2014年5月の世界新車販売台数は年率換算で8,760万台-グローバル新車市場トレンド
英LMC社、2014年5月の世界自動車販売台数を発表
・英調査会社LMC Automotiveが発表した2014年5月のグローバル・ライトビークル(乗用車・小型商用車を指す。中大型商用車を除く)市場は、販売増のペースが加速し、季節調整済み年率換算では8,760万台/年の販売となり、昨年12月の最高記録8,830万台/年に近いものとなった。
・中国、米国、カナダの好調な販売、西欧、日本と韓国の堅調な販売が合わさって、東欧や南米の販売減をカバーした。
・中国、米国、カナダの好調な販売、西欧、日本と韓国の堅調な販売が合わさって、東欧や南米の販売減をカバーした。
北米
・5月の米国ライトビークル販売は、季節調整済み年率換算の販売ペースが1700万台/年超となって、危機以前の水準に完全に回復した。LMC Automotive は、この好調さが1年間継続するとは思わないが、2014年通年の販売は堅調なものになると予想する。
・カナダの5月のライトビークル販売は、もうすでに高水準であるにもかかわらず、さらに6%近く上昇した。季節調整済み年率換算で190万台/年の販売となり、2014年も過去最高販売になる可能性が高い。
欧州
・西欧の販売は2014年に4~5%増加するペースを維持している。5月のフランスとドイツの販売結果は残念なものに終わったが、イタリアとイギリスの好調な販売でカバーされた。イギリスの5月の季節調整済み年率換算の販売は280万台/年近くとなった。
・ロシアとウクライナ間の政治状況は自動車市場にダメージを負わせつつあり、中欧と東欧には西欧と同じような改善傾向はみられない。重要なロシア市 場は2013年末に季節調整済み年率換算販売で300万台/年を記録したが、5月には季節調整済み年率換算販売で240万台/年にまで落ち込んでおり、販売台数が約20%減少している。もっと安定した政治的状況が生まれる兆候があれば市場が底を打って回復へ向かう道が開けるが、明らかに大きなリスクが存在する。
中国
・速報値によれば、5月の年率換算の販売は過去最高の2,390万台/年に達した。下方修正後の4月の季節調整済み年率換算販売2,300万台/年から大きく改善した。前年同月比では5月の販売は11%増となった。大気汚染を抑制するために主要都市が自動車購入の規制を導入することを予想して、衝動 買いが引き続き自動車販売を後押ししている。
・しかしながら、ディーラーでの在庫水準が高くなっているという報告があり、近い将来販売がスローダウンするかもしれない。一方、中央銀行は経済成長を促進するために市場に流動性の供給を増やしており、政府の小規模な景気刺激策の実施と合わせて、自動車販売に好影響を与えるかもしれない。
アジア(中国以外)
・日本の販売は、消費税が4月1日に引き上げられてから、回復が早かった。5月の季節調整済み年率換算販売は520万台/年と、予想を上回るもので4月の510万台/年から少し改善した。しかしながら、所得の増加がインフレに追い付いておらず、この販売ペースは長続きしないと思われる。また、アベ ノミクスの好影響も消えつつある。
・韓国の5月の季節調整済み年率換算販売は160万台/年になり、異常に高かった4月の170万台/年の販売から、少し減少した。しかしながら、韓国の大きな輸出セクターが不振に苦しんでいることと失業率が上昇していることから、好調な販売ペースは長続きしないと思われる。
南米
・ブラジルの5月の季節調整済み年率換算販売は340万台/年と予想よりも少し高い結果になった。しかし、6月と7月の販売は、顧客がワールドカッ プのサッカー観戦に忙しくなるので、スローダウンすると予想される。インフレの継続と高金利は、2014年の新車購入の阻害要因になり続けるだろう。
・アルゼンチンでは、悪化する経済状況の下、5月は3カ月連続で前年同月比35%超の減少となった。蔓延するインフレ、弱体化する労働市場、金融危機のリスクが高まっていることなどが、消費者心理の悪化と自動車販売の減少につながる状況が続いている。
【より詳しい情報はこちら】
http://www.marklines.com/ja/forecast/#lv_rep
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【LMC Automotive Ltd.について】
LMC Automotiveは、JD Power社の自動車予測部門を前身とし、自動車、パワートレイン分
野の生産・販売予測サービスを専門的に提供する調査・コンサルティング会社。英国オックスフォードに本社を置き、自動車メーカー、部品メーカーを中心に金 融機関、政府機関含め、世界の500を超える顧客に幅広く予測サービスを提供している。海外拠点はデトロイト、上海、バンコク、フランクフルト、パリ。自 動車台数予測に加え、個別の調査・コンサルタント業務も提供している。
【マークラインズ株式会社について】
自動車産業ポータルhttp://www.marklines.comを 運営し、会員企業向けに台数等各種統計のほか、全世界4万社におよぶ部品サプライヤーのデータベースとその詳細なレポート、モデルチェンジ計画を含む製品 動向、環境規制・法規制動向、人事情報、業界関連ニュースなどを有料で提供している。現在、日本語・英語・中国語の3言語にてサイトを展開しており、日本 内外の1400社が利用し、サイトを閲覧している会員は10万人におよぶ。
