上海AAEF Art Centerの副館長に美術史家の沓名美和が就任!今秋、「もの派」にフォーカスした大展覧会を開催し、5年計画で「もの派」をアルカイブ、展覧会を開催していきます。
アジア芸術教育基金会(ASIAN ART EDUCATION FOUNDATION)が中国・上海で運営する現代アートのミュージアム「AAEF Art Center」の副館長に美術史家の沓名美和が就任しました。
2024 年11 月8 日(金)から、戦後日本美術シーンを代表する芸術表現の潮流「もの派」の展覧会を開催します。
■ AAEF Art Center副館長に沓名美和 就任メッセージ
「私が初めて中国の地に降り立ったのは2011 年。日本、韓国での学生生活を終え、新たな学びの場として中国を選んだのは、2000 年代に入り、変化の波が激しく渦巻く中国において東アジアの新しいアートシーンをこの目で見たいと渇望したからです。
それから13 年、中国のアートは今も急流のような勢いで様々に変化しており、熟成してきています。
長らく中国と日本、韓国を行き来しながら東アジアのアートを見つめてきた私にとって、このたび副館長を務めさせていただくAAEF Art Center は、中国と日本そして韓国をつなぐ結び目のような存在です。日本文化に精通しアートへの深い愛情を持つShun 館長や、若く瑞々しい情熱を持ったスタッフたちとともに、近くて遠い、似て非なるアジアのアートの魅力をAAEF Art Center からお届けできることを嬉しく思います」
沓名美和(くつな みわ)
現代美術史家、キュレーター、ディレクター。 AAEF Art Center 副館長。多摩美術大学客員教授、魯迅美術学院現代美術学科教授、一般社団法人 OPEN ART L 代表理事、REBIRTH ASIA 代表、ボアオ文化産業フォーラム日本理事。 多摩美術大学、韓国弘益大学大学院卒業。中国清華大学にて博士号取得。
■ AAEF Art Centerについて
2023 年11 月、AAEF アートセンターは 上海のベニス と呼ばれる水の都、朱家角古鎮に誕生しました。工場として使われていた約2800 平方メートルの巨大空間を活かし、アジアの現代アーティストによる実験的なアートワークや、大型作品の展示、アートイベントを主催するなどしています。アジアの現代アートの調査、研究にも力を注いでおり、日本の「もの派」の研究と、中国語でのアーカイブに取り組んでいます。また、優れた作品の持続的な普及と定着を促進するため、美術大学の学生を対象
としたグローバルな奨学金プログラムの創設を計画しています。
企画展「もの派の淵源 位相大地を中心にー 」
本展は、「もの派」誕生の作品である関根伸夫の《位相-大地》(1968 年)にスポットを当て、製作に携わった関根伸夫(1942 年~2019 年)と小清水漸(1944 年~)、ふたりのアーティストの活動の軌跡を追います。《位相-大地》はなぜ生まれ、彼らはその後どのような探求をしていったのか?
「もの派」を代表する二人の作品と、活動を振り返るアーカイブの展示、有識者による国際フォーラム等を通じて「もの派」の実態に迫ります。 本展覧会をきっかけに中国での「もの派」の理解と議論が深まることが期待されます。
沓名美和
【開催概要】
「もの派の淵源 位相大地を中心に 」― ―
会期:2024 年11 月8 日〜2025 年6 月8 日
会場:AAEF ART CENTER
住所:上海市青浦区朱家角镇酒龍路334 弄銅管場文化創意産業園8 号楼
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