【横浜市】住民発の“自助モデル”が進化中!金沢区で第4回総会開催
もしものとき、あなたの隣には誰がいますか?神奈川県横浜市金沢区で、自助と共助の「いま」を描く先進的な総会が開催。企業、母親、防災教育の現場から“つながる防災”の可能性が見えてきました。
■ 「助けられる力」より「助け合う関係」を
災害が激甚化し、社会が分断される時代。地域に求められているのは、「行政に頼る」でも「一人で抱える」でもない、第3の選択──自ら考え、つながり、支え合う『自助』のかたちです。
横浜市金沢区では、行政と市民、NPOや企業、子育て家庭など多様な立場の人々が「自助力」をキーワードに集う独自のネットワークを構築。2024年に発足した「金沢区自助連絡協議会」(神奈川県横浜市金沢区、代表:穴澤 里美)は、地域発の災害対応モデルとして注目を集めています。
■ 第4回総会で見えた“次の防災”
2025年6月30日(月)、横浜市の金沢区公会堂で開催された「第4回 金沢区自助連絡協議会 総会」には、地域内外から約100名が参加。第1部では、「未来をつくる『自助』のかたち」をテーマに、多彩なゲストと取り組みが紹介されました。


【注目のスピーカーと実践】
〈企業防災〉
雨宮自動車工業株式会社 代表取締役/CEO 小宮 里子さん
台風による工場浸水を経験し、備蓄体制の抜本的な見直しを決断。
被災をきっかけにBCP(事業継続計画)を策定し、経営力強化にも取り組むことで、今では横浜市「グランドスラム表彰」企業に認定されるに至った。企業経営の視点から「社員を守る自助」。

〈ママ視点の防災教育〉
子育てサークル 金沢区ママ ルンビニー-つながりの庭- 代表 上野 さやかさん
地域に根ざしたリアルな声が共感を呼ぶ。
乳幼児を育てるママたちが自ら調査・発信する「ママ目線の防災」。
金沢区ママ Instagram:@kanazawaku_mama

〈特別支援教育×実践型防災〉
茅ケ崎市特別支援学校 防災キャンプ
多様な子どもたちが“生き抜く力”を育む実地研修を紹介。
誰ひとり取り残さない防災の現場をレポート。

〈子どもの視点で学ぶ防災〉
SECRET BASE 横浜KIDS 松﨑 雅美先生
子どもたちがスマホより夢中になれる「秘密基地」で育つ防災リーダーの芽。
遊びながら備える次世代の自助スタイルを展開し、スマホが使えずシナリオもない状況下での“実践型防災”も合宿で行っている。「楽しみながら体験すること」を通じて、子どもたちが主体的に学び、考える防災教育を実践している。
SECRET BASE 横浜KIDS Instagram:@secretbaseyokohama

第2部では、交流会「顔見知り・顔なじみ」の場も設けられ、「湘南ともいきかかり 」、「自助カナ楽団」のスペシャルライブなど、町内会や福祉団体を超えた“ゆるやかな共助の網”が広がりました。


■ 代表メッセージ:自助とは「助けて」と言えること
いつどこでどんな災害に遭うかわからないこの国。自助って言葉は時として「全てを自分自身でなんとかしなければならない」みたいな一見冷たい言葉に聞こえるかもしれません。私達が考える自助とは...普段の日常生活の延長線上に非日常時の安心と安全が備わる社会、自分が困った時、周りの人に「助けて」と言える社会、公助の手が届く前に一緒に苦難を乗り越えられる共助が行き届いた社会、、そのために町のみんなが「おはよう」「ありがとう」を口にし合える関係を自然に積み上げて行くことなのかもと思っています。 そのための最初の一歩が「顔見知り、顔なじみ」。 誰もが安全に健康に 笑って暮らせる金沢区を みんなでふれ合い、こころ寄せ合い、紡ぎ合って未来へ ── 金沢区自助連絡協議会 代表 穴澤 里美

■ 9月20日金沢支援学校で『自助リハ』を開催予定
第4回総会を経て、金沢区自助連絡協議会の活動はさらなる実践フェーズへ。
2025年9月20日(土)には、神奈川県立金沢支援学校で『自助リハ』を開催予定です。
この取り組みは、災害時の避難行動を“事前に体験し、改善につなげる”ことを目的に、立ち上げメンバーを中心に、地域住民・支援者たちが実行委員として参画。特別支援学校との連携により、多様なニーズを持つ子どもたちや保護者、教育現場のリアルな声を反映した形で進められます。
さらに今回は、横浜市立大学との協働による「避難アプリ」の実証実験も同時に実施予定。
デジタルと地域の融合によって、“誰ひとり取り残さない避難支援”の仕組みづくりに挑戦します。
すべての画像