【お問い合わせ先】
マークラインズ株式会社 調査部 石井 中野
Tel: 03-5785-1385
Email: LMC@marklines.com
・5月の米国ライトビークル販売は、季節調整済み年率換算の販売ペースが1700万台/年超となって、危機以前の水準に完全に回復した。LMC Automotive は、この好調さが1年間継続するとは思わないが、2014年通年の販売は堅調なものになると予想する。
・カナダの5月のライトビークル販売は、もうすでに高水準であるにもかかわらず、さらに6%近く上昇した。季節調整済み年率換算で190万台/年の販売となり、2014年も過去最高販売になる可能性が高い。
欧州
・西欧の販売は2014年に4~5%増加するペースを維持している。5月のフランスとドイツの販売結果は残念なものに終わったが、イタリアとイギリスの好調な販売でカバーされた。イギリスの5月の季節調整済み年率換算の販売は280万台/年近くとなった。
・ロシアとウクライナ間の政治状況は自動車市場にダメージを負わせつつあり、中欧と東欧には西欧と同じような改善傾向はみられない。重要なロシア市 場は2013年末に季節調整済み年率換算販売で300万台/年を記録したが、5月には季節調整済み年率換算販売で240万台/年にまで落ち込んでおり、販売台数が約20%減少している。もっと安定した政治的状況が生まれる兆候があれば市場が底を打って回復へ向かう道が開けるが、明らかに大きなリスクが存在する。
中国
・速報値によれば、5月の年率換算の販売は過去最高の2,390万台/年に達した。下方修正後の4月の季節調整済み年率換算販売2,300万台/年から大きく改善した。前年同月比では5月の販売は11%増となった。大気汚染を抑制するために主要都市が自動車購入の規制を導入することを予想して、衝動 買いが引き続き自動車販売を後押ししている。
・しかしながら、ディーラーでの在庫水準が高くなっているという報告があり、近い将来販売がスローダウンするかもしれない。一方、中央銀行は経済成長を促進するために市場に流動性の供給を増やしており、政府の小規模な景気刺激策の実施と合わせて、自動車販売に好影響を与えるかもしれない。
アジア(中国以外)
・日本の販売は、消費税が4月1日に引き上げられてから、回復が早かった。5月の季節調整済み年率換算販売は520万台/年と、予想を上回るもので4月の510万台/年から少し改善した。しかしながら、所得の増加がインフレに追い付いておらず、この販売ペースは長続きしないと思われる。また、アベ ノミクスの好影響も消えつつある。
・韓国の5月の季節調整済み年率換算販売は160万台/年になり、異常に高かった4月の170万台/年の販売から、少し減少した。しかしながら、韓国の大きな輸出セクターが不振に苦しんでいることと失業率が上昇していることから、好調な販売ペースは長続きしないと思われる。
南米
・ブラジルの5月の季節調整済み年率換算販売は340万台/年と予想よりも少し高い結果になった。しかし、6月と7月の販売は、顧客がワールドカッ プのサッカー観戦に忙しくなるので、スローダウンすると予想される。インフレの継続と高金利は、2014年の新車購入の阻害要因になり続けるだろう。
・アルゼンチンでは、悪化する経済状況の下、5月は3カ月連続で前年同月比35%超の減少となった。蔓延するインフレ、弱体化する労働市場、金融危機のリスクが高まっていることなどが、消費者心理の悪化と自動車販売の減少につながる状況が続いている。
【より詳しい情報はこちら】
http://www.marklines.com/ja/forecast/#lv_rep
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【LMC Automotive Ltd.について】
LMC Automotiveは、JD Power社の自動車予測部門を前身とし、自動車、パワートレイン分
野の生産・販売予測サービスを専門的に提供する調査・コンサルティング会社。英国オックスフォードに本社を置き、自動車メーカー、部品メーカーを中心に金 融機関、政府機関含め、世界の500を超える顧客に幅広く予測サービスを提供している。海外拠点はデトロイト、上海、バンコク、フランクフルト、パリ。自 動車台数予測に加え、個別の調査・コンサルタント業務も提供している。
【マークラインズ株式会社について】
自動車産業ポータルhttp://www.marklines.comを 運営し、会員企業向けに台数等各種統計のほか、全世界4万社におよぶ部品サプライヤーのデータベースとその詳細なレポート、モデルチェンジ計画を含む製品 動向、環境規制・法規制動向、人事情報、業界関連ニュースなどを有料で提供している。現在、日本語・英語・中国語の3言語にてサイトを展開しており、日本 内外の1400社が利用し、サイトを閲覧している会員は10万人におよぶ。
【お問い合わせ先】
マークラインズ株式会社 調査部 石井 中野
Tel: 03-5785-1385
Email: LMC@marklines.com
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