ペットの命を守るための私たちの取り組みについて ~売れ残ったペットはどうなるのか?~

全国に76店舗を展開し、毎年2万人以上のお客様へ幸せなペットライフを提供しているペットショップ「P's-first」を運営するペッツファースト株式会社(本社:東京都目黒区、代表:正宗 伸麻、以下ペッツファースト)が、これまで不透明なブラックボックスといわれてきたペットショップの流通販売における重要指標についての一般開示を業界で初めて行いました。

図1:ペッツファースト マンスリーペットレポート2022年1月図1:ペッツファースト マンスリーペットレポート2022年1月

 当社契約ブリーダーが愛情を持って育てたペットが、専属獣医師による30種類以上の検査項目にわたる健康診断、ならびに感染症予防プログラム(ドクターズチェック)を受けたのちに、各店舗を通じて、お客様へ大切な家族としてお迎えいただくまでの各流通過程における取引頭数、死亡頭数および率などの統計数値を、"ペッツファースト マンスリーペットレポート”(以下、レポート)として当社WEBサイト上で毎月開示しています。

URL:https://pfirst.jp/Static/Protected_Monthlyreport/

  またレポートでは、すべてのペットに家族を提供すること、もしくはコンプライアンスに沿って私たちが最後の一頭まで守っていることを示しています。これにより、ペッツファーストではいわゆる売れ残り、行き先が分からないペットが一頭も存在しないことが分かります。

グラフ1:年度別 社内死亡率/販売頭数グラフ1:年度別 社内死亡率/販売頭数


  死亡原因についても、レポート内において獣医学に基づき正確に開示し、再発防止に向けて学術的な分析や改善に取り組んでいます。ペットショップの流通過程における年間の死亡率は平均で3.0%(26,249頭 2018年度 朝日新聞調べ)といわれますが、当社内死亡率は0.56%(139頭 2021年度)でした。2017年対比で半分以下に削減できましたが、これからも死亡率ゼロの実現を最優先課題として取り組んでいきます。

 その取り組みの一つとして、この春に渋谷区代官山エリアに、CTやMRI等の医療機器を完備したペッツファースト動物病院 代官山高度医療センターを開業します。
 社内死亡原因のうち、これまで救うことが難しかった幼齢期の水頭症や、門脈シャントなどの重篤な疾患の早期発見と治療が可能となり、一頭でも多くの命を守りたいと考えています。

 また、さらに高い学術レベルでの原因究明と対策を講じるために、当社の取り組みに共感をいただいた日本獣医生命科学大学や鹿児島大学の各研究室との共同研究を数年前より開始し、すでに一定の成果を出すことができています。

 これからも私たちペッツファーストは、必要な情報をいつも透明性高く開示し、すべてのペットの命をコンプライアンスに沿って最後まで守っていきます。

■代表取締役社長 正宗伸麻コメント 「私たちペッツファーストの想い」
 私たちは、"Pets always come first"を理念に、これまでペットをいつも最優先に考えたペットショップ運営を心がけてきました。

 近年ペットショップ文化そのものに対して様々なご意見があること、特にいわゆる売れ残りや行き先がわからないペットが多数存在するのではないか、不透明なブラックボックスが流通過程にあるのではと疑問視されていることも承知しています。
もしそれが事実であれば、動物愛護管理法において明らかな法令違反とも言えます。
ペットの命に最後の一頭まで責任を持つことは、飼い主だけではなく私たちペットショップにも求められているからです。

 本来ペットショップは、ペットの命を扱う社会的責任として、取り扱い状況を自ら開示するべきではないでしょうか。不透明なブラックボックスを隠さずに開示することが、彼らの命を守ることにつながることは明らかです。
これが、私たちペッツファーストが業界に先駆けてレポートを開示した理由です。

 これからもブラックボックスを無くすために、開示範囲や対象をさらに広げていきます。当社内のペットの命に関わる各種指標をはじめ、取引ブリーダーへ対しても適切な情報のフィードバックを通じて、繁殖流通過程の数値開示を求めていきます。

 

 

 

