日本の大学としては初、イタリア環境アートの聖地「アルテセラ」で作品展示
日本女子大学の篠原研究室で作成した「Shared Bench for Animals (Tobusa)」という作品が、2021年6月13日より、イタリア環境アートの聖地でもある北イタリアの屋外美術館「Arte Sella」(アルテセラ)で展示が開始される。
アルテセラでの展示で、日本の大学が制作した作品が展示されるのは初めてで、日本人としては隈研吾氏以来の作品展示となる。
アルテセラは、1986年にブルゴ・バルスガナに住む友人グループが現代美術と自然の組み合わせを想像するため実験的な形で生まれたイタリアの環境アートの聖地で、30年以上に渡り、芸術、音楽、ダンス、そのほかの人間の創造性の表現が融合し、人間の創意工夫と自然界との間のユニークな対話に生命を吹き込む場となっている。
http://www.artesella.it/en/aboutus.html
本展示は、日本女子大学の学長でもあり住居学科の篠原聡子教授に、ミラノ工科大学のマルコ・インペラドリ教授から、イタリアの環境アートの聖地である「アルテセラ」にて、“シェア”をテーマにした作品展示の打診があり実現した。
「Shared Bench for Animals (Tobusa)」
高い木の枝には鳥がとまり、幹にはリスがいて、そして地面にはネズミがいるといった森の動物たちの縦の棲み分けを意識した作品になっている。
また幹の途中には人間が座るスチールの円盤をいれ、ところどころに虫のための穴も用意。学生との試行錯誤の結果、刻んだ木の幹をリング状にだんだんに高くなるように積みあげる設計を採用した。
また作品タイトルにある「Tobusa」とは木こりが切った切り株の上に、切った木の枝を供えて、山の神に森の再生を祈った鳥総(とぶさ)という日本の伝統的な儀礼からきている。何か所かの切り株の上に植物が植えられているのは、そのため。
イタリアでの新型コロナウイルスの感染状況が深刻なときは、一旦プロジェクトは中断を余儀なくされたが、状況が落ち着き、クラフトマンが活動できるようになり、作品の完成にいたった。現地を襲った台風で倒れた倒木を使っており、自然環境を受け入れたことにより実現したプロジェクトになっている。
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