」を楽しめるプロダクトです。一般的に、ウイスキーは樽熟成で香味が変化しますが、樽スティックはこの考え方を“スティック1本”に凝縮したものです。自宅にあるお酒のボトルに入れるだけで、数日〜数週間の時間経過とともに甘み、まろやかさ、香りが変化していきます。木材によって個性も異なり、例えばナラはまろやかさや甘みが出やすく、杉はフルーティーな印象、檜は個性が強く好き嫌いが分かれる香りになります。

樽スティックは日本の資源である木材を余すところなく利用することができる商品としてとらえることができると考えています。まだ市場は小規模ではありますが、お酒そのものの新しい楽しみ方として、また樽スティックが持つ各地域の「ストーリー」に思いを馳せながら楽しめる商品として期待されます。

樽スティック試作品と実際に樽スティックを漬け込んだウィスキー

◆これまでの学生たちの活動

AIITの学生は社会人が大多数を占め、勤める企業の業務終了後や週末を利用し研究活動を行っています。2025年度板倉研究室の学生は檜原村にある豊富な木材をもっと有効活用できないかと木材商品市場調査を実施し、端材となる木材から作成することができる「樽スティック」に着目。企画の説明を檜原村の各所へ行い協力者を得てデザイン、試作品の作成とウィスキーによる実際の味変化長期テストを行いました。

杉、ナラ、檜の3種類の試作品から、時間経過に伴う味の変化を記録しそれぞれの違いをまとめています。

檜原村「払沢の滝ふるさと夏まつり」AIITブースの樽スティック体験会

そして実際にいろいろな方に試していただくための体験会を実施しアンケート調査を行いました。この体験会は檜原村で毎年夏に行われる「払沢の滝ふるさと夏まつり」内でAIITブースとして出店し、大勢の方に体験していただきました。「木の種類で風味が全く違うので、いろんな楽しみ方ができる」「気分でスティックを変えてもいいかも」「木でできている樽スティックは、檜原村の良さが出て良い」といった好意的なコメントを頂いています。

学生の活動詳細については、以下板倉研究室YouTubeチャンネルで公開しています。

檜原村の木材を使った樽スティック |檜原村地域おこし |東京都立産業技術大学院大学 マーク・マナクサ

コメント(抄)

産業技術大学院大学・板倉研究室で、檜原村の木材を使った「樽スティック」の商品化に取り組んでいます。檜原の木を使い、檜原の人が加工し、檜原の価値として販売につなげることで、地域活性化につなげたい、という思いが出発点です。樽スティックとは、ウイスキーや焼酎などのお酒に木の棒を浸け、木の香りや甘みが移ることで味変を楽しめるものです。今回調達した木材は、ナラ・杉・檜の3種類。調査では特にナラの評価が高く、まろやかさや甘み、飲みやすさが好評でした。今後の展開としては、村内のお土産店のほか、オンライン販売、空港など観光導線での販路も模索。さらに、都民の森の「木工体験メニュー」に樽スティックづくりを組み込む案も計画中で、体験から檜原に触れ、ファンを増やす価値づけも目指しています。

檜原村の木材を使った樽スティック |檜原村地域おこし |東京都立産業技術大学院大学 阿部一晶

コメント(抄)

このプロジェクトは、檜原村の木を使った「樽スティック」でお酒の味を変える発想から始まっています。私はサンプル製作や加工を担当し、丸ノコやレーザー加工機で木材をカットしています。価値は“素材そのもの”ではなく「ストーリー」だと考えており、わずかな木材でも檜原の歴史・背景をデザインに乗せれば何倍もの価値になると捉えています。檜原は昔、江戸へ木材を流していた歴史を持つ木の村ですが、林業の衰退が課題です。樽スティックは“檜原の木の香り”を活かした唯一無二の商品に育て、今後は木材の種類やパッケージも広げ、半年以内の店頭展開を目指します。

また体験会実施にあたっては、保健所等への確認を行い関連法令に基づき行いました。

◆今後の活動について

これまでの活動について「第4回檜原森の生き方フォーラム」で報告を実施します。

 第4回檜原森の生き方フォーラム 開催概要

  日時 2025年11月29日(土)12:30~17:50(入場開始 12:00予定)

  会場 檜原村役場3F 住民ホール(オンライン開催はありません)

     東京都西多摩郡檜原村467−1

     https://maps.app.goo.gl/wh5riKZgiyzDbPyG6

  主催 一般社団法人地域デザイン学会

  運営 東京都立産業技術大学院大学 板倉研究室・スタートアップ・アクセラレーター研究所

  テーマ 森と生きる知恵と未来

  申し込みURL https://kokc.jp/e/cf7def1197e80cb0504f9aeadcd26165/

本フォーラムでは本学学生の活動報告のみならず、檜原村内の事業者の方々や地域おこし協力隊、そして本研究室と同様に檜原村で研究活動を行っている東京理科大学の研究室の方々にも登壇していただき講演、報告をしていただく予定です。

また今後は実際の生産そして販売に向けた実装を行っていきます。樽スティックは地域に力をもたらす商品の一つと考えています。そして商品を作ることがゴールではなく、地域の良さをアピールし地域の良さを「再発見」することで地域の価値を向上させていくことと考えています。

その一環として、檜原村にある都民の森と協調し、樽スティックを製作する木工体験メニューの企画を進行しています。詳細が決まり次第ご案内いたします。

板倉研究室の活動はYouTubeチャンネルでも配信しています。

板倉研究室 & スタートアップ・アクセラレーター研究所のYouTubeチャンネル

URL https://www.youtube.com/@italabo_isa

こちらも併せてご覧ください。これから随時情報をアップしていきます。

【東京都立産業技術大学院大学スタートアップ・アクセラレーター研究所について】

スタートアップ・アクセラレーター研究所は、イノベーションを通じて社会に価値を生みだす活動・人材をアクセラレートできる仕組みを産官学連携で調査研究し、実践促進及び啓発をしていくことを目指して設置されました。

◆地域課題解決プロジェクト

東京都多摩地区、島嶼部、都区部、および東京都以外の地域活性化・産業振興のため、国内外の最先端の研究者や実践者、自治体行政部門、関連する有力企業等と連携を行い、自治体のスタートアップ事業を支援・促進する。

◆個別プロジェクト

檜原村プロジェクト、八丈島プロジェクト、品川区プロジェクト、大田区プロジェクト

スタートアップ・アクセラレーター研究所 https://aix.main.jp/italabo/

板倉宏昭研究室 https://italabo.com/

東京都立産業技術大学院大学 https://aiit.ac.jp/

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環境・エコ・リサイクル
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会社概要

URL
https://aix.main.jp/italabo/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都品川区東大井1-10-40 板倉宏昭研究室
電話番号
03-3472-7831
代表者名
板倉 宏昭
上場
未上場
資本金
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設立
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