リテールAIプラットフォームプロジェクト「リアイル」戦略発表会事後レポート
リテールAIで目指す新しい買い物体験が「トライアル長沼店」で実現することが明らかに!4月24日(金)に関東初のスマートストアとしてオープン
株式会社トライアルカンパニー(本社:福岡県福岡市、代表取締役:石橋 亮太 以下、トライアル)、サントリー酒類株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:山田 賢治 以下、サントリー)、株式会社日本アクセス(本社:東京都品川区、代表取締役社長:佐々木 淳一 以下、日本アクセス)、日本ハム株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:畑 佳秀 以下、日本ハム)、フクシマガリレイ株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:福島 裕 以下、フクシマガリレイ)、株式会社ムロオ(本社:広島県呉市、代表取締役社長:山下 俊一郎 以下、ムロオ)の6社が、テクノロジーが進化した第四次産業革命における小売・流通業界を牽引する存在として、“流通情報革命”をテーマに発足したリテールAIプラットフォームプロジェクト「リアイル」は、2020年2月25日(火)に都内のホテルにて、リテールAIプラットフォームプロジェクト「リアイル」戦略発表会を開催しました。
リテールAIプラットフォームプロジェクト「リアイル」は、日本の小売・流通業界人口減による市場縮小や140兆円規模の市場のうちの約3割のコストが最適化されない「ムダ・ムラ・ムリ」の存在など、さまざまな社会課題に直面している中で、小売・卸・流通・メーカー・冷蔵ショーケースメーカーの各プレイヤーが連携し、AIによって得られたデータをうまく活用していくことで、流通業界の構造改革による社会課題の解決、消費者の購買体験の向上など“流通情報革命”を起こすことを共通の目的として発足しました。
■株式会社Retail AI 永田 洋幸(代表取締役社長)
トップバッターとして登壇した本プロジェクトのリーダーである永田氏は、「リテールAIプラットフォームプロジェクトが目指すプロジェクトビジョン」について発表。
そして、「それには、Retail AIが提唱する、テクノロジー優先ではなく、実際に店舗がどのようなオペレーションで動いているかということを重要視する、オぺレーションドリブンの考え方が必要です。事実、私自身もシリコンバレーにいた際に、テクノロジー優先で消えていったビジネスがたくさん見てきました。だからこそオペレーションを重要視しなければならないと思っています。我々は流通産業にあるムダ・ムラ・ムリを、AIで改善していくことでお客様の買物体験を良くしていきます。流通産業の変化は小売だけ、メーカーだけの部分最適だけでは効果を発揮せず、全体最適が可能であるプラットフォームとして業界全体へ波及し流通産業の変化を促す行動につながっていくことが必要であると考えています。」とリテールAIを進めていくうえで大切になる考え方と、業界全体で取り組むことの重要性をのべるとともに「Retail AIはオぺレーションドリブンの考えのもと、リアル店舗で商品と個人をつなぐデジタルトランスフォーメーションを行い、小売業にデータを生み出します。そして、データを主体に新たな価値を創出することで、買い物体験を変えていきます。買い物体験を変えるには、メーカー・卸・ファシリティ・物流と小売業が今まで以上に連携することが重要です。本プロジェクトはそういう趣旨に賛同してくださった皆様がオープンイノベーションで産業を変えることを目的に集まりました。」プロジェクトが目指すビジョンを語りました。
さらに永田氏は「これから一緒に業界を変えていく仲間が発表していくことが『トライアル長沼店』に導入され、4月24日(金)にリニューアルオープンいたします。我々は『トライアル長沼店』で実績をつくり、リテールAIがこれからの小売にとって必要不可欠であることを実証し続け、導入店舗を拡大していきます。」プロジェクトが培ってきたノウハウが「トライアル長沼店」に集結することを明らかにしました。
■サントリー酒類株式会社 中村 直人(営業推進本部 兼 広域営業本部 部長 リテールAI推進チーム シニアリーダー)
中村氏は「我々メーカーにはふたつのお客さまが存在している。ひとつはトライアルのような流通関係企業、もうひとつは実際に買い物をされるお客様、ふたつのお客さまの買い物体験をどのように向上していけるかというのがメーカーとしての使命だと思っています。」とメーカーとしての考えを語りました。
