宇都宮発・SASHIKO(刺し子)が音と光を動かす。福祉×クリエイティブのTOMOS company、Dentsu Lab Tokyo・techika・丸仁とアップサイクル協働作品を発表
Dentsu Lab Tokyoのプロジェクト「UP-CYCLING POSSIBILITY」の第2弾:12月5日に電通ホールで開催されたDentsu Lab Tokyo主催イベントにて展示しました。

2025年12月5日、就労継続支援A型・B型事業所を運営する株式会社TOMOS company(本社:栃木県宇都宮市、代表取締役:飯島 亮、以下「TOMOS」)は、Dentsu Lab Tokyoと共同で、福祉事業所の刺し子と導電糸・センサー技術を組み合わせたインスタレーション作品を制作・展示しました。
TOMOSは、SASHIKO(刺し子)・BORO(襤褸)を軸にしたブランド「TERAS」を展開し、「福祉からブランドをつくる」モデルを実装してきました。今回の取り組みは、そのモノづくりが日常のプロダクトの枠を越え、テクノロジーと表現の領域の可能性を示す実験的プロジェクトです。
Dentsu Lab Tokyoが企画・デザイン・全体ディレクションを担当し、技術実装をテック・クラフト領域を専門とするtechika社が担当、反射材素材の提供を丸仁社が担当しました。TOMOSは、SASHIKO(刺し子)にまつわるモノづくりのディレクションと制作を担い、4社の協働によりプロジェクトを進行しました。
▪️プロジェクト概要
UP-CYCLING POSSIBILITY 第2弾 “SA→SHI”

本プロジェクトは、「捨てられたモノや、壊れたモノに、テクノロジーとクリエイティビティを継ぎ足し、新たな機能や価値をつくりだす。」というコンセプトのもと、伝統と現代の技術の掛け合わせに挑戦している、Dentsu Lab Tokyoのアップサイクルプロジェクト「UP-CYCLING POSSIBILITY」の最新作です。
【第1弾】の「金継ぎ」がテーマのプロジェクトに続き、【第2弾】となる今回は「SASHIKO(刺し子)」という伝統技法をテーマとしたR&D(研究開発)に挑戦。
TERASの事業所で一針一針縫われたSASHIKO(刺し子)の布に導電糸を組み込むことで、古い布であるBORO(襤褸)そのものを、刺し子模様に込められた意味とも連動させながら、音や光を操作する「インターフェース」へと生まれ変わらせることを目指しました。
▪ 展示作品について

・ランプシェード UCP_007 SA→SHI LAMP LIGHT (KAKI_YABANE)
・半纏(はんてん) UCP_008 SA→SHI COAT SOUND (ASANOHA)
・トートバック UCP_009 SA→SHI BAG REFLECTION (SEIGAIHA)
▪️ランプシェード UCP_007 SA→SHI LAMP LIGHT (KAKI_YABANE)



襤褸(ぼろ)を継ぎ合わせた上から、電気を通す糸で刺し子を施したランプシェードです。一目刺しの技法を用い、縦列にのみ導電糸を配置することで、指でなでると反応するセンサーへと変化します。魔除けの意味がある「矢羽根模様」は明るさと、豊穣を願う「柿の花模様」は色とそれぞれ対応していて、操作することができます。
▪️半纏(はんてん) UCP_008 SA→SHI COAT SOUND (ASANOHA)


古着の半纏(はんてん)の腕と肩に、導電糸で刺し子を施した襤褸を当てました。半纏と襤褸の間には、穴の開いた中綿と導電性の布が組み込まれており、腕の動きによって導電布と導電糸が隙間から触れ合うことで、襟元のスピーカーから音が鳴ります。子の健やかな成長を願う「麻の葉模様」により、体を動かすことが楽しくなる服が生まれました。
▪️トートバック UCP_009 SA→SHI BAG REFLECTION (SEIGAIHA)


