エアバスとキャセイ、SAFの導入拡大に向けた共同投資パートナーシップを締結
エアバスは21日(香港時間)、キャセイグループと、アジアおよび世界における持続可能な航空燃料(SAF)の生産を加速するため、最大7,000万米ドルの共同投資を発表しました。
IATA世界持続可能性シンポジウムの開催期間中に香港で行われた式典で、キャセイグループのアレックス・マクゴーワン チーフ・オペレーション・サービス・デリバリー・オフィサーとエアバスのアナンド・スタンレー アジア太平洋地域プレジデントによって、今回のパートナーシップが発表されました。
このパートナーシップの条件に基づき、両社は協力して、2030年以降に向けたSAF生産の規模拡大を支援するプロジェクトの特定、評価、投資を行います。プロジェクトは、商業的な実現可能性、技術的な成熟度、および長期的な引取り契約の可能性に基づいて評価されます。
SAFの規模拡大には、政策立案者や投資家からSAF生産者、顧客に至るまで、バリューチェーン全体にわたる深い協力が必要です。この共同投資契約は、エアバスとキャセイが協力して生産能力を加速し、より意味のある影響を生み出すというパートナーシップの精神を反映しています。
キャセイのアレックス・マクゴーワン チーフ・オペレーション・サービス・デリバリー・オフィサーは次のように述べています。「SAFは、キャセイとより広範な航空業界が脱炭素化目標に向かって推進するための最も重要な手段であり続けます。当社は、より強力で、より成長力のあるSAF産業構築に取り組んでおり、このたびエアバスと共同投資パートナーシップ締結に至りました。当社は最近、『ワンワールドBEV SAFファンド』へ投資するなど、将来に必要な技術と生産能力へ投資を行うより幅広い戦略を掲げており、今回の投資もその一環です。また現在、志を同じくする組織とのパートナーシップを通じて、SAFの使用を拡大しています」
エアバスのアナンド・スタンレー アジア太平洋地域プレジデントは以下のように語りました。「このパートナーシップは、真の変化をもたらすために取り組むエアバスとキャセイの共通の決意を反映しています。手頃な価格のSAFを大規模に生産・流通させるには、前例のない分野横断的なアプローチが必要です。キャセイと協力することは、私たちが航空会社にサービスを提供するうえで最も適切な場所でSAF生産を実現する具体的な例となります」
今回のパートナーシップでは、アジア全域で需給両面におけるSAF支援政策を提唱するために協力も行います。この地域が持つ豊富な原料供給源、高い生産能力、そして活発な航空市場という強みを活かし、両社は世界的な知見をもって、アジアでのSAFの普及と低価格化を実現するための政策作りを支援していきます。
キャセイグループがエアバス機を初めて発注した1989年以来、エアバスとキャセイは長年にわたる協力関係を築いています。現在、キャセイグループは86機のエアバス機を運航しており、今後さらに70機以上が引き渡される予定です。

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