さらに「流通企業については、リテールAIの活用などにより店頭でのマーケティングを高度化させている。そういった中で、お客様のベネフィットをどのように買い物体験で上げていけるかと考えたときに『時間価値』になるのではないかと思っている。献立の検討時間や手間、レジ待ち時間など、買い物プロセスをどのように効率化するのかを考えて、ストレスフリーでスマートな買い物体験を提供していかなければならない。」とリテールAIを取り入れることで実現したい買い物体験を述べました
また、中村氏は「カメラによって売場を把握することで、お客様の見えなかった購買行動が明らかになってきている。こういった方々に画一的なアプローチをするのではなく、メーカー、小売、卸、流通の各企業が連動しながら、買い物体験を向上させていく。実際それをビジネスエコシステムという形で「リアイル」の参画メンバーが同一のプラットフォーム上でお客様満足を上げていくための共通目的をもって実践することがこれからの小売・流通業界に必要。そしてクラウド上でデータを一元管理していくことでスマートなライフスタイルが実現すると考えています。」と「リアイル」が目指すライフスタイルの変化を語りました。
最後にサントリーとトライアルの取り組みによるシェア向上の具体的な成果を示し「他の流通企業も含めて、ますます日本の流通を変えていけるように頑張っていきたい。」とリテールAIを活用した小売・流通企業との更なる連携に意欲を見せました。
■日本ハム株式会社 小村 勝(マーケティング推進部長 兼 新市場創造部長)
3番手に登壇した小村氏は、「リテールAIを組み込んだマーケティングプロセス確立による顧客満足度向上と流通フロー最適化による業務効率化チャンスロス削減について」を発表。
また「メーカー側からしても、リテールAIがもたらすメリットは、メーカーの抱える問題の解決につながる。大きなポイントとしては商品開発、需要予測をAIの力を活用することで、発注、製造計画、ショッパーマーケティングなどにも活用できる」とリテールAIの活用により考えられる課題解決に注目するとともに、リテールAIを活用して2週間前に行う『2週間前予測』と、前日の在庫状況を踏まえた『直前分析』で欠品率を改善することができた。」という業務効率化によるチャンスロス削減事例を紹介。
さらに「この春にお客様の声をもとに発売した新商品『シャウベーコロン』はまだ誕生したばかりだが、これから改めてトライアルと組んで、この商品を購入されるお客様の購買行動を分析し、仮説を検証することで、新たなハムソーセージの売り場を構築していきたい。また、4月24日の『トライアル長沼店』のオープンに向けては、エリアの状況や情報をしっかりとリテールAIにより分析することで、今までのハムソーセージ売り場にはない、新しい価値を創造していきたい。」と今後の意気込みを語りました。
■株式会社日本アクセス 今津 達也(マーケティング部 部長代行)
4番手に登壇した今津氏は、「リテールAI活用によるデイリー売場分析と分析データ活用によるチャンスロスを防ぐ取り組みについて」を発表。
また、「トライアルのとある店舗で、廃棄ロスの分析を行っている中で、ダイナミックプライシングを活用していかに廃棄ロスを減らせるかという検証を行っていたが、実はあるカテゴリーに限れば、廃棄ロスということがあまり起こっておらず、お店側で廃棄を減らそうとするあまり、発注数量を抑え、売場でのチャンスロスが発生していることがわかった。」とデイリー売場の分析により判明した事実を紹介。
さらに今津氏は、「そのような背景から、トライアルのリテールAIカメラを活用したチャンスロスの分析を、今まさに行っており、現在は第4次産業革命と言われているが、コンピューターが目を持ったということが非常に重要であり、リアル店舗での売場の可視化が可能になりつつある。また、それにより各種データを組み合わせる事でチャンスロスを可視化できる可能性があり、ある程度の定量化は出来ることがわかった。カテゴリーごとに欠品率が異なるため、重点的に改善をおこなうカテゴリーを絞る必要があるが、今後は可視化されたデータを元に、発注システムへの連動や廃棄との関連性を見ていく必要がある。」と得られる分析データとその活用イメージを説明しました。
最後に「『トライアル長沼店』のオープンに向けては、これまで分析した結果をもとに発注精度の向上を目指したシステムとの連動、品揃えの見直し、レジカートやダイナミックプライシングによる攻めの販促というものを考えていきたい。今まで出来なかった分析手法を用いて小売様の売上拡大に向けて、卸売の機能強化を目指していきたい。」と今後の意気込みを語りました。
