特別対談「米国投資家はなぜ日本に価値を見出しているのか」Neil W. Gibson博士と山口泰範博士が語る日本発サイエンスのグローバル価値創出へ

対談・Q&Aセッションから読み解く、米国資本へのアクセスの重要性と日本イノベーションの発展可能性

NANOホールディングス株式会社

2026年6月30日(火)、梅雨の合間に柔らかな陽光が差し込む日比谷三井カンファレンスに、国内外の投資家や事業関係者、報道関係者らが集まった。

NANOホールディングス株式会社は、特別対談「なぜUS Investorsは日本に価値を見出しているのか」を開催。Nano Holdings US,LLC ChairmanのNeil W. Gibson博士と、NANOホールディングス株式会社 Chief Business Development Officer山口 泰範 博士 が登壇し、“米国投資家の視点から見た投資対象としての日本市場の魅力”“日本の優れた科学技術のさらなる発展につなげる米国資本へのアクセスの重要性”について議論を交わした。 

対談終了後には、Neil W. Gibson博士、NANOホールディングス株式会社 代表取締役会長兼社長CEO 松村 淳、取締役CIO 飯野 智によるプレス向けQ&Aセッションも実施され、投資先として魅力的なアセットの条件や見出したアセットの再構築の手法、NANOホールディングスの投資規模や今後の案件の展望についてなど、多くの質問が寄せられた。

▲写真左から、山口 泰範、Neil W. Gibson(敬称略)

■ 開催概要

● 日時:2026年6月30日(火)11:30〜12:30 (特別対談)

2026年6月30日(火)12:40〜13:10 (プレス向けQ&Aセッション)

● 会場:日比谷三井カンファレンス 8階(東京都千代田区有)

● 内容:特別対談「なぜUS Investorsは日本に価値を見出しているのか」

プレス向けQ&Aセッション

特別対談

テーマ:「なぜUS Investorsは日本に価値を見出しているのか」

日時:2026年6月30日(火)11:30〜12:30

会場:日比谷三井カンファレンス 8階「Room1・Room2」

登壇者:

Chairman, Nano Holdings US, LLC  Neil W. Gibson 博士

NANOホールディングス株式会社 Chief Business Development Officer 山口 泰範 博士

◆ 冒頭──米国投資家が注目する日本発サイエンスの価値と成長機会

NANOホールディングス Chief Business Development Officer の山口 泰範 博士は、日本発の優れたサイエンスが世界的に大きな価値を生み出した代表例を挙げながら「日本は世界のトップクラスの科学技術や研究成果で、世界に画期的な貢献をしている一方、投資市場環境に目を向けると、2021年以降にコスト優位性と迅速な追随戦略によって急成長している中国に対し、日本のディール数は減少している」と言及。

それに対し、Nano Holdings US, LLC Chairman の Neil W. Gibson 博士は「このギャップは、科学や技術に対しての投資額の格差と考えられ、日本のイノベーションの発展のためには、米国への資本アクセスが非常に重要だと考えられる。」と示唆した。

こうした環境下を踏まえて開催された本対談では、いま米国の投資家は、日本の質の高いアセット、政府によるバイオ・製薬分野への投資促進の取り組みなどから、日本への投資機会を見出し注目していること、投資家の視座や投資対象として魅力的な条件などについて議論が交わされた。

Neil W. Gibson 博士
山口 泰範 博士

◆なぜいま日本なのか──日本発サイエンスを世界的価値へつなぐために ―

山口博士は、日本には「世界トップクラスの科学力」「真のイノベーション」「強固な知的財産(IP)」「グローバルパートナーシップの可能性」という強みがあり、これらが世界から投資を呼び込む競争力の源泉であるとの考えを述べた。
これを受けて、Neil博士は、米国の大手製薬企業やバイオ投資家は、特許切れ(パテントクリフ)や自社研究開発の課題を背景に、世界中で有望な創薬アセットを積極的に探索していると説明した。

