【新サービス】ゲノム変異を一塩基レベルで検出する空間トランスクリプトーム解析
この度、世界初のゲノム変異と遺伝子発現をほぼ一細胞レベルで同時に捉える手法「Singular Spatial GenomiX」を開発し、受託サービスとして提供を開始します。
株式会社CyberomiX(京都市上京区、以下「当社」)は、最先端のゲノム解析技術を開発し、研究者に届けるサービスを展開しています。当社は、合成生物学分野でトップカンパニーであるTwist Bioscience Corporation(以下「Twist Bio」)のProLabとして、高精度ゲノム解析の受託サービスを展開するとともに、独自のバイオインフォマティクス解析パイプラインの開発を進めています。また、シングルセルおよび空間トランスクリプトーム解析における革新的技術を提供する10x Genomics Inc. (以下「10x Genomics」)のCertified Service Providerである当社は、10x GenomicsのプラットフォームであるVisium HDの世界ファーストロットにアクセスし、論文発表を行っています。この度、ゲノム変異と遺伝子発現をほぼ一細胞レベルで同時に捉える技術を開発し、受託サービスとして提供する運びとなりましたので、お知らせいたします。
■背景
近年のゲノム解析によって、腫瘍内の不均一性が普遍的な現象であることが明らかになり、腫瘍内にわずかに存在する細胞集団の挙動が脚光を浴びています。一方で、わずかな細胞集団に特異的なゲノム変異が組織内のどこに起きているか同定することは難しく、特に複数のゲノム変異を組織上で同時に捉えることは不可能とされてきました。
■技術の概要
当社はこれまでに空間トランスクリプトーム解析における高感度検出法の開発を進めてきました。最初に、FFPE検体であってもエクソン領域を均質にキャプチャーし、わずかに含まれる変異を検出することで、臨床検体のゲノム解析を高精度に行う手法を確立しました。変異部位が異なる様々な腫瘍サンプルに対して、それらの変異を特異的に認識するプローブを設計し、空間トランスクリプトーム解析を実施し、そこから得られたデータを分析することで、ゲノム変異に由来する転写産物上の一塩基置換(変異など)を検出するプローブを設計するアルゴリズムを開発しました。また、独自の計算手法によって異なる分布を示す複数の変異を描写することが可能になりました。この組織切片上の空間情報を維持したまま遺伝子発現と変異を同時に解析できる一連のワークフローに対して、「Singular Spatial GenomiX®」を商標登録しております。
この成果を第114回日本病理学会総会(2025年4/17-19、仙台)で発表しましたが、本日より、Singular Spatial GenomiX®を用いた学術受託サービスを提供する運びとなりました。
■社会への貢献
今回リリースするSingular Spatial GenomiXは、これまでになしえなかった「一細胞レベルで複数のゲノム変異の分布を可視化する」ことを可能にしました。 共同研究者と進めたEarly Access Programでは、ゲノム変異の組織内不均一性を観察できることが示されています。この技術を先端ゲノミクスや病理領域の第一線で活躍している研究者に受託サービスとして提供します。そして、この技術で共同研究を加速させ、世界最大の病理ゲノムデータベースの構築をめざし、それを基盤としたプラットフォーマーとして新規診断法の開発や創薬に挑みます。
■関連
・Twist Bioscience Corporation(米国カルフォルニア州、NASDAQ: TWST):エクソーム解析のグローバルスタンダードであるSureSelectの開発を主導したDr. Emily Leproustが、独自の半導体技術を使った高効率かつハイスループットDNA合成技術を開発して創業した合成生物学のリーディングカンパニーです。2025年に高品質な実験結果を提供するために認定されたサービスプロバイダーNGS ProLabを取得しております。
・10x Genomics Inc.(米国カルフォルニア州、NADAQ: TXG):シングルセルおよび空間トランスクリプトーム解析の革新的なプラットフォームを提供しているパイオニアです。独自のマイクロ流体工学と分子生物学を融合したプラットフォーム技術は、世界中の研究機関・製薬企業に導入されており、次世代の個別化医療や新薬開発を支える重要な基盤技術として注目されています。当社は認証サービスプロバイダーであるCertified Service Provider、および、厳格な基準を満たしたサービスプロバイダーであるPreferred Service Provider(PSP)を取得しております。



■問い合わせ先:株式会社CyberomiX
<受託依頼・病理解析について>
受託事業部 佐伯
cs@cyberomix.com
<ゲノム解析について>
ゲノムビジネス開発ユニット 毛利
datascience@cyberomix.com
<会社全般について>
株式会社CyberomiX
ブランディング&マーケティングユニット 安田
datascience@cyberomix.com
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