ヘルスソフトウェアに求められる国際規格の要求を段階的に習得するセミナーを東京で開催
ヘルスソフトウェアのリスク分析入門セミナー(第2回)
【ヘルスソフトウェアやヘルスアプリが行き着く先はどこか】
ヘルスソフトウェアは国際規格IEC 82304-1(ヘルスソフトウェアー第1部 製品安全に関する一般要求事項)にて「個人の健康管理・維持・向上目的または、医療の提供に使用されることを意図したソフトウェア」と定義されました。ヘルスソフトウェアは、スマートフォンやタブレット端末などの普及に伴いさまざまな種類のソフトウェアがリリースされ、今後も大量に開発され、市場に投入されることが見込まれています。また、遠隔医療など、これまでの対面診療とは異なるヘルスソフトウェアを利用した医療サービスや、薬機法(医薬品医療機器等法)の申請をし、効果効能を謳い保険収載を目指すヘルスソフトウェアも現れてきています。
ヘルスケアの領域に新規参入し、個人の健康管理・維持・向上目的でリリースした非医療機器扱いのヘルスソフトウェアの開発企業も、ヘルスソフトウェアの利用者や医療機関と機能や性能の改善を進めていくうちに、診断や治療の領域に近づていることを実感し、効果効能を主張したいと思うようになるかもしれません。
ヘルスソフトウェアの効果・効能の裏側にはそれらを実現しているソフトウェアに障害が起きたときの「リスク」が潜んでいます。医療機器ソフトウェアの歴史は、事故の再発防止の歴史といっても過言ではありません。その歴史の中で培った「品質マネジメント」「リスクマネジメント」「開発ライフサイクル」「バリデーションを含む製品安全」の国際規格の要求を、ヘルスソフトウェアの開発者が段階的に習得できるしくみが ヘルスソフトウェア開発ガイドライン(GHS開発ガイドライン)であり、GHSが提供するセミナーです。
ヘルスソフトウェアのリスク分析入門セミナー(第2回)はヘルスソフトウェアの新規参入者や、医療機器ソフトウェアを委託開発しているソフトウェアハウスの技術者、品質管理担当者、経営者などが、ヘルスソフトウェアの開発の中で求められるリスク分析について、医療機器と非医療機器の境界や医療の現場で発生するリスクとは何かを学びことができます。
■GHSセミナーのコースフロー(左上が今回のセミナー)
ヘルスソフトウェアのリスク分析入門セミナー(第2回)
- ヘルスソフトウェアの周辺に存在するリスクをマネジメントする -
主催 一般社団法人 ヘルスソフトウェア推進協議会
日時 2019年8月26日(月) 13:00~16:30 (受け付け開始 12:30)
場所 保健医療福祉情報システム工業会: JAHIS(東京都港区、別紙案内をご覧ください)
内容 「プログラム」をご覧ください。
参加費 5,000円/人(消費税込み)(事前申込制として当日受付は予定しておりません。)
定員 100名
詳細 https://www.good-hs.jp/seminar.html
申込期限 2019年8月17日(必着)
【申込みページ】https://39auto.biz/good-hs/regires.php?tno=21
ただし,申込期限までに定員に達した場合は,その時点で締め切らせて頂きますので,ご承知おき願います。
事務局 〒100-0004 東京都千代田区大手町1-1-3 大手センタービル5階
(一般社団法人 電子情報技術産業協会 JEITA IoT事業推進部内)
一般社団法人 ヘルスソフトウェア推進協議会
E-mail:info@good-hs.jp
TEL:03-3217-2555
ヘルスソフトウェアのリスク分析入門セミナー プログラム
13:00~13:10 開講挨拶(スケジュール確認,連絡)
13:10~13:30 GHSとGHS開発ガイドラインの紹介
13:30~14:15 ヘルスソフトウェア-規制と規制対象外の境界の考え方(効果・効能とリスク)
14:15~14:30 休憩
14:30~15:15 ヘルスソフトウェアの周辺に存在するリスク(健康リスク)
15:15~16:00 リスク分析の考え方とリスク分析演習(仮想ヘルスソフトウェアを想定して)
16:00~16:15 質疑応答
16:15~16:30 アンケート記入・提出
講師:一般社団法人ヘルスソフトウェア推進協議会 技術教育委員会
【備考】
1. プログラムの内容・講師等に関しては、変更となる場合がありますので、予めご承知おきくださるようお願いいたします。
【GHS:ヘルスソフトウェア推進協議会とは】
ソフトウェアは、IT社会の基盤技術として幅広い分野で活用されています。多くの医療機器にもソフトウェアがさまざまな形で使用されているほか、医療機器以外にも医療機関のあらゆるところでソフトウェアが使用されております。さらに、スマートフォンやタブレット端末などの普及に伴い、これらの医療分野への活用も進んでおり、個人利用の健康管理等に用いるソフトウェアなども多く市場に提供されるなど、医療や健康に関わる「ヘルスソフトウェア ※1」は、多様な環境で使用されるようになってきています。
