【調査レポート】ベトナム主要植林種のCO2吸収能力と経済効果に関する調査結果を公開

ハイブリッドアカシアは植林わずか3年で年間125USD/haのカーボンクレジット収益を創出、投資効率(BCR)は最大3.07倍に

カーボンゼログローバル株式会社

カーボンゼログローバル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:岡 大貴、以下「カーボンゼログローバル」)は、ベトナムにおける主要な植林種のCO2吸収能力および経済効果に関する調査レポートを公開いたしました。本レポートは、ベトナム森林科学研究所 森林生態および環境研究センターのゴ・ディン・クエ准教授・博士らの研究データを基に、ハイブリッドアカシアをはじめとする植林種がもたらす環境価値と経済的収益性について包括的に分析したものです。

■ レポート公開の背景

世界的な脱炭素化の加速に伴い、カーボンクレジット市場は急速に拡大しています。温室効果ガスの削減は、もはや企業にとって「選択肢」ではなく「存続と成長の条件」となりつつあり、環境対策を単なるコストや負担ではなく、新たな財源創出や経済循環に繋げる具体的な取り組みが求められています。


こうした中、ベトナムは豊富な森林資源、樹種の多様性、若い労働力、そして林業プロジェクト実施の経験を有しており、森林カーボンクレジット事業において極めて高い潜在力を持つ国の一つです。ベトナムは気候変動に関する国連枠組条約(UNFCCC)を批准し、2003年にはクリーン開発メカニズム(CDM)※1 に関する国家窓口を設立、2004年にはCDM諮問グループも発足させるなど、制度面での整備も進んでいます。


カーボンゼログローバルは、こうしたベトナムの潜在力に着目し、同国における森林カーボンクレジット事業を推進しています。本レポートは、当社が取り組むベトナム森林プロジェクトの科学的根拠と経済的妥当性を示すものとして公開するものです。

■ 調査レポートの概要

本レポートは、ベトナム森林科学研究所 森林生態および環境研究センターが実施した2つの研究を基に構成されています。

第1部:ベトナムにおける主要な植林種のCO2吸収能力

ゴ・ディン・クエ准教授・博士らによる研究で、ベトナム各地の植林現場において、樹木(枝、葉、幹、根、落葉物)や土壌を分析し、炭素(C)の量を測定してCO2吸収量を算出しました。対象樹種は、ハイブリッドアカシア、アカシア・マンギウム、アカシア・オリキュラタ、樹脂マツ、ユーカリ・ウロフィラなどです。


第2部:クアンチ省におけるハイブリッドアカシアの成長評価と経済効果の評価


ベトナム森林科学研究所のチャン・ズイ・ルオン氏による研究で、クアンチ省カムロー村における実際の植林データを基に、ハイブリッドアカシアの成長特性と経済的収益性を評価しました。

■ 主要な調査結果


1. 主要植林種のCO2吸収能力

ベトナム各地の植林現場における調査の結果、各樹種が高いCO2吸収能力を持つことが確認されました。NIRI(ニッショーイワイ研究所)の基準に基づく計算では、以下の結果が得られています。

特にハイブリッドアカシアは、カムロー地区において1ヘクタール当たり1,400本を植林した場合、8年目には1ヘクタールあたり330トンのCO2を吸収するという結果が示されており、短期間で高い環境価値を創出できることが明らかになりました。


また、各樹種の生物学的生産量(樹木の成長量)とCO2吸収量の間には強い相関関係が確認されており、ハイブリッドアカシアでは相関式 Y = 1.90Z + 0.18(決定係数 r² = 0.99)という極めて高い精度で吸収量を推定できることが示されています。


2. CO2クレジットから得られる収益(試算)

トゥアティエン=フエ省Aルオイ郡ホンチュン村における試算では、各植林種から得られるCO2クレジット収益は以下のとおりです。

注目すべきは、ハイブリッドアカシアは植林からわずか3年で、10年以上経過した他の樹種よりも高い年間収益(125USD/ha)を生み出すという点です。これは、成長速度の速さとCO2吸収効率の高さが相まった結果であり、カーボンクレジット事業における最適な樹種の一つであることを示しています。

3. ハイブリッドアカシアの経済効果(木材収益を含む)