その中で、日本政府によるAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)などのバイオ・製薬分野への支援策や、日本が有する世界トップレベルの科学技術が高く評価されており、日本への関心は年々高まっていると指摘した。また、AMEDの認定を受けた海外VCが15社以上存在するなど、日本への海外投資を後押しする環境整備も進んでいることを紹介した。

◆米国投資家が日本に注目する理由─世界水準の科学とイノベーションが拓く成長機会 ―

続いて山口博士は、日本には「世界トップクラスのサイエンス」「真のイノベーション」「強固な知的財産(IP)」「グローバルパートナーシップの可能性」があり、これらが日本の競争力であり、世界から投資を呼び込む重要な要素であるとの意見を述べた。

Neil W. Gibson 博士
山口 泰範 博士

一方、Neil博士は、投資判断で最も重視されるのは「新規性」と「イノベーション」であり、既存技術の延長ではなく、アンメット・メディカル・ニーズに応える独創的な技術こそが、世界市場で大きな価値を生み出す成長機会になるとの議論を展開した。

◆ NANOホールディングスが目指す「日本と世界をつなぐゲートウェイ」の実現へ向けた価値創造のプラットフォーム

山口博士は、日本には世界トップクラスのサイエンスと有望な創薬アセットが数多く存在する一方で、それらを世界市場へつなげる仕組みが重要だと説明。
その実現に向け、価値創造のプラットフォームとして「優れた技術の発掘」「資本との接続」「開発・価値設計(Edit)」「Exit(事業提携・ライセンス・M&Aなど)の創出」の4つを柱に、投資対象となる案件を育成していることを説明。さらに、複数の有力な米国投資家との協議を進めるとともに、グローバル製薬企業との提携や大型ディールの創出を通じて、日本発のイノベーションを世界へ届けることを目指していると述べた。

▲写真左から、山口 泰範、Neil W. Gibson(敬称略)

◆ 総括

Neil博士は、「NANOホールディングスが日本の技術を世界へつなぎ、事業開発と投資機会を創出し、世界へのゲートウェイとして、グローバル製薬企業との提携や大型ディールを実現することで、日本発サイエンスの価値を最大化し、最終的には優れた科学を優れた医薬品へと育て、世界中の患者へ届けることが目的である」と締め括った。

特別対談に続く、質疑応答では、会場から「日本のテクノロジーのグローバル展開のためには、どのステージの段階でアプローチするのが適切か」、「日本の創薬シーズを世界の投資へつなげるための課題と解決策」や「臨床開発・グローバル展開の進め方」、「NANOホールディングスの今後の成長戦略」に関する質問が相次ぎ、今後の展開への期待が寄せられた。

プレス向けQ&Aセッション

日時: 2026年6月30日(火)12:40〜13:10

会場: 日比谷三井カンファレンス8階「Room3・Room4」

登壇者: Chairman, Nano Holdings US, LLC Neil W. Gibson 博士

NANOホールディングス株式会社 代表取締役会長兼社長CEO 松村 淳

NANOホールディングス株式会社 取締役CIO 飯野 智

内容: 質疑応答

▲写真左から松村 淳、Neil W. Gibson、飯野 智(敬称略)

◆ プレス向けQ&Aセッション

特別対談終了後は、Neil W. Gibson 博士、NANOホールディングス株式会社 代表取締役会長兼社長CEO 松村 淳、取締役CIO 飯野 智によるプレス向けQ&Aセッションが行われた。会場に集まった報道関係者からは、「日本のアセットの再構築の手法や投資家にとって魅力あるアセット」に関する質問や、NANOホールディングスの今後の投資規模や案件の展望などについて多くの質問が寄せられ、活発なQ&Aセッションが展開された。本レポートではその一部を紹介する。

◆ 日本のアセットを見つけて再構築するという点について、具体的な手法は?