■株式会社ムロオ 山下 俊一郎(代表取締役社長)
つづいて登壇した山下氏は、「メーカー、小売、卸 共同配送センターの設置で変わる日本の物流について」を発表。
つづけて「その中で物流を改善しようと思ったら、一企業だけでは難しいのが現実です。複数の企業で、もっと大きな物量で改善するという考え方が必要。川上から川下までの物流を部分最適ではなく、業過全体、エリア全体を見た全体最適をしていくことが重要となります。物流を各社が戦ってきた競争領域からインフラとしての協調領域へ変えていくことが不可欠、それを『リテール・ロジスティクス・プラットフォーム構想』として進めています。」と物流業界の新たな考え方を示しました。
またトライアル基幹物流センターである白鳥物流センターでの取り組みを紹介。「同一エリア内に汎用センターを設け、エリア内の物流全体最適化を図り、新たな物流プラットフォームの形成を目指している。同業他社と組むことで互いのエリア内の倉庫・配送の効率を上げる、異業種他社と組むことで互いのエリア内の倉庫・配送の効率を上げる、専用から汎用物流センター、そして、AI物流センターへという考え方を進めています。」と競争領域から協調領域となり、同業他社、異業種を巻き込んで物流資産を共有することで、「ムダ・ムラ・ムリ」を減らしていく、変革の方向性を明らかにしました。
■フクシマガリレイ株式会社 福島 豪(専務取締役 営業本部長)
最後に壇上へ上がった福島氏は、「AIファシリティ企業として取り組むリテールAI」を発表。
具体的には「AIファシリティ企業として、従来の『鮮度管理と省エネ』だけでなく、お客様が儲かる『売れる」AIショーケース』をつくっていくという発想の転換、デジタルトランスフォーメーションによるメディア化で活性したリアル店舗の実現、リテールAIの普及を加速させるインフラ構築・メンテナンスを担うと述べました。最終的には小売店舗へ買い物に来る生活者が「買い物を楽しめるスーパー」を増やし、流通産業を変えていく。また、流通革命をプロジェクトメンバーとつくっていく」とプロジェクトにおける使命を語りました。
また、リテールAIショーケースを発表会会場に展示し、「AIカメラ、電子棚札、サイネージ、内蔵ビーコンなどを備え、欠品検知、人流検知、商品検知が可能となっており、自動発注連動、ダイナミックプライシング、パーソナライズサイネージ広告というソリューションで、楽しい買い物環境の提供をプロジェクトメンバーと取り組んでいきたい。」とトライアル長沼店で実装されるリテールAIショーケースの機能やソリューションを具体的に紹介しました。
さらに、「ファシリティ企業はハードを提供するだけでなく、『リアイル』のエコシステムの構築が重要だと考えている。」と福島氏は述べ、昨年12月から稼働したフクシマガリレイ新本社にある、リテールAIの発信、検証店舗の「MILABストア」を紹介した。「MILABストア」では、「AIカメラ、電子棚札、サイネージを備えたAIショーケースや、スマートショッピングカートが稼働しており、12月の開業以来約3,000名を超える小売業、メーカー、卸の方にお越しいただき、この『リアイル』の取り組みでどんな新しいことができるかを体験してもらっています。」とAIファシリティ企業としてリテールAIプラットフォームの発信活動も披露しました。
最後に福島氏は「お客様がドキドキ、ワクワク買い物を楽しめること、それと同時に小売業の売り上げや生産性が上がる。こういう世界観をつくっていくことが『リアイル』の目標だと思っています。」とプレゼンテーションを締めました。
本プロジェクト名である「リアイル」は、絵空ごとではなく、現実のものとして実現した“リアルなAI”という意味と、“リテールAI”をかけ合わせた造語です。また、バーチャルではなく、“リアルで愛のあるプラットフォーム”という想いも込められています。日本発のリテールAIプラットフォーム「REAIL(リアイル)」にご期待ください。
本発表会は参画企業による具体的な取り組みの披露や、セルフレジ機能付きの買い物カート「レジカート」、欠品情報、店内の人の流れを検知し商品棚づくりに生かす「AIカメラ」等、「リアイル」のAI技術を結集した、関東発のスマートストア、「トライアル長沼店」が4月24日(金)にリニューアルオープンすることが明らかになったことにより、開会から閉会まで会場内は注目の視線に包まれました。
本発表会では、プロジェクトが発足したその背景や小売・流通業界のトップランナーとして目指すべき社会、実際に活用されているリテールAI技術、消費者に与える購買体験の変化等について、各社のリテールAI技術を活用した事例とその成果が発表されました。
