JATO 2020年5月欧州新車販売台数速報

ルノー クリオ(ルーテシア)が、フォルクスワーゲン ゴルフを抜き、5月欧州で最も売れたモデルとなった

自動車産業の世界的な調査会社であるJATO Japan Limitedは、欧州の自動車市場についての最新レポートを公開した。
[本リリースは、2020年6月29日にJATO Dynamics Limitedが発表したプレスリリースを邦訳したものです]

● 2020年5月の販売台数は前年同月比57%減、それまでの年度累計では43%減
● SUVが40%のマーケットシェアを獲得
● 電動車の販売台数は、たったの8%減に留まった


新型コロナウイルスが自動車業界に大きく立ちはだかっている間も、欧州自動車市場の進展は続いている。当月の欧州27カ国での新車販売台数は622,067台で、対前年比57%減となった。2020年のこれまでの販売台数を合計すると、395万台となり、前年同期比で43%減となっている。こうして見ると、かなり大きな減少に見えるが、4月が78%減であった状況からすれば、当月は明確な転換期となったと言えるだろう。
 


欧州各国がロックダウン政策を緩和したことで、販売台数も少し回復の兆しを見せてきた。JATOのグローバルアナリストであるFelipe Munozは「4月の結果と比較すれば、5月の販売台数は2倍以上になっている。回復の兆しははっきりしているとは言え、当月に登録された台数は、ロックダウン政策が行われる前に購入された車両の分である可能性もある。そのため、欧州市場の回復がV字型なのかU字型になるのか、予測するための十分な情報はまだ得られていない」と説明する。

それでもなお、当月の自動車業界には、いくつかの好材料もあった。個人登録の台数が伸びていることから、4月に台数減となったのはほとんどロックダウン政策によるものであり、そのせいで新車を手にできた顧客が少なかったということが分かる。Munozは「ビジネスやフリートでの登録台数が、個人登録よりも大きく減少することは、決して珍しくはない。そのどちらもウイルスの感染拡大に深刻な影響を受けてはいるが。多くの場合、個人登録の方が自動車メーカーにとってより収益を上げられるため、経済の温度を測る上で、より現実的な指標だと言える」と話す。
 


電動車は8%減少

ガソリン車とディーゼル車の販売台数は、当月それぞれ62%減、59%減となったが、電動車はわずかに8%の減少に留まった。事実、2019年5月の103,400台から、当月は95,300台へと減っている。このように減少が少なかったため、電動車のマーケットシェアは、7.2%から15.3%へと拡大した。年度累計では600,500台となっており、ディーゼル車の117万台に対して半分程である。
 


台数を伸ばしたのは、PHEV(プラグイン・ハイブリッド車)であった。ピュアEV(BEV)よりも手に入れやすい価格であり、現実的な選択肢であるためであろう。Munozは「この危機にあって、HEV(ハイブリッド車)の需要は、PHEV(プラグイン・ハイブリッド車)が安価な理由で人気を集めている一方で、浮き沈みがあることが分かった。それでも、マイルドハイブリッド車が近い内に、ハイブリッド全体の売上を押し上げるだろうと予測している」と述べた。

当月、ルノー ゾエ(Zoe)が電動車の中で販売首位となったが、最も成長をけん引したのは、フォルクスワーゲン e-Golfであった。フォード プーマ(Puma)がトヨタ ヤリスより多くを売り上げ、フィアット 500がHEV(ハイブリッド車)の中で6位となったが、その2車種共がマイルドハイブリッド車である。PHEV(プラグイン・ハイブリッド車)で首位となったのは、新型フォード クーガ(Kuga)で、三菱 アウトランダーの人気に明らかな影響を与えていることが分かる。
 


ルノー クリオ(ルーテシア)が再び販売首位に

今年になって2回目であるが、ルノー クリオ(ルーテシア)が、フォルクスワーゲン ゴルフを抜き、欧州新車販売で首位となった。両モデル共、前年同期比で2桁減少を記録しているが、購入可能な車両を用意できたことが、クリオ(ルーテシア)が勝利した要因であろう。新型となったことが販売に大きな貢献をしており、当月売れたクリオ(ルーテシア)の内、5世代目が80%を占めている。対照的に、同時期にモデルチェンジしたフォルクスワーゲン ゴルフは、新型車が5月半ばにソフトウェアエラーにより、納車を中断する必要があったため、販売を伸ばすことができなかった。結果、当月販売のゴルフの内、新型は17%にしかならず、8世代目ゴルフの車両を用意できなかったことが、大きな減少につながった。
 


重要な位置に付けたフランス車は、クリオ(ルーテシア)だけではなかった。新型となったおかげで、プジョー 208がほぼ11,000台を売り上げて、モデル別販売で3位となった。販売上位10車種の内、SUVが4車種となったことから、欧州でのSUV人気がずっと続いていたことが分かる。当月販売された新車の10台に4台がSUVであり、前年同期比53%減ではあるが、250,000台を売り上げた。特に貢献したモデルは、ルノー キャプチャー、フォルクスワーゲン T-Roc、ダチア ダスター(Dacia Duster)、  フォルクスワーゲン ティグアン、プジョー 2008であった。それ以外に当月よく売れたSUVは、フォード プーマ(Puma)の5,523台、シュコダ カミック(Skoda Kamiq)の4,036台、マツダ CX-30の2,936台、メルセデス GLEの2,919台(116%増)、アウディ Q3 スポーツバックの2,825台である。

最も販売が振るわなかったセグメントは、MPV、シティーカー、ラグジュアリーセダン、コンパクトカー、エグゼクティブカーであった。MPVの販売台数は劇的に減少しており、最近欧州の消費者に人気となっている、商用車由来のバンにも負けている。

JATOについて
 
JATO Dynamicsは、1984年に設立され、現在世界51カ国以上で活動しています。30年以上に渡り、自動車の仕様、価格、販売登録台数に関する、世界で最もタイムリーで、正確な最新のデータを提供してきました。弊社は、単なるデータ以上のものを提供し、世界の変化と、それに伴う消費者の考え方の変化を見極め、業界が求める洞察をお伝えしています。短期的な市場の動きに対応し、長期的な成長へ向けた計画を行い、そして最終的にはお客様のニーズへもお応えすることが可能です。詳しくは弊社のウェブサイトをご覧ください。

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