クアンチ省カムロー村における7年間の植林事業の経済効果を、NPV(正味現在価値)※2、BCR(便益費用比)※3、IRR(内部収益率)※4 の3つの指標で評価しました。

ハイブリッドアカシアの植林に1ドンを投資すると、間伐で得られる薪と収穫後の木材から、7年後には2.84ドンの収益が見込めます。

苗木から育てたハイブリッドアカシアの場合、IRR(内部収益率)は28.9〜30.6%と非常に高く、7年間のNPV(純利益)は1ヘクタールあたり33.9〜38.8百万ドンに達します。これは、カーボンクレジットによる収益に加えて、間伐材や木材販売による収益も含めた総合的な経済効果を示しています。

※1 クリーン開発メカニズム(CDM):先進国が途上国内で植林などの気候変動対策を実施した場合、削減した温室効果ガスの量を先進国の削減分としてカウントできる仕組みです。1997年にUNFCCCで採択された京都議定書に基づく制度の一つです。

※2 NPV(正味現在価値):投資プロジェクトの経済的効果を示す指標です。NPVが0より大きいとき、収入の現在価値が費用の現在価値を上回り、投資プロジェクトが利益を生むことを意味します。

※3 BCR(便益費用比):1単位の投資資金に対する収入の割合を示す指標です。BCRが1より大きいとき、割引後の総収入が割引後の総費用を上回り、投資プロジェクトが利益を生むことを意味します。

※4 IRR(内部収益率):正味現在価値(NPV)がゼロになる割引率を示す指標です。IRRが支払利率よりも大きいとき、プロジェクトは通常よりも高い利益を生むことを意味します。


■ ベトナムにおけるCDMプロジェクトの可能性と課題

本レポートでは、ベトナムにおけるCDMプロジェクトの潜在力と課題についても分析しています。

ベトナムは、良好な土地条件、樹種の多様性と成長速度の速さ、生物多様性の保護に適した環境、豊富な労働力、そして林業プロジェクト実施の経験といった多くの強みを有しています。一方で、CDMプロジェクトを指導できる人材の不足、プロジェクト管理や環境・経済・社会への影響評価に関する知識と経験の不足、適格な土地がベトナム各地に分散していること、そして国際基準に対応するための制度整備の遅れといった課題も明らかになっています。

カーボンゼログローバルは、こうした課題を踏まえた上で、現地の研究機関や関係者と連携しながら、持続可能な森林カーボンクレジット事業の構築に取り組んでいます。

■ カーボンゼログローバルの取り組み

カーボンゼログローバルは、1976年の創業以来、環境価値の創出と脱炭素社会への貢献に取り組んでまいりました。当社は、単にカーボンクレジットを扱うだけでなく、地球環境の未来を守る責任を果たしつつ、社会活動との調和を実現することを目指しています。

現在、当社のベトナム森林プロジェクトは国際認証基準によるクレジット発行の申請段階にあり、第三者認証機関と確認を重ねながら手続きを計画通り進めております。また、日本国内においても、カーボンクレジットの創出・発行支援や脱炭素コンサルティングを通じて、企業や自治体の脱炭素経営を支援しています。

私たちは、カーボンクレジットを単なるコストではなく、企業の未来を支える重要な手段であると考えています。信頼できるプロジェクトを厳選し、透明性と実効性を確保した環境価値を提供し続けることで、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。


■ 会社概要

社名: カーボンゼログローバル株式会社(公式サイト:https://carbonzero-global.com/

本社: 〒107-0061 東京都港区北青山1丁目3ー1 3階

代表者: 代表取締役 岡 大貴

事業内容: カーボンクレジットの取り扱い・販売、脱炭素コンサルティング、日本国内におけるカーボンクレジット創出・発行支援、ベトナム森林カーボンクレジット事業

■ 本件に関するお問い合わせ先

カーボンゼログローバル株式会社

お問い合わせフォーム:https://carbonzero-global.com/contact/

すべての画像


ビジネスカテゴリ
環境・エコ・リサイクル
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

URL
https://carbonzero-global.com/
業種
水産・農林業
本社所在地
東京都港区北青山1丁目3番1号 アールキューブ青山3階
電話番号
03-6737-7359
代表者名
岡大貴
上場
未上場
資本金
2000万円
設立
1976年02月