■株式会社Retail AI 永田 洋幸(代表取締役社長)
トップバッターとして登壇した本プロジェクトのリーダーである永田氏は、「リテールAIプラットフォームプロジェクトが目指すプロジェクトビジョン」について発表。
永田氏は「本プロジェクトの目的は、実際のオペレーションを変え、数値実績を出すもの。それを実現するために店舗とデータを持つトライアルを主体とした参画企業との実際の『流通情報革命』が重要です。」とプロジェクトが発足した目的と意義を改めて示しました。
そして、「それには、Retail AIが提唱する、テクノロジー優先ではなく、実際に店舗がどのようなオペレーションで動いているかということを重要視する、オぺレーションドリブンの考え方が必要です。事実、私自身もシリコンバレーにいた際に、テクノロジー優先で消えていったビジネスがたくさん見てきました。だからこそオペレーションを重要視しなければならないと思っています。我々は流通産業にあるムダ・ムラ・ムリを、AIで改善していくことでお客様の買物体験を良くしていきます。流通産業の変化は小売だけ、メーカーだけの部分最適だけでは効果を発揮せず、全体最適が可能であるプラットフォームとして業界全体へ波及し流通産業の変化を促す行動につながっていくことが必要であると考えています。」とリテールAIを進めていくうえで大切になる考え方と、業界全体で取り組むことの重要性をのべるとともに「Retail AIはオぺレーションドリブンの考えのもと、リアル店舗で商品と個人をつなぐデジタルトランスフォーメーションを行い、小売業にデータを生み出します。そして、データを主体に新たな価値を創出することで、買い物体験を変えていきます。買い物体験を変えるには、メーカー・卸・ファシリティ・物流と小売業が今まで以上に連携することが重要です。本プロジェクトはそういう趣旨に賛同してくださった皆様がオープンイノベーションで産業を変えることを目的に集まりました。」プロジェクトが目指すビジョンを語りました。
さらに永田氏は「これから一緒に業界を変えていく仲間が発表していくことが『トライアル長沼店』に導入され、4月24日(金)にリニューアルオープンいたします。我々は『トライアル長沼店』で実績をつくり、リテールAIがこれからの小売にとって必要不可欠であることを実証し続け、導入店舗を拡大していきます。」プロジェクトが培ってきたノウハウが「トライアル長沼店」に集結することを明らかにしました。
■サントリー酒類株式会社 中村 直人(営業推進本部 兼 広域営業本部 部長 リテールAI推進チーム シニアリーダー)
つづいて登壇したのは、中村氏は「デジタルやIoTテクノロジーを取り入れた「スマート」な買い物とライフスタイルの提供について」発表。
中村氏は「我々メーカーにはふたつのお客さまが存在している。ひとつはトライアルのような流通関係企業、もうひとつは実際に買い物をされるお客様、ふたつのお客さまの買い物体験をどのように向上していけるかというのがメーカーとしての使命だと思っています。」とメーカーとしての考えを語りました。
さらに「流通企業については、リテールAIの活用などにより店頭でのマーケティングを高度化させている。そういった中で、お客様のベネフィットをどのように買い物体験で上げていけるかと考えたときに『時間価値』になるのではないかと思っている。献立の検討時間や手間、レジ待ち時間など、買い物プロセスをどのように効率化するのかを考えて、ストレスフリーでスマートな買い物体験を提供していかなければならない。」とリテールAIを取り入れることで実現したい買い物体験を述べました
また、中村氏は「カメラによって売場を把握することで、お客様の見えなかった購買行動が明らかになってきている。こういった方々に画一的なアプローチをするのではなく、メーカー、小売、卸、流通の各企業が連動しながら、買い物体験を向上させていく。実際それをビジネスエコシステムという形で「リアイル」の参画メンバーが同一のプラットフォーム上でお客様満足を上げていくための共通目的をもって実践することがこれからの小売・流通業界に必要。そしてクラウド上でデータを一元管理していくことでスマートなライフスタイルが実現すると考えています。」と「リアイル」が目指すライフスタイルの変化を語りました。
最後にサントリーとトライアルの取り組みによるシェア向上の具体的な成果を示し「他の流通企業も含めて、ますます日本の流通を変えていけるように頑張っていきたい。」とリテールAIを活用した小売・流通企業との更なる連携に意欲を見せました。
