パプアニューギニアの貧困層は収入の50%、マダガスカルの貧困層は収入の45%を水に使っていることが明らかに
水・衛生の国際NGO WaterAidが世界水の日に報告書「水はいくら?-世界の水の状況」を発表
貧困かつ気候変動による異常気象と海面上昇に直面しているパプアニューギニア。この国に住む貧困層は、水を得るために、収入の半分近くも支払わなければいけないことが、WaterAidが世界水の日である3月22日に発表する報告書で明らかになりました。
世界では、6億5,000万人以上の人々が安全な飲料水を得ることができません。そのような人々は、下痢などの病気によって仕事ができなかったり、その病気を治すために薬を買わなければならなかったり、水くみに行かなければならず仕事をする時間がなかったり-安全な水を得ることができないことによって、大きな経済的損失を被っています。
しかし、これだけが経済的損失ではありません。
途上国の水・衛生問題に取り組む国際NGOウォーターエイドは、アジア、アフリカの活動国において、最貧困層である人々が、毎日どれくらいの金額を水のために使っているのか、そして日々、水に関してどのような問題に直面しているのかをヒヤリングしました。そこから見えたのは、健康面等による経済的損失だけではなく、水を得るために支払う料金が大きく家計を圧迫していることでした。WaterAidが世界水の日である3月22日に発表する報告「Water: At What Cost? The State of the World’s Water(水はいくら?-世界の水の状況)」 によると、マダガスカルでは、人々は給水車から水を買うしか選択肢がなく、それに支払う金額は、収入のおよそ45%にのぼります。モザンビークでは、「やみ市場」で水を売る人から水を買うしかなく、その金額は、政府が供給する水道に払う料金の100倍にもなります。一方、私たちが住む日本を含む先進国では、収入のうち水に使う金額の割合は0.1%程度です。
途上国の人々はこうやって水を得ている
「我が家では、3人の子供を含む家族全員分の食事や洗濯、お風呂などで、1日280Lの水が必要です。家の近所には水源がないので、自宅の水道水を売っている人から買うしか方法はありません。20Lのポリタンク1つで2.5メティカルもかかります。私はパンを売って生活をしていますが、安定した収入があるとは言えないので、この金額はとても高いです。今日はもう35メティカル(約84円)も水に使ってしまいました。」
「水を得るのは難しいことですが、私たちにはこの井戸があって幸運です。」エリザベスさんが言う井戸は、覆いがされておらず不衛生であるため、エリザベスさんはその水を、もっぱら体を洗うことと洗濯に使っています。
飲み水と料理用の水は、「ウォーターボーイ」と言われる水宅配サービスを利用、それには50Lの水に7.5キナ(303円)を払わなければいけません。収入の半分以上を、ウォーターボーイから買う水に使っています。
ウォーターエイドとは
ウォーターエイドは、途上国の水・衛生の問題に取り組む国際NGOです。2016年現在、アジア・アフリカを中心とする31か国で活動しています。途上国の貧困層が安全で低コストな水を持続的に利用できることを目指し、給水設備や衛生設備の設置といった水・衛生プロジェクトを展開するほか、行政・政府や水道事業会社への働きかけに取り組んでいます。
世界水の日とは
1992年、ブラジルのリオデジャネイロで開催された地球サミット(環境と開発に関する国連会議)で提案され、1993年の国連総会で毎年3月22日を「世界水の日」とすることが定められました。水の大切さなどについて世界中の人々と一緒に考えるための日として、国連機関やNGOが水に関連した活動を行っています。
*報告書は3月22日に公開予定です。ご覧になりたい方はご連絡ください。
しかし、これだけが経済的損失ではありません。
途上国の水・衛生問題に取り組む国際NGOウォーターエイドは、アジア、アフリカの活動国において、最貧困層である人々が、毎日どれくらいの金額を水のために使っているのか、そして日々、水に関してどのような問題に直面しているのかをヒヤリングしました。そこから見えたのは、健康面等による経済的損失だけではなく、水を得るために支払う料金が大きく家計を圧迫していることでした。WaterAidが世界水の日である3月22日に発表する報告「Water: At What Cost? The State of the World’s Water(水はいくら?-世界の水の状況)」 によると、マダガスカルでは、人々は給水車から水を買うしか選択肢がなく、それに支払う金額は、収入のおよそ45%にのぼります。モザンビークでは、「やみ市場」で水を売る人から水を買うしかなく、その金額は、政府が供給する水道に払う料金の100倍にもなります。一方、私たちが住む日本を含む先進国では、収入のうち水に使う金額の割合は0.1%程度です。
途上国の人々はこうやって水を得ている
アメリアさんは、モザンビークの首都、マプトのはずれに住んでいます。アメリアさんと夫は、2人合わせて1日100メティカル(約248円)で暮らしています。この金額には、アメリアさんが毎日パンを売って稼いだ収入も含まれています。安全な水を手に入れるには、違法な水売り人から20Lを2.5メティカル(約7円)で買わなければなりません。
「我が家では、3人の子供を含む家族全員分の食事や洗濯、お風呂などで、1日280Lの水が必要です。家の近所には水源がないので、自宅の水道水を売っている人から買うしか方法はありません。20Lのポリタンク1つで2.5メティカルもかかります。私はパンを売って生活をしていますが、安定した収入があるとは言えないので、この金額はとても高いです。今日はもう35メティカル(約84円)も水に使ってしまいました。」
パプアニューギニアの首都ポートモレスビーの郊外に住むエリザベスさん(53歳)。スナック類を屋台で売ることを仕事にしており、商売が順調にいった週の売り上げは100キナ(4,123円)になります。これは1日あたり14キナ(594円)です。エリザベスさんの夫は、建設の仕事に就いており、同じくらいの収入を得ています。
「水を得るのは難しいことですが、私たちにはこの井戸があって幸運です。」エリザベスさんが言う井戸は、覆いがされておらず不衛生であるため、エリザベスさんはその水を、もっぱら体を洗うことと洗濯に使っています。
飲み水と料理用の水は、「ウォーターボーイ」と言われる水宅配サービスを利用、それには50Lの水に7.5キナ(303円)を払わなければいけません。収入の半分以上を、ウォーターボーイから買う水に使っています。
ウォーターエイドとは
ウォーターエイドは、途上国の水・衛生の問題に取り組む国際NGOです。2016年現在、アジア・アフリカを中心とする31か国で活動しています。途上国の貧困層が安全で低コストな水を持続的に利用できることを目指し、給水設備や衛生設備の設置といった水・衛生プロジェクトを展開するほか、行政・政府や水道事業会社への働きかけに取り組んでいます。
世界水の日とは
1992年、ブラジルのリオデジャネイロで開催された地球サミット(環境と開発に関する国連会議)で提案され、1993年の国連総会で毎年3月22日を「世界水の日」とすることが定められました。水の大切さなどについて世界中の人々と一緒に考えるための日として、国連機関やNGOが水に関連した活動を行っています。
*報告書は3月22日に公開予定です。ご覧になりたい方はご連絡ください。
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