グラフ2:ペッツファースト保護犬猫譲渡数推移グラフ2:ペッツファースト保護犬猫譲渡数推移

 またペッツファースト出身以外のペットの幸せにも私たちが貢献するための取り組みとして、2013年より店舗内で保護犬猫譲渡を実施し、すでに1,065頭(2022年2月末時点)が新しい飼い主様へお迎えいただきました。対象は各地の保健所や愛護団体などからお預かりした、飼い主を何らかの理由で失ってしまったペットに限定してきました。
 その一方で、ブリーダーのもとで繁殖をリタイヤしたり、ペットショップで何らかの理由で販売できなくなったペットを保護犬猫という誤解を受けやすい名称を使い、ほぼ販売に近い行為を行う業者が見受けられます。明らかに第二種動物取扱業における保護犬猫譲渡本来の趣旨を逸脱しており、これではかえって安易な繁殖や悪質な違法業者を助長することになり、業界内のブラックボックスを増やすことになります。保護犬猫譲渡の正しい定義と運用方法を定める必要があります。 

 このようにペット業界には様々な課題がありますが、解決のための一歩は、なにより誠実な情報開示から始めなければなりません。またすべてのペットショップやブリーダーは、終生飼養やコンプライアンスに沿った事業運営を徹底し、自らブラックボックスを無くしていくことが求められます。また国や行政、ペット業界、愛護団体、ペットオーナーが更に連携を深め、ペットの文化や流通販売の健全化を適切に議論し、悪質な違法業者に対しては退場させる覚悟も必要なのではないでしょうか。

‟ペットショップで売れ残ったペットはどうなるのか?”

 私たちペッツファーストでは、はたらく誰もがこの質問に対して ‶ペットの命を最後まで責任を持って守っているので、いわゆる売れ残りや行き先が分からないペットは一頭も存在しない” と、開示されたレポートに基づいて自信を持って答えることができます。それはペットが大好きなスタッフばかりのこの会社では、あたりまえのことなのです。

 私は一人の愛犬家としても、この誰にとっても当然の考え方が、いつか日本のペットショップ全体のスタンダードになることを強く願っています。

 私たちペッツファーストはこれからも笑顔のペットを増やし、不幸なペットを一頭でも減らせるようなペットショップを目指していきます。

ペッツファースト株式会社 代表取締役社長 正宗伸麻ペッツファースト株式会社 代表取締役社長 正宗伸麻








(補足資料①)
【ペッツファーストと大学との共同研究紹介】
●鹿児島大学 大和修教授

 柴犬に多い致死性遺伝子疾患のGM1ガングリオシドーシス(以下GM1)の発生しにくい繁殖管理について、2019年より契約ブリーダー協力のもと、1,509頭(2022年2月現在)の母犬または父犬の遺伝子検査を済ませ、GM1を産み出さない組み合わせのブリーディングを徹底しています。
その結果ペッツファーストが扱う柴犬と豆柴にはGM1の発生リスクを限りなくゼロに近いレベルにすることができています。
 

鹿児島大学 大和修教授鹿児島大学 大和修教授

【プロフィール】
名前:大和修 教授
経歴:鹿児島大学 共同獣医学部 教授
1998年にGM1ガングリオシドーシスの最初の柴犬症例を発見して以来、長年の研究を経て全国規模の同疾患の予防に貢献。犬猫における多くの遺伝子疾患に関する研究を実施する国内で唯一の研究者。
researchmap ID: 1000200110
ORCID: 0000-0002-4430-5645
 

 


●日本獣医生命科学大学 田中良和教授
 致死率の極めて高い猫の難病の一つであるFIP (猫伝染性腹膜炎)の発症予防と治療薬の研究をしています。治療方法の研究を進め、2020年からこれまでに社内で発症した53頭のうち、すでに35頭の猫がFIPから回復し、再び家族に迎えられて幸せに暮らしています。これらの共同研究の成果は2021年第163回日本獣医学会学術集会にて報告しており、2022年に学術論文発表も予定されています。
 

日本獣医生命科学大学 田中良和教授日本獣医生命科学大学 田中良和教授

【プロフィール】
名前:田中良和 教授
経歴:日本獣医生命科学大学獣医学科 教授・獣医学科長
日本獣医畜産大学卒業後、東京都臨床医学総合研究所研究員を経て、日本獣医生命科学大学教員。大学赴任後、FIPの診断法、治療法に関する研究を行ってきた。薬剤耐性ウイルスを出さないために、1種類の抗ウイルス薬に頼らず、作用機序の異なる有効な薬のスクリーニングを行っている。


●日本獣医生命科学大学 田中亜紀先生
 “社内死亡頭数ゼロ“の実現に向けて、シェルター・メディスン(保護動物シェルター内で科学的根拠に基づいた適正な管理方法や数値指標を示すための研究)に基づいたパルボウィルス感染症などの予防および、ペット産業における動物福祉向上の研究を開始しています。