■日本ハム株式会社 小村 勝(マーケティング推進部長 兼 新市場創造部長)
3番手に登壇した小村氏は、「リテールAIを組み込んだマーケティングプロセス確立による顧客満足度向上と流通フロー最適化による業務効率化チャンスロス削減について」を発表。
小村氏は「ハムソーセージ市場はここ数年で減少傾向。お客様のライフスタイルの変化や人口減などさまざまな問題があるが、マーケットが小さくなっている。ハムソーセージ市場は、今までのPOSデータやビッグデータだけでなく、AIを活用した新たな手法にてお客様ニーズを捉えた商品開発・新たな売場構築が必要だと考えている。」と置かれる現状とマーケティングプロセスへのリテールAIの必要性を述べました。
また「メーカー側からしても、リテールAIがもたらすメリットは、メーカーの抱える問題の解決につながる。大きなポイントとしては商品開発、需要予測をAIの力を活用することで、発注、製造計画、ショッパーマーケティングなどにも活用できる」とリテールAIの活用により考えられる課題解決に注目するとともに、リテールAIを活用して2週間前に行う『2週間前予測』と、前日の在庫状況を踏まえた『直前分析』で欠品率を改善することができた。」という業務効率化によるチャンスロス削減事例を紹介。
さらに「この春にお客様の声をもとに発売した新商品『シャウベーコロン』はまだ誕生したばかりだが、これから改めてトライアルと組んで、この商品を購入されるお客様の購買行動を分析し、仮説を検証することで、新たなハムソーセージの売り場を構築していきたい。また、4月24日の『トライアル長沼店』のオープンに向けては、エリアの状況や情報をしっかりとリテールAIにより分析することで、今までのハムソーセージ売り場にはない、新しい価値を創造していきたい。」と今後の意気込みを語りました。
■株式会社日本アクセス 今津 達也(マーケティング部 部長代行)
4番手に登壇した今津氏は、「リテールAI活用によるデイリー売場分析と分析データ活用によるチャンスロスを防ぐ取り組みについて」を発表。
今津氏は人口減少、少子高齢化、グローバル化など、卸売業も伝統的な卸売機能をこれまでと同じように担うだけでは、 事業の持続的成長が難しい中で、「リテールAIテクノロジーを活用して流通情報革命を起こすトライアルと低温物流を中心としたダントツ低温戦略を進める日本アクセスが協業する事で、低温プラットフォームを構築していきたい。」と本プロジェクトへの参画意義を語りました。
また、「トライアルのとある店舗で、廃棄ロスの分析を行っている中で、ダイナミックプライシングを活用していかに廃棄ロスを減らせるかという検証を行っていたが、実はあるカテゴリーに限れば、廃棄ロスということがあまり起こっておらず、お店側で廃棄を減らそうとするあまり、発注数量を抑え、売場でのチャンスロスが発生していることがわかった。」とデイリー売場の分析により判明した事実を紹介。
さらに今津氏は、「そのような背景から、トライアルのリテールAIカメラを活用したチャンスロスの分析を、今まさに行っており、現在は第4次産業革命と言われているが、コンピューターが目を持ったということが非常に重要であり、リアル店舗での売場の可視化が可能になりつつある。また、それにより各種データを組み合わせる事でチャンスロスを可視化できる可能性があり、ある程度の定量化は出来ることがわかった。カテゴリーごとに欠品率が異なるため、重点的に改善をおこなうカテゴリーを絞る必要があるが、今後は可視化されたデータを元に、発注システムへの連動や廃棄との関連性を見ていく必要がある。」と得られる分析データとその活用イメージを説明しました。
最後に「『トライアル長沼店』のオープンに向けては、これまで分析した結果をもとに発注精度の向上を目指したシステムとの連動、品揃えの見直し、レジカートやダイナミックプライシングによる攻めの販促というものを考えていきたい。今まで出来なかった分析手法を用いて小売様の売上拡大に向けて、卸売の機能強化を目指していきたい。」と今後の意気込みを語りました。
■株式会社ムロオ 山下 俊一郎(代表取締役社長)
つづいて登壇した山下氏は、「メーカー、小売、卸 共同配送センターの設置で変わる日本の物流について」を発表。
山下氏は「労基、人件費、過積載など、厳しい行政の取り締まりがあり、物流業界では大きな問題となっています。その中で食品メーカー、食品卸、小売など各社が物流の最適化を模索していると思うが、非常に難しい状況です。」と物流業界が抱える課題を明らかにしました。