Neil博士は、新会社の設立や既存の日本企業による米国子会社の設立などが考えられる」と説明した。また対象となるアセットは製薬企業の開発パイプラインに限らず、上場バイオ企業、未上場の小規模バイオ企業、プライベート企業など、さまざまなソースから生まれる可能性があると述べた。

◆投資対象として魅力的なアセットとは?

Neil博士は、複数の治療領域を検討しているとした上で、特に重要なのは「有望なヒト臨床データ」を持つアセットであると説明した。米国投資家は、投資判断にあたり臨床データを重視するため、一定の有効性や可能性を示すデータがあることが、投資を呼び込むうえで重要になるという。

注目領域としては、自己免疫疾患、神経疾患・神経変性疾患、認知症、アルツハイマー病、統合失調症などが挙げられた。これらは、いまだ十分な治療法が確立されていない「高いアンメット・メディカル・ニーズ」が存在する領域である。一方、オンコロジー領域にも興味深いアセットはあるものの、競争が非常に激しいため、投資対象として魅力を持たせるには、極めて質の高いデータが必要だと指摘した。

Neil W. Gibson 博士

◆投資規模と今後の案件は?

取締役CIO 飯野は、「投資金額については、案件によって異なる」と説明した。創薬関連では10億円から15億円規模になる可能性がある一方、ヘルスケアデータ関連などでは、そこまで大きな資金を必要としないケースもあるという。今後は、ヘルスケアデータ、製造関連、創薬パイプラインなど複数の分野において案件を検討しており、年内にも数件の具体的な投資案件が生まれる可能性があると説明した。

飯野 智 取締役CIO

◆ 薬価制度や保険制度の変化により、日本市場そのものの魅力は限定的ではないのか?

Neil博士は、「日本企業がより大きな価値を生み出すには、日本国内市場だけでなく、グローバル市場を活用することが重要だ」と述べた。さらに、日本のアセットを新たな事業構造に組み替え、米国資本へアクセスし、グローバルに開発を進めることで、日本企業の市場機会を拡大できると説明した。
また、代表取締役会長兼社長CEO 松村は、日本の製薬会社は自社の優先順位や資本力の制約から、すべてのアセットを自社で開発することが難しいという現状の課題について述べ、“NANOホールディングスはこのジレンマのギャップを埋める役割を担おうとしている”と説明した。

松村 淳 代表取締役会長兼社長CEO

◆ 中国で多くのディールが生まれている背景とそこに日本が学べる点は?

Neil博士は、中国で多くのディールを行っているのは、主に米国の投資家というより大手製薬企業であると説明した。米国製薬企業は、自社の研究開発パイプラインを補完するため、中国企業のアセットを活用し、臨床データを取得してグローバル開発につなげようとしているという。
一方で、FDAは中国でのみ実施された臨床データの品質を厳しく確認するようになっており、中国データだけでは承認上十分とみなされないケースもあると指摘した。
また、一部では、中国企業からライセンスを受けたアセットについて、実際のデータ品質が期待通りではなかった事例もあり、投資家の間には中国投資に慎重な姿勢も生まれているという。そのため、投資家や製薬企業は、中国以外にも質の高いアセットを求めており、その候補として日本に注目が集まりつつあると説明した。

会場では活発な質疑応答が行われ、今後のNANOホールディングスの展開に対して期待の声が寄せられた。

▲写真左から山口 泰範、松村 淳、Neil W. Gibson、飯野 智、Rocky H. Kato(敬称略)

■関連リンク

● 特別対談 公開サイト: https://youtu.be/1K2Kgw6NNNE

● NANOホールディングス株式会社HP: https://www.nano-hd.com/

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会社概要

URL
https://www.nano-hd.com/
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都港区愛宕二丁目5番1号 愛宕グリーンヒルズMORIタワー26階
電話番号
-
代表者名
松村 淳
上場
東証グロース
資本金
-
設立
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