日本獣医生命科学大学 田中亜紀先生日本獣医生命科学大学 田中亜紀先生


【プロフィール】
名前:田中亜紀 先生
経歴:現職 日本獣医生命科学大学 講師
日本獣医生命大学卒業 獣医師
動物病院勤務を経て、2001年渡米
米カリフォルニア大学デービス校にて、環境毒性学部で修士課程修了後、シェルター・メディスンの研究で獣医予防修士課程修了。
同校でシェルター・メディスンと災害獣医学の研究をテーマに博士課程修了。
博士(疫学)。2019年4月より現職。獣医師。


 (補足資料②)
【ペッツファースト施設紹介】
●ペッツファースト動物病院 代官山高度医療センター

開業日 :2022年春開業予定
住所  :東京都渋谷区代官山町20-20モンシェリー代官山  代官山駅徒歩1分
設備  :血液検査装置、ホルモン検査装置、X線検査装置(レントゲン)、超音波診断装置、心電図検査装置、眼科検査装置、CT検査、MRI検査、細胞培養室、外科用X線撮影装置(Cアーム)
診察内容:予防診療、一般診療、専科診療(軟部/整形外科、腫瘍内科/外科、皮膚科、循環器内科/ 外科、行動診療科)、FIP 治験、再生医療など
 「P's-first for アダプション」を院内に併設し、契約ブリーダーや P's-first での販売前に疾患を発症してしまったペットの治療を行い、ご理解をいただけるお客様へ譲渡するためのスペースを設置します。お迎えいただいた後は継続的な獣医療サポートも提供し、ペットライフに寄り添い続けます。ペッツファーストは2022 年度中に、既存4医院に加え全国に8つのペッツファースト動物病院を新たに開業する予定です。


●ペットケアセンター日光について

ペットケアセンター日光ペットケアセンター日光

名称  :ペットケアセンター日光(ペットケア&アダプションセンター日光に改称予定)
住所  :〒321-2342栃木県日光市根室323-1
サービス:老犬猫ホーム、里親探し代行、ドッグラン、ペットホテル、診療施設
WEBサイト:http://nikko.prc-pet.jp/
 当社内のあらゆるペットの長期ケアにも対応できるよう2007年に開業しました。9名の専門スタッフが疾患治療、リハビリ施設として3万坪を超える広大な敷地内でペットケアを行っています。レポートの通り、当社内で病気などが理由でケアを受けているペットは犬猫あわせ35頭います。(2022年1月時点)
 私たちが扱うすべてのペットに幸せな家族を提供するまで、最後の一頭まで責任を持つための施設です。また、やむを得ず終生飼養を継続できなくなった一般のペットオーナーに代わり、終生ケアや里親探し代行サービスの提供も行っており、開業以来300頭以上のペットをお迎えしています。

●ウェルネス管理センターについて

ウェルネス管理センターウェルネス管理センター

 ウェルネス管理センターでは獣医師や動物看護師を中心とした総勢200名以上の専門スタッフが、店舗でお客様へ提供前のペットの検査や日々の健康管理を行っています。全国の契約ブリーダーと健康面に最大限配慮した上で取引するために、メディカルセンターが併設された東京ウェルネス管理センター(東京都大田区矢口)をはじめ大阪、福岡の3拠点へ展開しています。これからも検査機器や項目を増やし、ペットの心身における健康管理の徹底に努めます。



■会社案内
【会社名】ペッツファースト株式会社
【所在地】〒153-0063東京都目黒区目黒1-24-12 オリックス目黒ビル9F
【資本金】1億円
【代表者】代表取締役社長 正宗伸麻
【設立】2008年4月
【事業内容】ペットショップ「P’s-first」の運営、動物病院の運営
【従業員数】1,100名(うち獣医師47名、看護師46名)2022年2月末時点
【その他】●公益財団法人日本補助犬協会と連携をして10頭の聴導犬を育成しユーザーへ提供
●2006年に業界初となるペット用マイクロチップの全頭装着済み販売を開始。日本国内でペットの殺処分数が年間30万頭以上発生していた中、飼い主が分からず殺処分されるペットを私たちの手で一頭でも減らしたい、終生飼養の意識を高めたいという想いからだった。以来16年にわたり、保健所等での殺処分が極めて発生しにくい仕組みでペットを提供してきている。
【WEBサイト】https://pfirst.jp/

 

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会社概要

URL
https://pfirst.jp/
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
東京都目黒区目黒1-24-12 オリックス目黒ビル9F
電話番号
-
代表者名
正宗伸麻
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2008年04月