つづけて「その中で物流を改善しようと思ったら、一企業だけでは難しいのが現実です。複数の企業で、もっと大きな物量で改善するという考え方が必要。川上から川下までの物流を部分最適ではなく、業過全体、エリア全体を見た全体最適をしていくことが重要となります。物流を各社が戦ってきた競争領域からインフラとしての協調領域へ変えていくことが不可欠、それを『リテール・ロジスティクス・プラットフォーム構想』として進めています。」と物流業界の新たな考え方を示しました。
またトライアル基幹物流センターである白鳥物流センターでの取り組みを紹介。「同一エリア内に汎用センターを設け、エリア内の物流全体最適化を図り、新たな物流プラットフォームの形成を目指している。同業他社と組むことで互いのエリア内の倉庫・配送の効率を上げる、異業種他社と組むことで互いのエリア内の倉庫・配送の効率を上げる、専用から汎用物流センター、そして、AI物流センターへという考え方を進めています。」と競争領域から協調領域となり、同業他社、異業種を巻き込んで物流資産を共有することで、「ムダ・ムラ・ムリ」を減らしていく、変革の方向性を明らかにしました。
■フクシマガリレイ株式会社 福島 豪(専務取締役 営業本部長)
最後に壇上へ上がった福島氏は、「AIファシリティ企業として取り組むリテールAI」を発表。
福島氏は「小売、メーカー、卸、物流ときて最後にショーケースメーカーが出てきて、毛色が違うなと思われたかもしれませんが、この「リアイル」の取り組みにおいて、我々はAIファシリティ企業として非常に重要な役割を担っていると考えております。」本プロジェクトにおけるフクシマガリレイの役割を改めて紹介した。
具体的には「AIファシリティ企業として、従来の『鮮度管理と省エネ』だけでなく、お客様が儲かる『売れる」AIショーケース』をつくっていくという発想の転換、デジタルトランスフォーメーションによるメディア化で活性したリアル店舗の実現、リテールAIの普及を加速させるインフラ構築・メンテナンスを担うと述べました。最終的には小売店舗へ買い物に来る生活者が「買い物を楽しめるスーパー」を増やし、流通産業を変えていく。また、流通革命をプロジェクトメンバーとつくっていく」とプロジェクトにおける使命を語りました。
また、リテールAIショーケースを発表会会場に展示し、「AIカメラ、電子棚札、サイネージ、内蔵ビーコンなどを備え、欠品検知、人流検知、商品検知が可能となっており、自動発注連動、ダイナミックプライシング、パーソナライズサイネージ広告というソリューションで、楽しい買い物環境の提供をプロジェクトメンバーと取り組んでいきたい。」とトライアル長沼店で実装されるリテールAIショーケースの機能やソリューションを具体的に紹介しました。
さらに、「ファシリティ企業はハードを提供するだけでなく、『リアイル』のエコシステムの構築が重要だと考えている。」と福島氏は述べ、昨年12月から稼働したフクシマガリレイ新本社にある、リテールAIの発信、検証店舗の「MILABストア」を紹介した。「MILABストア」では、「AIカメラ、電子棚札、サイネージを備えたAIショーケースや、スマートショッピングカートが稼働しており、12月の開業以来約3,000名を超える小売業、メーカー、卸の方にお越しいただき、この『リアイル』の取り組みでどんな新しいことができるかを体験してもらっています。」とAIファシリティ企業としてリテールAIプラットフォームの発信活動も披露しました。
最後に福島氏は「お客様がドキドキ、ワクワク買い物を楽しめること、それと同時に小売業の売り上げや生産性が上がる。こういう世界観をつくっていくことが『リアイル』の目標だと思っています。」とプレゼンテーションを締めました。
本プロジェクト名である「リアイル」は、絵空ごとではなく、現実のものとして実現した“リアルなAI”という意味と、“リテールAI”をかけ合わせた造語です。また、バーチャルではなく、“リアルで愛のあるプラットフォーム”という想いも込められています。日本発のリテールAIプラットフォーム「REAIL(リアイル)」にご期待ください。
本発表会は参画企業による具体的な取り組みの披露や、セルフレジ機能付きの買い物カート「レジカート」、欠品情報、店内の人の流れを検知し商品棚づくりに生かす「AIカメラ」等、「リアイル」のAI技術を結集した、関東発のスマートストア、「トライアル長沼店」が4月24日(金)にリニューアルオープンすることが明らかになったことにより、開会から閉会まで会場内は注目の視線に包まれました。
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