襤褸を継ぎ合わせた上から、光を反射する糸で刺し子を施したトートバッグです。凪いだ海のようにどこまでも続く平穏な暮らしや幸せを願う「青海波模様」で、夜道の安全を守るバッグへと生まれ変わりました。レコード盤が入るサイズになっています。
▪ 本プロジェクトを通じたTOMOSの新しい挑戦
TOMOSは、アップサイクルの可能性を広げる取り組みを通じて、モノが壊れた時や、使われずに眠っているモノとの向き合い方を変える視点を提案していきたいと考えています。
人工物を新しく生み出し続けるのではなく、「いまあるモノを新しくする」意識が生活の中に浸透していく世界。その実現に向けて、モノに新しい価値を与える「手を抜かず手間をかける」クリエーションを続け、「欲しいから選ばれる」商品や作品を生み出すことを目指しています。
TOMOSは、この協働制作を通じて、【福祉×クリエイティブ】を実現する現場においてSASHIKOやBOROが持つ可能性を、あらためて強く実感しました。
今後も、様々なコラボレーターとの共創を通じて、アップサイクルと福祉発のクリエイティブの可能性を広げていきます。
▪ イベント概要
名称:Dentsu Lab Tokyo OPEN LAB 2025
会期:2025年 12月5日(金)
会場:電通ホール(東京都港区)
内容:「Technology×Creativity」を起点にニューネスな体験を生み出すクリエイティブR&DチームであるDentsu Lab Tokyoが、今年制作した20個の新作プロトタイプを一挙に展示するイベント。
▪ Dentsu Lab Tokyoについて

Dentsu Lab Tokyo(デンツウラボトウキョー)は、研究・企画・開発が一体となったクリエイティブのR&D組織です。「PLAYFUL SOLUTION」「おもいもよらない」をフィロソフィーとしながら、デジタルテクノロジーとアイデアによって、人の心を動かす表現開発や、いま世の中が求める社会の課題解決を実践しています。
▪ techikaについて

合同会社techikaは、「柔らかいハードウェア」をテーマに、導電糸や布、自然素材などの柔らかい・有機的な素材を用いたインターフェース制作を行うクリエイティブスタジオです。ワークショップの企画運営から展示作品の制作、工業製品のプロトタイプ開発まで、身体感覚や触感に寄り添う新しい表現とものづくりを探究しています。
また教育分野では、電子手芸やデジタルファブリケーションを活用したワークショップなど、「STEAMでつくりたい世界をつくる」ための学びの場づくりにも取り組んでいます。
▪ 丸仁について

株式会社丸仁は、1984 年に福井県福井市で創業し、スポーツユニフォーム向けの熱転写プリントマークの製造事業で成長してきました。創業当初からの想いである「人々の安心・安全を守る」ために、反射材「オーロラリフレクター ®」を開発。現在では、ファッション性に特化した反射材シリーズ『LIGHT FORCE』を展開し、さまざまなアパレルブランドとの協業を行っています。
▪ TOMOS companyについて

株式会社TOMOS companyは、就労支援事業所の運営を基盤に、伝統工芸「SASHIKO・BORO」を軸にしたブランド「TERAS」を展開しています。地域発のクラフトを現代のライフスタイルに合わせて発信し、国内外のコラボレーションや販売を広げてきました。これにより、「福祉からブランドをつくる」モデルをいち早く実装してきました。
2026年末(予定)、宇都宮に業界初の【グループホーム併設・オープンファクトリー】を開業します。「与えられる福祉から、与えるクリエイティブ」へ。生産・販売・見学/体験が循環する“魅せる現場”で、TOMOSが描く「境目のない世界」を実装します。
事業内容:
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就労継続支援A型・B型事業所を運営
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障がいのある方々の就労支援と一般就労への橋渡し
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SASHIKOや100年以上前の古布・BOROを活用したブランド「TERAS」の企画・制作・販売
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福祉とデザイン、アート、ファッションを融合したプロジェクトを企画・運営
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オープンファクトリーやグループホームを通じた地域交流・教育活動を推進
会社名:株式会社 TOMOS company
所在地:栃木県宇都宮市
代表者:代表取締役 飯島 亮
URL:https://tomoscompany.com/
設立:2015年7月
総合お問い合わせ:info@tomoscompany.com
※取材、採用のお問い合わせもこちらへお願いいたします。
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