産業界としては、優良なヘルスソフトウェアを提供することが重要と考えています。そのため、業界自主ガイドラインを設け、使用者が優良なヘルスソフトウェアを使用できる環境を整えることを推進することと致しました。
※1 個人の健康管理・維持・向上目的または、医療の提供に使用されることを意図したソフトウェア
【GHSの目的】
医薬品医療機器等法 ※2 対象外のヘルスソフトウェアの開発者等がヘルスソフトウェア開発ガイドラインを適用することによって、利用者に優良なヘルスソフトウェアを提供できるようになります。また、利用者がより安心してヘルスソフトウェアを使えるようになることです。
※2 正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律」
【適用範囲】
ヘルスソフトウェア開発ガイドライン(GHS開発ガイドライン)は、利用者の安全の観点から推奨される法規制対象外のヘルスソフトウェアの品質マネジメント、リスクマネジメント、ソフトウェアの製品安全及びソフトウェアライフサイクルプロセスに対して適用します。また、本ガイドラインは日本国内で使用されるソフトウェアを対象とします。
【ヘルスソフトウェア開発ガイドラインの系譜】
医療用ソフトウェア市場が拡大する中で、経済産業省は医療や健康に係るソフトウェアについて、産業振興と最適な制度設計の方向性を検討するため、平成24年度より2年間に渡り「医療用ソフトウェアに関する研究会」を開催し、検討を進めてきました。平成25年度の研究会では、研究会の配下に医療関連目的のソフトウェアの開発に関する基本的な考え方を開発ガイドラインとしてまとめるワーキンググループが組織され、「ヘルスソフトウェア開発に関する基本的考え方 開発ガイドライン2014(手引き)」が策定されました。
医療用ソフトウェアに関する研究会及び配下のワーキンググループにメンバーとして参加していた医療系の3工業会(JEITA, JIRA, JAHIS)は研究会での議論の結果と「ヘルスソフトウェア開発に関する基本的考え方 開発ガイドライン2014(手引き)」を踏まえて、産業界が考えるヘルスソフトウェア開発に必要な要求事項としてヘルスソフトウェア開発ガイドラインを策定し、同時の本ガイドラインを適用して利用者に優良なヘルスソフトウェアが提供できるようになるよう、ヘルスソフトウェアの開発者をサポートする協議会を2014年8月1日に立ち上げました。
【日本におけるヘルスソフトウェアの分類について】
医薬品医療機器等法が適用される法規制対象の医療機器ソフトウェアは下図のA領域(該当性の判断については規制当局の情報をご覧ください)になります。法規制対象外であっても、個人の健康管理・維持・向上目的または、医療の提供に使用されることを意図したソフトウェアであり、利用者の安全の観点からガイドラインの適用が推奨されるヘルスソフトウェアは下図のB領域となります。また、法規制対象外のヘルスソフトウェアであって、リスク考慮の必要がないものは下図のC領域となります。
※リスク考慮の必要があるかないかを判定するためには、GHS Level-1 で習得が求められるリスク分析の手法が有効です。
【ガイドライン適合レベルと要求項目の関係】
GHS開発ガイドラインは適合する要求事項に応じて3つのレベルが設定されています。Level-1 では「リスクマネジメント」要求を、Level-2 では「リスクマネジメント」要求の他、「品質マネジメント」「ヘルスソフトウェアの製品安全」「ソフトウェアライフサイクルプロセス」の要求のうち1つまたは2つに適合します。
Level-3 では全要求に適合します。これらの要求事項は法規制対象のソフトウェアに求められる国際規格の要求の一部(サブセット)です。
下図は、GHS開発ガイドラインとガイドラインの4つの要求事項「リスクマネジメント」「品質マネジメント」「ヘルスソフトウェアの製品安全」「ソフトウェアライフサイクルプロセス」の元となる国際規格との関係を表したものです。楕円の重なる面積の広さが、国際規格の参照の程度を表しています。
【GHS開発ガイドラインへの適合は医療機器ソフトウェアの開発に役立ちます】
GHS開発ガイドラインとガイドラインの適合レベルは、医療機器ソフトウェアで求められる国際規格のサブセットを段階的に習得できるようアレンジしています。GHS開発ガイドラインの適合レベルを一つずつ習得していくことは、ヘルスソフトウェア開発に新規参入する組織のみならず、法規制対象の医療機器ソフトウェアの開発を目指している組織にも役に立ちます。
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