「ガラスは最高のわき役である」技術屋一筋で半世紀
伊勢谷三郎が日本構造デザイン賞松井源吾特別賞を受賞しました
「ファサード・エンジニアリングを通じた建築および構造デザインへの顕著な貢献」を認められ、受賞する運びとなりました。伊勢谷は1966年に旭硝子株式会社中央研究所に入所しガラスの実用強度確認に携わって以来、今もなおガラス・ファサード・エンジニアリングを牽引し続けています。
ファサードは建物の外装を指し、建物の格式や性格を表します。1960年代前半まで、ガラスはサッシにはめ込まれるカバー材でしかなく、建物を支える構造体は鉄とコンクリートの外装で覆われた日陰の存在でした。しかし、伊勢谷が開発に貢献した数々のサッシレスガラス構法は建物の透明性を増し、背後の構造が表舞台へ出てくる存在へと変化したのです。これにより、構造家が繊細な魅せる構造体へ挑戦する機会が増え、構造家に活躍の場が与えたことが評価されました。
伊勢谷三郎
旭ビルウォール株式会社 ガラス材料領域フェロー
1943年 新潟県生まれ
1966年 早稲田大学理工学部建築学科卒業
1966-1969年 旭硝子株式会社中央研究所硝子商品研究室
1969-2000年 旭硝子株式会社東京支店硝子開発課
2000-2008年 旭硝子ビル建材エンジニアリング株式会社に転籍
2008年- 旭ビルウォール株式会社
伊勢谷三郎 コメント
「ガラスは唯一の透明建築材料であるが故に、様々な役割を期待されます。その期待に応える機能を満たしたガラス製品を開発すると共に、留め方のディテールを開発するのが、我々ファサードエンジニアの役目です。ガラスは透明であるが故に、支持構造体、支持金物、それらのディテールの美しさが際立ちますので、構造家とのコラボレーションが非常に大切です。建築家だけでなく、構造家とのコラボレーションによって中の構造体を美しくすることを目指しています。カーテンウォールの構造体は美しくなければならないし、そういうものがお客様に喜んでもらえると思っています。」
日本構造デザイン賞 松井源吾特別賞 概要
主催:日本構造家俱楽部
選考委員:竹内徹(委員長)
福島加津也 重松象平 アラン・バーデン 原田公明 岡村仁 大野博史
◇松井源吾特別賞について
松井源吾特別賞は松井源吾賞を受け継ぐ顕彰として設けられた賞です。
松井源吾は菊竹清訓や黒川紀章など著名な建築家と数多くの建築を生み出してきた構造設計者の一人です。松井源吾賞は、1990年、松井源吾の早稲田大学退官を機に、構造設計者の社会的評価を向上させることを目指して創設されました。2005年で終了したのち、これを受け継ぐ顕彰として同賞の受賞者らが「日本構造デザイン賞」を創設、2008年からは「松井源吾特別賞」が設けられました。日本構造デザイン賞松井源吾賞は、構造デザインの発展に長年貢献した諸活動が顕著な個々人を表彰するもので、ヴェルナー・ゾーベック氏、和田章氏、彦根茂氏などが受賞しています。
旭ビルウォール株式会社(以下、AGB)会社概要
AGBは「後世に受け継がれる美しいファサードづくりで、都市の景観と環境に貢献する」を経営理念とし、デザイナーが思い描く建築外装の実現を一式で検討から施工まで行う、ファサードエンジニアリングを行っております。今後も国内外の建築外装に携わり、美しい街並みを形成するとともに、持続可能な社会に貢献できるよう邁進してまいります。
会社名:旭ビルウォール株式会社
本社所在地:東京都台東区松が谷1-3-5 JPR上野イーストビル8階
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