WiSECURE、慶應義塾大学サイバー文明研究センター(CCRC)と協力して技術検証した成果を第十五回サイバーセキュリティ国際シンポジウムで発表
WiSECURE(ワイセキュア株式会社。本社:東京都文京区、代表取締役社長:目代陽孝、以下WiSECURE)は、「第十五回サイバーセキュリティ国際シンポジウム」において、慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュートのサイバー文明研究センター(以下CCRC)と協力して技術検証した成果を発表いたしました。
本技術検証は、量子コンピューターの実用化が急速に進む中、現行の暗号基盤が直面する課題をどのように解決するかという、社会全体にとって重要なテーマに取り組んだものです。

現在広く利用されている非対称暗号は、量子コンピューターの登場によって安全性が大きく揺らぐ
可能性が指摘されています。政府機関、金融、医療、エネルギーなどの主要インフラに影響が及ぶ
ことから、世界各国で安全な移行戦略の検討が進んでおります。しかし、アメリカ NIST が標準化
した耐量子暗号(PQC)をそのまま既存システムに置き換えることは容易ではなく、互換性・運用
負荷・導入コストといった現実的な課題も顕在化しています。
こうした背景のもと、今回慶應義塾大学 CCRC と協力しての技術検証では 「現行システムを活かし
つつ、量子時代の安全性を確保する」 ことを重視し、段階的に導入できる暗号運用モデルを設計い
たしました。その中核となるのが、弊社独自の HSM(ハードウェアセキュリティモジュール)で
す。暗号化や復号、鍵管理といった重要処理を HSM 内部に閉じ込め、外部システムから切り離す
構成とすることで、ソフトウェア由来の脆弱性を極力排除し、堅牢なセキュリティを実現いたしま
す。

さらに、本モデルでは既存の公開鍵暗号と PQC を組み合わせた ハイブリッド方式 を採用しており
ます。これにより現在の暗号化システムとの互換性を維持しながら、量子攻撃に耐える新しい暗号
方式への移行を「止めずに」「段階的に」進めることができ、実運用におけるリスクと負荷の最小
化を目指しております。
シンポジウム当日には、国内外の政府関係者やセキュリティ専門家の皆様に多数ご参加いただき、
研究内容について多くのご質問や前向きなご意見を頂戴いたしました。特に、「既存環境に無理な
く導入できる現実解である」との評価をいただき、量子時代に向けた暗号基盤整備への期待が一段
と高まっていることを実感いたしました。

WiSECUREはこれからも、産学連携を通じて安全で持続可能な暗号技術の実現に取り組み、日本のサイバーセキュリティ強化に貢献してまいります。
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