不快指数が高い夏でも登場する意外なメニュー

~暑熱順化がもたらす食卓の変化を食MAP®にて調査~

今年6月に気象庁が発表した向こう3か月の平均気温・降水量の予報(7~9月)では、降水量は沖縄・奄美地方を除きほぼ平年並みの見込みですが、平均気温は全国的に高い見込みで、今年の夏も厳しい暑さが続くことが予想されております。

暑くなると涼味メニューを食べたくなりますが、「蒸し暑さ」が続くことで登場する機会が増える意外なメニューをご紹介いたします。

暑さの経験日数によって「涼味系」から「健康系」メニューへシフト

「蒸し暑さ」を感じるのには、気温の高さだけでなく湿度が影響します。その「蒸し暑さの感じやすさ」を指標化したものが不快指数です。不快指数には「70未満・70~74・75~79・80~84・85以上」の5段階あり、80~84は「ほとんどの人が不快に感じる暑さ」ですが、85以上になると「ほとんどの人が非常に不快に感じる」とされています。

その蒸し暑さに身体が慣れるまでから2週間程度かかる*1と言われておりますが、不快指数85以上を経験した日数によって、登場するメニューに差があるのかどうかを見たところ、1-15日目までと、16日目以降でメニューに明確な差異がありました(図1)。

(*1出典:日本気象協会推進 熱中症ゼロへ)

【図1:夏場の不快指数85以上の経験日数別(15日以内と16日以降)メニューTI値(15日以内と16日以降のTI値差分)】分析条件:2024年7~9月/夕食(TI値:1000食卓あたりの出現回数)

経験日数が15日以内に増加したのは、

●冷たい和風麺や冷やし中華などの『涼味麺』

●丼、チャーハンなどの『ワンプレートで済ませられる手軽なメニュー』

●ステーキ・ソテー、焼き餃子などの『スタミナ系メニュー』     です。

蒸し暑さに身体が順応しておらず、冷たいものや手軽さ、スタミナを意識したメニューなどが好まれているようです。

一方、16日目以降に増加したのは、

●ご飯や味噌汁などの『日常メニュー』

●野菜の煮物や野菜サラダ、キムチ、酢の物、きんぴらなどの『野菜中心のメニュー』 です。

蒸し暑さに身体が慣れ始め、栄養バランスを求める傾向が強まったと考えられます。

このように、蒸し暑さに慣れるまでは「涼味・簡便さ・スタミナ」、慣れてきてからは「体調管理・栄養系」と変化してきます。

暑熱順化によって、湯豆腐の出現は約4倍に!?

さらに経験日数が増えてくると、どういったメニューが登場するのか深掘りしてみます。

図2は不快指数85以上の経験日数が1-10日目、11-20日目、21日目以降でのメニュー出現頻度を示したもので、21日目以降に出現頻度が高まった意外なメニューをピックアップしたものです。

蒸し暑さに慣れてくると、普段は登場頻度の少ない「クリームシチュー」「グラタン」「湯豆腐」などホットメニューの出現が高まります。

前節では暑さに慣れてくると、「体調管理・栄養系メニュー」が増えていましたが、エアコンによって身体が冷えることも影響してか、身体を温めるメニューにも需要が出てきます。

【図2:夏場の不快指数85以上の経験日数別メニューTI値】分析条件:2024年7~9月/夕食(TI値:1000食卓あたりの出現回数)倍率は1-10日目と21日目以降との比較

暑さ対策のメニューとして「涼味系」「時短系」「スタミナ系」などが一般的ですが、暑いからといってそういったメニューばかりが登場するわけではありません。

暑さへの慣れ(暑熱順化)によって栄養系やホットメニューなども需要が出てくるため、身体をいたわるようなメニューも訴求する必要があるようです。

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出典:株式会社ライフスケープマーケティング「食MAP®」

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食MAP®とは当社が提供するマーケティング情報システム。首都圏30㎞圏内在住の家族世帯(1998年10月~)と単身世帯(2008年11月~)を対象に、食品の購入・調理・消費までをパネル形式で調査したもの。主に食品メーカー様・食品流通業様・食品小売業様における商品開発や販売促進、生活者調査などのマーケティングデータとしてご利用いただいております。

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上場
未上場
資本金
-
設立
2001年09月